成果につながる「仕事術」とは?──株式会社Career Art 土井啓史の実践スタイル
こんにちは。土井啓史です。
本記事は、私の活動に興味を持っていただいたインタビュアーの方と対談した内容です。 インタビュアーの方に許可をいただき、記事を掲載しています。
私自身のことや仕事に対する想いなどを深く話す機会はなかなかないので、この機会に知っていただければ幸いです。
前回の記事では、私の人生観や価値観についてお話ししましたが、今回は、それらをどのように日々の仕事術や習慣に落とし込んでいるのか、実践的な側面についてお伝えします。
ーー土井さんが、日々の仕事において大切にしている習慣や、意識的に取り入れている仕事術について教えてください。
私が仕事を進めるうえで特に重視しているのは、「ルーティン化」「タスク化」「整理整頓」の3つです。
仕事の多くは、実は単純作業の積み重ねです。だからこそ、できる限りルーティン化することで、無駄な判断や迷いを減らすようにしています。同じ作業を毎回ゼロベースで考えるのではなく、再現性のある“仕組み”として組み込むことで、業務のスピードと精度が格段に向上します。
また私は、仕事そのものを「パズル」のようなものだと捉えています。まずはゴールを明確にし、そこに到達するために必要な要素をタスクとして細分化・整理していく。タスクという“ピース”を適切に配置していくことで、業務の全体像が把握でき、抜け漏れなく効率的に進めることが可能になります。
さらに、「大事なことは必ず紙に書き出す」という習慣も欠かせません。目的は、思考の整理です。人間の脳には処理できる情報量に限界があります。頭の中で考えるのではなく、紙にアウトプットすることで考えるべきことが明確になり、余計な負荷を取り除くことができます。
この「整理整頓」の意識は、仕事だけでなく生活全般にも通じています。自宅の環境も常に整えており、定期的な断捨離を通じて、本当に必要なものだけに囲まれた状態を保つようにしています。物理的な環境を整えることで、精神的にも集中しやすくなり、仕事へのパフォーマンスにも好影響を与えていると実感しています。
ーー整理整頓を徹底されているとのことですが、そこにはどのような意図や背景があるのでしょうか?
すべては、「限られたリソースを本当に重要なことに向けるため」です。
私は常に複数のプロジェクトや業務を並行して進めています。その中で、余計なことに気を取られたり、無駄な作業に時間を使ってしまうことは、生産性の大きなロスにつながります。
だからこそ、紙に書き出して情報を整理し、自分が本当にやるべきことに集中できる状態を意識的に作っています。
また、「タイムパフォーマンス(時間対効果)」や「コストパフォーマンス(費用対効果)」の観点からも、物事を取捨選択するようにしています。
人生とは、突き詰めれば「時間の使い方」で構成されています。
限られた時間の中で最大限の成果を出すためには、無駄なことをできるだけ排除し、優先順位の高いことにエネルギーを集中させることが不可欠です。この考え方が、私の仕事術の根幹になっています。
ーー実際の業務の中で、タスクをどのように管理されているのか、具体的な方法や工夫について教えてください。
日々のタスク管理には、主にGoogleカレンダーやGoogle ToDoリスト、Gmailなどのデジタルツールを活用しています。
Googleカレンダーはスケジュールの可視化に、ToDoリストやGmailは日常的なタスクの整理・管理に活用するなど、それぞれの特性に応じて使い分けています。
一方で、より重要なことや中長期的な目標の進捗管理については、紙の手帳である「フランクリンプランナー」を使用しています。この手帳は「目標達成」に特化しており、思考を深め、計画を具体化・可視化するためのツールとして非常に有効です。
特に重要視しているのは、「重要なことは紙に書いて整理し、実行する」という習慣です。手を動かして書くというアナログなプロセスを通じて、より深く考え、思考を整理することができます。デジタルツールの利便性を享受しつつも、「考えるための時間」を確保する手段として紙を活用することが、私にとっては非常に大切なスタイルになっています。
ーーこれまでのキャリアの中で、かつて苦手意識を持っていた業務や取り組みにくかった仕事はありますか?また、それをどのように乗り越えたのかもあわせて教えてください。
細かい作業や、細かな計画を詰めていくプロセスには、昔から苦手意識があります。
私自身、仕事においては「全体の方向性を示すこと」を自分の役割だと捉えているため、細部に過度に入り込んでしまうと、かえって仕事の全体像が見えにくくなってしまうことがあるからです。
もちろん、細かい作業も非常に重要です。ただ、自分がそこに集中しすぎると、全体の流れや目的を見失ってしまうリスクがあります。細部に入り込めば作業効率は上がるかもしれませんが、その分、俯瞰的な視点が弱まってしまうのです。
こうした課題意識から、私は「仕事には実務担当が必要」だと常々考えるようになりました。つまり、自分は全体の方針や戦略を描く役割を担い、細かな部分については信頼できるチームメンバーや右腕となるような存在と連携して進める。そうした役割分担を意識することで、自分の強みを活かしつつ、苦手な部分も補える体制を整えています。
ーー「仕事には実務担当が必要」とのことですが、具体的にはどういった意味でしょうか?そのようなパートナーとの関係性や役割分担についても教えてください。
私が仕事を進める上で大切にしているのは、「体制をつくること」です。
自分自身の役割は、全体を俯瞰しながらゴールを定め、そこに向かってパズルのピースを組み合わせていくこと。方向性を示し、大局観を持って意思決定を行うことを主眼に置いています。
その一方で、プロジェクトや業務の精度を高めていくためには、細部をしっかり詰めてくれる“参謀”のような存在が不可欠です。私自身、細かい作業や調整は決して得意ではないため、そうした領域は信頼できるパートナーに任せるようにしています。
大事なのは、役割を明確にし、それぞれが自分の得意領域に集中できる体制を整えることです。私は全体のバランスを見ながら全体を前に進め、実務担当は具体的な作業やプロセスの精度を担保する。このように機能的な分担をすることで、チームや組織としてのパフォーマンスを最大限に引き出すことができると考えています。
ーー苦手な部分を無理に克服しようとするのではなく、チームの力で補い合うという考え方を大切にされているのですね。
このスタンスを取るようになった背景や、それによって得られた実感があれば教えてください。
そうですね。自分の得意な領域に集中し、苦手な部分は信頼できる人に任せることで、チーム全体としてのパフォーマンスを最大化できると感じています。
特に重要なのは、「自分がどこにフォーカスすべきか」を明確にすること。そして、それを実現するための体制や役割分担をしっかりと設計することです。
仕事は決して一人で完結するものではありません。
それぞれの強みや得意分野を活かしながら、役割を明確にし、全体を俯瞰して調和を図ることで、最終的により大きな成果を生み出すことができます。
この考え方を実践するようになってからは、仕事の質もスピードも向上し、チームとしての一体感や信頼感もより強くなったと実感しています。
ーー今回は、日々の仕事における「習慣」や「仕事術」についてお話を伺いました。
自分の強みを活かし、チーム全体で成果を最大化する考え方は、多くの方にとって参考になるのではないでしょうか。
今後も、自分自身の仕事スタイルを磨き続けていきたいと考えています。