夕食を準備している時間に、突然電気が止まったとします。照明が消え、調理が中断し、スマートフォンで状況を調べようとする。そんな場面で、最初に使えるようにしたいものは何でしょうか。
冷蔵庫の電源を保ちたい方もいれば、家族が集まる部屋を明るくしたい方、暑さや寒さへの備えを優先したい方もいると思います。同じ停電でも、暮らしへの影響と必要な備えは家庭によって変わります。
株式会社ECODA(エコダ)代表取締役の平間 一也です。今回は、停電時の生活を具体的に思い描きながら、蓄電池に求める役割を整理する考え方をお伝えします。
蓄電池を選ぶ前に、残したい生活を考える
停電対策として蓄電池を調べると、容量や価格などの数字が目に入ります。しかし、数字を比較する前に考えていただきたいのが、電気が止まっても続けたい生活は何かということです。
食品を保存するために冷蔵庫を動かしたい。家族と連絡を取れるようにスマートフォンを充電したい。夜間に移動するための照明を確保したい。目的を生活の言葉にすると、必要な設備を考える手がかりになります。
ECODAでは、普段の電気の使用状況に加えて、停電時に使いたい電力についてもご要望を伺い、設備のサイズや容量を検討しています。
防災に役立ちそうという期待を、どの家電を、どの場所で、どの程度使いたいかという条件へ整理すること。それが、ご家庭に合う備えを考える第一歩になります。
家全体へ送電する方式と、決めた回路へ送電する方式
家庭用蓄電池には、停電時に電気を供給する範囲の違いがあります。代表的なのが、家全体へ給電する全負荷型と、事前に決めた回路へ給電する特定負荷型です。
特定負荷型では、冷蔵庫や照明など、備えたい場所や機器を絞って考えることになります。全負荷型では、住宅全体を給電対象として検討できますが、家中の電気製品を普段どおり同時に使えるとは限りません。実際に使える機器や組み合わせは、製品の仕様によって変わります。
そのため、給電範囲の名称だけで判断せず、ご自宅のどこで電気を使える計画なのかを確認することが重要です。
株式会社ECODAが提案で大切にしているのは、設備の分類と、お客様が思い描く暮らしを結びつけることです。使いたい家電のある場所と、電気が届く範囲が合っているかを確認する必要があります。
容量が大きくても、使える家電は別に確認します
蓄電池の容量は、蓄えておける電気の量を考えるための指標です。一方で、どの家電を動かせるか、同時にどれくらい使えるかには、出力や対応電圧なども関係します。
水をためるタンクに例えると、容量は入れておける水の量に当たります。しかし、一度にどれだけの水を出せるかは、別の条件です。蓄電池でも、電気を多く蓄えられることと、大きな電力を必要とする家電を使えることは分けて考えます。
例えば、IH調理器やエアコンなどを停電時にも使いたい場合は、対象の機器が求める条件と、蓄電池側の仕様を確認する必要があります。200V機器への対応も、機種ごとの確認事項です。
エコダでは、ご希望を容量の数字だけに置き換えず、使いたい機器と設備の機能を照らし合わせて検討します。この確認によって、導入後の使い方を具体的に理解しやすくなります。
何を優先するかで、電気の使い方が変わります
停電時には、使える電気をどのように配分するかも大切になります。普段どおりに多くの家電を使う場合と、必要なものへ絞って使う場合では、蓄えた電気の持ち方も変わるためです。
家族の中でも、優先したいことは異なるかもしれません。食事の準備を気にする方、室温を保ちたい方、情報を得るための通信機器を重視する方など、それぞれの視点があります。
あらかじめ話し合っておけば、設備に必要な機能を整理する際にも役立ちます。どの部屋で過ごすかを決めることで、必要な照明や家電を考えやすくなる場合もあるでしょう。
株式会社エコダの設備提案では、こうしたご家庭の希望を踏まえ、停電への備えと導入費用の関係を考えます。実現したいことの優先順位が分かるほど、比較する条件も明確になります。
太陽光発電との組み合わせは、天候も含めて考える
太陽光発電と蓄電池を組み合わせると、発電した電気を使いながら、余った電気を蓄える運用が可能になります。停電への備えを考える際にも、この組み合わせは検討材料になります。
ただし、太陽光発電の発電量は、天候や時間帯、住宅の日照条件などで変わります。晴れている日の昼間と、雨の日や夜間では、使える電気の見込みも異なります。
また、停電が起きた時点で蓄電池にどれだけの電気が残っているかも関係します。太陽光と蓄電池があれば、どのような状況でも生活を無制限に維持できると考えることはできません。
ECODAでは、設備への期待と、実際にできることの条件を合わせて考えています。発電と蓄電の仕組みを理解することは、停電時にどのように使うかを判断する助けになります。
設備の備えを、家族で使える備えにする
設備を導入しても、その使い方を家族の一人だけが把握している状態では、必要なときに迷う場面が出てくるかもしれません。停電時に使える場所や家電、確認する表示などを、ご家族で共有しておくことも大切です。
停電時の切り替わり方や操作の要否は、製品や設定によって異なります。導入した機器の取扱説明書に沿って確認し、説明書の保管場所も分かるようにしておくと、いざというときに情報を探しやすくなります。
株式会社ECODAは、機器を選ぶことと、生活の中で使えるようにすることをつながった仕事として捉えています。ご家庭が期待する役割を確認し、その設備で対応できる範囲を理解していただくことを重視しています。
私、平間 一也が大切にしたいのは、防災という大きな言葉を、一人ひとりの暮らしに合う備えへ具体化することです。エコダでは、停電した日の生活まで想像しながら、ご家族に必要な設備を考える提案を続けてまいります。