“新卒最古参”セールスが10年目に語る「属人化からの脱却」への決意。新たに踏み出すSalesOpsへのキャリア
BX(ブランド体験)プラットフォーム「BOTCHAN」を提供するwevnal(ウェブナル)は、6つのプロダクトを強みに事業・組織ともに急成長を遂げています。セールスとして活躍する馬場弾さんは、2015年の入社以来、プロダクトとともに自身も成長してきました。
かつては、セールスとして「個人の数字をあげることに尽力していた」と話す馬場さんは現在、組織の成長に正面から向き合っていると言います。働く中での気づきと心境の変化、馬場さんが見る現在のセールス組織、そしてこれからを語ってもらいました。
目次
- どこかで「自分ができればいい」と考えていた。ぶつかった壁と見えた課題とは
- ロジカルな分析と仕組み作りでチームに新しい風を
- 個人商店から脱却し、組織でより大きな成果を目指して
どこかで「自分ができればいい」と考えていた。ぶつかった壁と見えた課題とは
──wevnalには、インターンから入社されたのですね。入社にあたって印象に残っていることはありますか?
CSOの森元さんとの面接が印象に残っています。「まずは3年間、俺に預けてくれ!」という言葉をかけられて。ベンチャーらしさを感じるとともに、話す中で意気投合したことを覚えています。
というのも、私がwevnalに出会ったのは、大学卒業後に就職予定だったアルバイト先の廃業を聞いた直後だったんです。突然の出来事に困惑していた時に、たまたま出会った森元さんに手を差し伸べてもらった、というか。その恩義も入社時の印象として強く残っていました。
入社後は、BOTCHANの各プロダクトの新規営業を担当。その後、現在は組織変更にあわせて全プロダクトを横断するセールスとして携わっています。
──現在まで、一貫してセールスをされているのですね。
はい。元々、バンド活動で得た仲間や先輩との人脈が仕事に直結することが多く、ビジネスとプライベートの境界が曖昧な生活ができる当時の広告代理事業が天職だと感じていました。
一方で、振り返るとその頃は「個人で突き抜けていればいい」という気持ちがあったんです。しかし、だんだんと「個人商店感」のある組織に危機感を持つようになり、改革の必要性を考えるようになりました。
──何をきっかけに、組織改革の必要性を考えるようになったのでしょう?
具体的には3つあります。1つ目は、個人でできることへの限界を感じたこと。
以前、私の成功体験が評価されて、組織化を任されたことがありました。しかし、上手く組織が立ち上がることはありませんでした。それは、立ち上げフェーズだから上手く行かなかったのではなく、自分ができたことを言語化・仕組み化して人に任せることができなかったことが要因でした。
当時の自分は「メンバーができなくても、自分が巻き取ればチームとしては達成できるから大丈夫だ」とどこかで考えていたんですよね。それだと、組織として強くなっていかないということを経験から学びました。
──なるほど。ご自身の経験から、組織作りの大切さを痛感したのですね。
そうなんです。そして2つ目は、もっと大きな目標を追いたくなったからです。
全プロダクトのセールスを担うようになったことに加え、営業戦略が中小企業からエンタープライズへシフトしました。提案内容や顧客の意思決定構造の複雑化が進み、より専門性を持ったチーム戦の重要性を感じ始めています。
3つ目は、私自身のwevnalに対する“恩返し”が終わったことです。
私はずっと「wevnalに拾ってもらったんだ」という恩義を感じていて。それがあるとき、役員と話す中で「もう恩返しではなく、自分のために働いてほしい」と言われたんです。それまでは、会社の中での自分の成果が大きいことこそが恩返しだと思っていたんですよね。
あらためて、この先に成し遂げたいことについて考えた結果、個ではなく「組織を成長させて、たくさんの仲間ともっと大きな景色を見たい」と考えるようになりました。
ロジカルな分析と仕組み作りでチームに新しい風を
──そういった意識の変化があった中で、実際にセールス組織はどのように変化していったのでしょうか?
大きかった出来事は体制変更です。セールスにCROの久川さんが加わり、長年組織的な弱点であったデータ・仕組みの観点から組織改革の旗振りを引き受けてくれたんです。
──今までと異なるエッセンスが加わり始めたんですね。
そうですね。特に、当時のセールスチームでは異質な存在であったコンサル出身の熊澤さんに思い切って弟子入りした修行期間が、今の自分の礎を築いています。
熊澤さんは、とにかく言語化や整理・仕組み化が得意なんです。何度も頭が弾けそうになりながらも必死に食らいつき、自分を実験台にして、物事を構造的に理解したり、人に伝わるように言語化するトレーニングを続けていました。
従来のセールス組織は、幸か不幸か、勘と経験を頼りに一定の成果を出せてきてしまった組織だったんです。
気の知れた少数体制のため阿吽の呼吸で連携できていたこともあり、言語化や仕組みを作る必要性が薄いと錯覚してしまい、重要視してこなかった。
しかし、再現性を保ちながら拡大できる組織を目指す必要があるため、いつまでもこのままではだめだと危機感を強く抱いていました。そこで、修行中の取り組みや成果をセールス組織内で共有した結果、チームの仕組みとして取り入れられ、他メンバーの成果にも結び付いてきました。
──現在のセールス組織で働くことの面白さは何でしょうか?
仕組み化できる部分が無数に存在していて、それらを紐解きながら、ときに周りを巻き込み、巻き込まれながら解決していくチャレンジが非常に面白いです。
また、CROの久川さんと壁打ちする機会が多くなり、今まで脳の眠っていた部分を揺り動かされている感覚があり、日々新たな視点や気付きを与えられて嵐のような日々を過ごしています。
彼はよく「イシューを見つけて動くことを決めた人が偉い。実行は得意な人と協力すれば良い」と言っているのですが、まさにこのリーダーシップが重視されている環境も面白さの一つです。
常に完璧には定量化しきれない現状を俯瞰的に捉えて、それでも解決しようと前に進める勇気を日々試されている感覚です。
また生粋のセールススペシャリストである森元さんやセールスチームの仲間からは、大量の一次情報のインプットと共に、職人としての嗅覚や技術を学ばせてもらっています。
個人商店から脱却し、組織でより大きな成果を目指して
──馬場さんの今後の展望を教えてください。
営業プロセス全体の設計・データ活用・ツール導入を通じた、組織全体の収益改善に力を入れたいと考えています。これまでのような個人の技術力を磨く職人から、持続的に拡大可能な組織を作る設計者への変化に挑戦している道程です。
森元さんは、熱狂でチームを率いることに天才的に長けているタイプです。なので、私は仕組みでそのチームを支えたいと考えています。言うならば、“SalesOps”のような役割でしょうか。
──これから、どのような組織を目指していきたいですか?
これまでのような熱狂を引き継ぎつつ、個人依存を脱却して再現性をテーマに組織作りをしていきたいです。
今後、組織として拡大していくには、事業部間・部署間の連携強化がより求められます。
その際、相互の信頼関係のベースがあり、その上でデータの透明性が担保されていて初めて連携が強化できる土台が作られると考えています。
──変化の過程にありながらも、今まで通り変わらないこともありますか?
そうですね。いつまで経っても「何とかする力」が一番重要だと思い続けています。
テレビドラマの『グランメゾン東京』の引用ですが、「情熱を持って向き合うこと」「最後まで諦めないこと」「お客様を一番に考えること」「自分を信じること」。まさにここに、全てが詰まっていると感じています。
個人ではなくwevnalとしてより大きな成果を出していけるよう、組織作りに一層向き合っていきたいです。