経理の世界でも、AI、OCR、RPA、クラウド会計、システム連携など、さまざまな言葉を聞くようになりました。
これらは、うまく使えば非常に便利です。
ただし、システムを入れれば、経理業務が自動的に整うわけではありません。
例えば、販売管理システムからデータを出力し、会計システムへ売上を計上する業務を考えてみます。
自動連携がない場合は、CSVやExcelを使ってデータを加工することがあります。
このとき先に決めておく必要があるのは、
どのデータを正とするのか
いつデータを出力するのか
返品や取消しをどう扱うのか
勘定科目や税区分をどう判断するのか
加工後の数字を誰が確認するのか
販売データと会計上の売上をどう照合するのか
という業務ルールです。
この部分が曖昧なまま自動化すると、誤った処理が速く、大量に行われる可能性があります。
Excelも同じです。
Excel自体が問題なのではありません。
元データが不明、計算式が複雑、作成者しか使い方が分からない、レビューの証跡がない、といった状態が問題です。
AIやDXは、整っていない業務を整える魔法ではありません。
業務の目的、データの流れ、判断基準、担当者、レビュー方法が決まっているからこそ、システムやAIを効果的に使えます。
まず業務を見えるようにする。次に標準化する。そのうえで、手作業のどこをシステムへ置き換えるかを考える。
この順番を飛ばさないことが、経理DXを成功させる近道だと思います。
次回は、監査やIPO準備にも耐えられる経理体制について書きます。