SDGsと㈱イムラ①
弊社の前社長が、地元の林業家と協業しながら地元の吉野杉・吉野桧を使って家を建て始めたのは今から約25年前のことです。商品づくりに日々打ち込んでいた前社長のもとに、奈良県川上村の林業家が「川上村産の吉野杉が売れなくて困っているので、住宅に使ってみることを考えてくれないか」と言われたのがきっかけでした。
その当時から奈良県南部の林業は逼迫し、過疎化は避けられない状況でした。しかし吉野杉・吉野桧のクオリティはピカ1です。「この良い木をエンドユーザーの皆様の手の届く価格でふんだんに使った住宅を商品化できないか」と試行錯誤を始めたいうのがこのイムラという会社の原点となります。
思えば、この試行錯誤の中には、「地域や産業がどうすればサスティナブルになるか」という要素があったんではないかと今では考えています。なので後に言われ始めたSDGsとどうコミットしていくかという点については、深く悩むことはありませんでした。
「我々の活動は既に地域がサスティナブルであることに根ざしている」、そう思って弊社の活動を各ゴールに当てはめてみました。ここから何回かの記事投稿を通じて、弊社がどうSDGsとコミットしているのか手前味噌ながら、お伝えしたいと思います。
まず、この9番・11番・12番についてですが、まさに「吉野杉・吉野桧を使って家を建てる」という当社の核心部分がこちらに該当します。詳しくはこちらのページをご覧いただければと思いますが(https://imura-k.com/wood/)、吉野杉や吉野桧を競争力のある価格で現在の住宅に使用するということは、従来の流通経路に革命を起こすということに他なりませんでした。
上の図をご覧いただきたいのですが、従来の林業の流通過程は大変複雑かつ多岐にわたるもので、それぞれに経費が発生するために、価格が高止まりしていました。これを一つの林業組合を窓口として、シナジーを組むことにより、シンプルな商流に改訂、コストダウンを図ったという取り組みを行ってきたのが奈良県川上村と弊社と川上さぷりになります。
斜陽化・過疎化が進んでいく中で、従来のフローが目詰まりしていたところをステイクホルダーの皆さんとどう乗り越えていくかという活動は「なんとかしてこの良い木を住宅に使ってもらおう」「使ってもらうには木の新しい使い方を提案しよう」という当事者意識がなければ、結実しなかったと思います。これはSDGsでいうところのまさに「つかう責任」という意識があったからこそできた取り組みであったと思います。
この取り組みは後年、「500年の吉野林業を住まいづくりで守る!川上村との取り組み」として2015年のグッドデザイン賞を受賞するに至ります。「使わしていただいているからこそ、将来においてもサスティナブルに使用できる環境づくりに取り組む」という弊社の理念が理解されたことは大変当時嬉しかったことを覚えています。林業を取り巻く環境は年々厳しさを増しますが、集合知を使えば、課題克服も可能ですし、共感も得ることができます。私は吉野林業についてもっと深くコミットしていき、いまではもっとより多くの人を巻き込める取り組みを行いたいと思っています。
さて、SDGsと㈱イムラとの関係、第1回目はいかがだったでしょうか?
これから何回かに分けて記事を投稿していきますので、また次の記事も読んでいただけますと甚だ幸いです。それではお目通しありがとうございました。