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資本主義と人間 -人々のポテンシャル-

当時20代だった私は、ノーベル平和賞を受賞したバングラデシュのグラミン銀行で、創業者Dr.ユヌスの思想や哲学、ソーシャルビジネスという新たな取り組み、そしてそのパワーに出会い、衝撃を受けた。
自分の考えていたこと、やりたかったことがすべて「繋がった」という感覚。


Dr.ユヌスの著書、「貧困のない世界を創る」「3つの0の世界」から抜粋したものをシェアしたい。


"現在、世界で最も裕福な8人が、世界の人口の底辺から半分の人々の富を合わせた以上の富を所有するまでになっている。貧困をはじめ、現在も世界が数多くの問題を抱えている原因は、資本主義がきわめて狭義に解釈されていることにある。

現在の資本主義が、人間について利益の最大化のみを目指す一次元的な存在であると見なしているとする。これに対して人間は多元的な存在であり、ビジネスは利益の最大化のみを目的とするわけではない。

利益の最大化のようなただ一つのモチベーションしかないという考え方を改めよう。「利益を最大化する」「人々や世界に役立つことをする」という両立しにくいが甲乙つけがたい二種類のモチベーションがあると考えよう。

人間は、この世に生を受けるとき、自分自身が生きていく力だけでなく、世界全体の幸福追及に貢献する能力も備えている。一部の人間はこの潜在能力をある程度活かすチャンスに恵まれるが、残りの多くの人々は、すばらしい天賦の才能を発揮する機会を生涯一度ももたない。われわれの使命は、地球をみんなにとってより良い場所にすることだ。すべての人間に、行動力と創造性を発揮できるチャンスがフェアに与えられるように、ともに取り組もうではないか。"