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渡り鳥を追う仏ドキュメンタリー映画/相山武靖

2001年のドキュメンタリー映画「WATARIDORI」は傑作です。

フランス作品。100種類を超える渡り鳥の生態を記録しました。

総監督はジャック・ペラン。450人のスタッフが6チームに分かれ、3年間をかけて撮影したという労作で、渡り鳥たちの驚くよう姿を見せてくれます。

北極圏から南極圏まで。北海道・釧路湿原や米パウエル湖も

撮影場所は、北極圏から南極圏まで世界40か国に及びました。アイスランドのツノメドリ、南米・アンデス山脈のコンドル、ケニアのフラミンゴ、米国・パウエル湖のシジュウカラガンなどを追いました。

北海道・釧路湿原でも、タンチョウの優美な姿をとらえています。

説明のない美しい映像

学習映画とは違い、言葉による説明はほとんどありません。

田園、砂漠、海、都会と場所を替え、どこまでも飛び続ける鳥たちの生命力には荘厳な美しさがあります。畏敬(いけい)の念を感じさせます。

そして、美しい映像は、自分が鳥になったような錯覚を起こさせます。

「ディープ・ブルー」「皇帝ペンギン」と並ぶ欧州の名作

当時は、海の世界を描いた「ディープ・ブルー」や、2005年7月公開の「皇帝ペンギン」など、ヨーロッパ発の名作ドキュメンタリーが相次ぎました。


相山武靖