Ultimate Guideの死、というより網羅で勝てた時代の終わり。
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少し前になるのですが、Rand Fishkin の SparkToro Blog に「The Death of the Ultimate Guide?」という記事が上がっていました。網羅型のSEO戦略、いわゆる Ultimate Guide 型はもう機能しなくなった、という主旨の論考です。AI検索時代に、全部書こうとすると逆に弱くなる。集中・差別化・尖りのほうが拾われやすい構造に変わった、と。
タイトルを見て、コーヒーを淹れる手が少しだけ止まりました。死んだ、と言われると重い。Rand Fishkin が言うのだから、業界として確かに一つの転換点なのでしょう。ただ、読み進めていくうちに、別の感想が浮かんできました。死んだのは Ultimate Guide ではなく、網羅で勝てた時代のほうではないか、と。そして、その時代の終わりは、私の実務感覚ではもう少し前から始まっていました。
2017年に見ていた景色
私が最初にSEO実務に深く関わったのは、BtoCメディアに関わっていた頃です。Google が医療系領域に大型のコアアップデートを当てた直後、検索結果が広範囲で書き換わりました。網羅的に書き込まれていた競合記事が一気に沈み、こちらも一度はそれに飲まれかけました。
そのとき手を入れたのは、記事を増やすことでも、文字数を盛ることでもなく、キーワード設計の取捨選択でした。狙う問いを絞り、その問いに対して一番ちょうどよい答えを返すことだけに集中する。結果、オーガニック流入は維持。
その後に担当した大手会計ソフト企業の案件でも、同じことが起こりました。指名検索に依存していた流入構造を、非指名検索経由で拾える設計に組み替える。網羅ではなく、誰のどの問いに答える記事なのかを一本ずつ言い切る。結果として、オーガニック流入は約150%増えました。
「網羅で勝てた時代」は私の体感では 2017 年頃にはもうゆっくり終わり始めていた。似たような感覚を某社の「肩こりは幽霊」事件頃から持っていた関係者は多いんじゃないでしょうか。
網羅型がなぜ長く生き残ってきたか
それでも Ultimate Guide 型が長く愛され続けてきたのは、検索エンジン側にも作り手側にも「網羅であること」が分かりやすい安心材料だったからだと思います。書き手は迷ったら章を増やせばよかったし、章を増やすほど「ちゃんと書いた」感が手元に残りました。エンジン側もコンテンツの厚みを評価軸の一つに置いていた時期があり、業界全体としても、文字数や見出し数を簡易的なクオリティ指標として運用していた節があります。
依頼する側と請ける側のあいだでも、網羅は便利な共通言語でした。「漏れなく書いてほしい」「全体像を抑えた記事を一本」という発注は、ゴールが見えやすい。書き手も評価されやすい。網羅型が支持されたのは、戦略上の理由だけではなく、合意形成上の理由でもあったのだと、振り返ると思います。
その安心材料を、AI 検索は静かに取り上げにきています。AI に引用されるのは、章立てが揃った記事ではなく、ひとつの問いにひとつの答えを返している記事です。網羅は、いつのまにか、評価軸の中心から外れていました。
骨格を先に決める
直近の現場では、自分用に組んだ骨格構築ツールを使って、クラスター単位で記事の設計を回しています。タイトル・見出し・想定読者と問いの粒度を、一本一本先に言い切ってから本文の執筆に進む。書く前に骨格を決め、書きながら骨格を太らせない。それだけで、AI 初稿の精度も、校正後の納品形も明らかに変わります。
ありがちな失敗は、書きながら「ここも触れておこう」「あれも入れておこう」と章を足してしまうことです。執筆者の気持ちは分かります。私自身、過去の自分の記事を見返すと、章が増えているものほど焦点が甘い。書きながら太らせた構造は、AI 検索にも読者にも、結局拾われにくくなります。
40本ほどこの運用で動かしてみて、はっきり感じることがあります。書く力で勝つ時代から、決める力で勝つ時代に静かに切り替わっています。決める、というのは、書かないものを決めることでもあります。
死んだのは現象の名前のほう
Rand Fishkin の記事は AI 検索時代の現象を Ultimate Guide の死、と名づけました。きれいな名づけだと思います。ただ、現場側から見ると、死んでいるのは現象の名前のほうで、本質はもっと前から進行していたものです。
網羅で勝てた時代の終わり。私が 2017 年から少しずつ見てきた景色が、ようやく業界の言葉になった、というだけのことなのかもしれません。
コーヒーが冷めるまでに、もう一度自分の最近の記事を見返してみるつもりです。章を増やしたくなった瞬間を、ちゃんと止められていたか、を。
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参照: https://sparktoro.com/blog/the-death-of-the-ultimate-guide/
※この記事は、私のAIパートナーのBishopが下書きを出して、本人が編集したものです。元の文章がどれくらい残っているかは、読者の皆さまのご想像にお任せしています(苦笑)。