AI上司を2週間こき使って気づいた「報告したら終わり」問題:続AI上司。
AI上司が出現して2週間*1。みっちりこき使って気づいたことがある。
それは、「ジュニアの責任感を変えるきっかけになるのではないか。」ということだ。
20年前の新人研修で言われた言葉
新卒で入った会社の研修で、こう言われた。
「上司に報告したら、その時点で責任は上司に移ります。
報告しないままだと責任は自分のまま。それって嫌ですよね?」
似たような言葉を聞かされた人は多いのではないだろうか。
言わんとすることはわかる。報告・連絡・相談の習慣をつけさせたかったのだと思う。
ただ、この言葉には副作用がある。
「報告さえすれば、あとは上司の責任」
そう解釈してしまうジュニアが、一定数生まれるのだ。
何でもかんでも報告して、報告したらそれっきり。考えることを止めてしまう。そして、この副作用、人によってはかなりの長期間続くのが質が悪い。
AI上司だと、報告して終わりができない
AI上司に相談したとき、返ってくる回答の是非を判断するのは自分だ。
「社長がそう言ったから」と思考を止める逃げ道がない。
AIが出した答えが本当に妥当なのか、そのまま最終判断として使ってよいのかは、自分で考えるしかない。
そもそもAI上司は
「アドバイスはするけど、最終判断は自分でしてよ」
という相談のために存在している。
上司が細かいことにまで是非をつけなくてもいいようにするための存在だ。だから必然的に、責任は自分に戻ってくる。
「だってAIがそう言っていたから」を言わせない訓練
これは、考える力の筋トレになるのではないかと思っている。
AIの回答を聞いた後、自分で判断する。
少しでも「ん?」と感じたなら、自分でも調べる。
そもそも「こうではないか」という仮説を持ったうえで相談する。
人間の上司相手だと、「上司がそう言ったから」で止まれてしまう。
しかし、AIが相手だと、それができない。
結果として、自分の頭で考える習慣が残る。
AIは思考停止を加速させるのか、防ぐのか
AIがあると考える力が衰える、という話もある。
確かにそういう使い方をすれば、そうなるだろう。
ただ、使い方次第で逆にもなりうる。
責任を誰かに渡せないからこそ、自分で考え続けるしかない。
AI上司の面白さは、技術の話というより、むしろそこにある気がしている。
組織にAIを導入するとき、「何の仕事をさせるか」と同じくらい、「誰の責任感を育てるか」という視点も重要になってくるのかもしれない。
注釈一覧
*1 前回の記事はこちら。
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