「夢中になってやっていることは何ですか?」
みなさんは、夢中になってやっていることはありますか?
「はやくご飯食べなさい」
「もう帰るからはやく準備しなさい」
言われても、ついつい手を止められなかったこと、ありませんか?
小さい頃は親や大人たちに言われた人も多いかもしれません。
今、社会人として仕事をする中では、
そんな注意をされる機会は少ないかもしれませんが、
ふと気づくと、ついやってしまう思考の癖や作業ってありませんか?
気づいたら調べていること。
気づいたら考えていること。
頼まれてもいないのに、つい深掘りしてしまうこと。
こうした「ついしてしまうこと」には、
その人らしさが表れるのではないでしょうか。
そして、その積み重ねが
気づけば時間を忘れてしまうような
「夢中」という状態を生むのだと思います。
私は、この「夢中」というものが
とても大事なアイデンティティなのではないかと思うようになりました。
もし「夢中」状態で仕事ができたら、
サザエさん症候群にはならず、むしろ月曜日が待ち遠しくなるのではないでしょうか。
もし「夢中」状態で仕事ができたら、
一日があっという間に終わり、気づいたら夕暮れになっているのではないでしょうか。
もし「夢中」状態で仕事ができたら、
やり切った充実感に満たされてビールも美味しくなるのではないでしょうか。
※著者はお酒が飲めません
だから私は、
「夢中になってやっていることは何ですか?」
という問いかけを大事にしたいです。
ところが社会では、この「夢中」よりも
別のものが重視されているように感じることがあります。
それが、こんな問いです。
「あなたのスキルや経験は何ですか?」
会社に合うちょうどいいスキルがある人だな
会社に合うちょうどいい経験がある人だな
そこでは、人そのものよりも
**「この役割に当てはめられるかどうか」**が
先に見られているように感じます。
……駒として見てませんか??
人を「スキル」や「経験」というメガネで見ることに、
私はずっと違和感を持っています。
なぜなら、それは
人の表面に現れた結果だけを見ているからです。
スキルや経験は、
その人が何かに夢中になって試行錯誤した結果として
あとから形になったものにすぎません。
本来見るべきなのは、もっと内側にあるものではないでしょうか。
- どんなことに違和感を持つのか
- 何を考え続けてしまうのか
- 何に夢中になるのか
夢中になって考える。
夢中になって試す。
夢中になって深掘りする。
その結果として
知識が増え、経験が積み重なり、
後から「スキル」と呼ばれるものが現れます。
例えば、プログラミングが得意な人も、
最初からスキルがあったわけではなく、
「面白くてつい触ってしまう」という夢中から
始まっていることが多いのではないでしょうか。
つまり順番は
夢中
↓
思考や行動
↓
経験
↓
スキル
です。
ところが多くの場面では、
この順番が逆転しています。
スキルを先に見て、
その人を判断する。
でもそれでは、
その人の本当のエネルギー源は見えません。
夢中は、その人のエネルギー源です。
何に違和感を覚えるのか。
何に興味を持つのか。
何を考え続けてしまうのか。
そこには、その人の思考の癖や、
ものの見方が表れます。
夢中を深掘りしていくと、
その人がどのように物事を理解し、
どのように価値を生み出していくのかが見えてきます。
そして夢中を分解していくと、
結果として測れるものが現れることもあります。
例えば
問いを深く考える
↓
構造を整理する
↓
仮説を立てる
↓
分析や設計のスキルになる
というように、
夢中の先にスキルが現れることもあります。
でもそれはあくまで結果です。
夢中そのものは、
必ずしも測る必要があるものではないと思っています。
夢中は数字で評価するものではなく、
行動や対話の中で
観察できるものなのではないでしょうか。
だからこそ、
「あなたのスキルは何ですか?」
の前に、
「夢中になってやっていることは何ですか?」
という問いが、
もっと自然に交わされる社会になったらいいなと思っています。
もしかするとそこに、
その人のエネルギーの源泉
その人が本当に活きる場所
のヒントが隠れているのかもしれません。
最後に一つ、聞いてみたいです。
あなたが夢中になってやっていることは何ですか?