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持続可能な開発 - 杉崎賢次郎

持続可能な開発とは、将来世代のニーズを満たす能力を損なうことなく、今の世代のニーズを満たすことです。しかし、目の当たりにしているのは、決して持続可能な成長ではありません。

例えば米国の食糧についていえば、大量の穀物を必要とし、その食習慣は世界にとって持続可能なものではありません。中国は1990年代以降、世界で最も急速な経済成長を遂げました。食糧需要は前例のないペースで増えており、世界の食糧均衡を覆すことになるでしょう。

では、環境面で持続可能な経済システムを生むためには何をしなければならないのでしょうか。一つは、エネルギー経済を構造改革することです。化石燃料ベースの経済によって地球温暖化ガスを排出するようなシステムは、持続可能ではありません。また、使い捨て経済をやめて、リサイクル経済に転換することが必要です。

速やかに人口を安定させることも急務です。そのためには人間の生殖行為の革命的な変化が必要です。今、直面しているのは、ほしいだけの子供を産みたいという今の世代の生殖の権利と、次の世代の生存権の対立です。しかし、今や一組の夫婦の子供の数を2人にすることを考えなければならない時代です。

新しい経済システムへ移行する一つの重要な政策手段は、課税です。例えば炭素税が考えられるでしょう。市場経済が間接コストを反映するようになれば、環境破壊的な行動はなくなるのではないでしょうか。

今必要なのは、農耕を始めた農業革命と産業革命に次ぐ第三の革命「環境革命」です。つまり、地球の環境システムと共存できる経済システムを作り出していくことです。私たちは時間的余裕はなく、今後20,30年間で成功させなければなりません。