創造する伝統賞|公益財団法人 日本文化藝術財団
公益財団法人 ...
https://jp-artsfdn.org/award/
2024年と2025年、2つの公演の映像制作を担当した。
太鼓演奏家・山部泰嗣氏が演出・出演を務める「いやさかプロジェクト」の公演だ。
- 『彼方より』浅草公会堂(2024年)
- 『パンタレイ』東京国際フォーラム(2025年)
映像制作チームの一員として、撮影・編集に参加した。
公演映像の依頼を受けるとき、常に意識することがある。
舞台を記録するだけなら、誰でもできる。でも映像が「作品」として独立して成立したとき、それは公演を観ていない人にも届く媒体になる。
太鼓の音は体で感じるものだ。空気の振動、床の鳴り、演者の呼吸。それをカメラに収めるとき、「どう切り取るか」より「何を届けるか」を先に決めることを意識した。
2026年、山部泰嗣氏が公益財団法人日本文化芸術財団主催・第17回「創造する伝統賞」を受賞した。
選考において、この2つの公演が対象となった。
選考委員からの評価の中に、こんな言葉があった。
「両公演の映像が単なる記録映像にとどまらず、独立した映像作品として成立している点」「今後の日本文化の持続性および海外への発展性を示唆する映像表現である」受賞したのは山部さんだ。評価されたのは彼の演奏と舞台だ。
ただ、映像がその受賞の一つの要因として言及されたことは、自分の中で大きな確信になった。
日本の伝統芸能を「海外へ」というとき、語学や物流より先に、映像が橋になれる場面がある。
記録ではなく、体験として届ける映像。それが自分の仕事の核にあるものだと、この経験を通して改めて認識した。