キャッチコピー・好きな言葉←むずすぎ
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「PC版のwantedly.comで最初のストーリーを投稿してみよう」と、アプリ版から誘導されて来たは良いものの、ストーリーってもっとツイートみたいなことかと思っていた。あ、記事なんだ。
とはいえ、文章に自信あり!みたいなプロフィールにしてしまった以上、長い文章から逃げるわけにもいかない。せっかく興味を持ってくださった方も「で、お前の文章どこで読めるの?」と思うだろう。
書くことはあるだろうか、と考えてみて最初に浮かんだのがタイトルで言及した件だった。もちろん、wantedlyの話だ。プロフィールを作成する際、自分のキャッチコピーなり好きな言葉を入力する欄がある。人となりをパッと理解してもらうための名刺代わりだが、これがなかなか難しい。
誤解されては困るからだ。扱いにくそうなやつだと思われて敬遠されるのは避けたい。たとえば、僕は最近「結婚は恋愛の政治利用ですからね〜」という発言をする。が、「結婚は恋愛の政治利用」をキャッチコピーにした場合、あらゆる弊害が予想される。間違いなく扱いづらいやつだと思われる。
とはいえ、僕としては、正直そこまで変な発言だと思っているわけではない。それなりの歴史的な経緯を踏まえるに「まぁそう表現して差し支えないだろう」と、そこに肯定も否定もなく、単に客観的評価として思っているのだ。しかし、パッと見たときの印象としては……どう考えても「現行の婚姻制度に批判的な、反体制的思想の持ち主」であることは間違いない。過激派だ。そういえば、直近で読み直していた本に次のような一節があった。
“しかし、特定の言葉で暴力が生み出され、ひとがばたばたと死ぬとすれば、そのあいだは関心をもたざるをえないだろう?”
ヤバい!過激派でしかない。誤解されたくない。ぼくは暴力による社会体制の変革について明確に反対だし、それを肯定するような言説など許容されるべきではないと思っている。……とはいえ、こんな風にテロだとか暴力だとか、日常会話に登場しない事柄についてポンポン言及する、ということ自体が敬遠を招く可能性があるのだろう。
これはもう、哲学科を出て社会学系の大学院に入った文系の末路としか言いようがない。テロや暴力の話、支配と自由、そして管理と権力の話なんかを同級生と話す環境が生んだ不幸だ。
それと、恋愛や親密性の研究をしているのもまずい。そのせいで「セックス」という言葉なんかは僕にとって「論文」「学会」とほぼ同じ学術関連のワードになってしまっている。昼でも夜でも声量を気にせず平気で口にしてしまう。キーボードの予測変換を見ながら、「これあんま他人に見られたくないな……」と思う。誤解は避けたい。なんらかの誤解を。
すべては、あらぬ誤解を避けるためだ。というわけだから「キャッチコピー・好きな言葉」を登録するのは……もう少し、あとにさせて欲しい。
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※ 引用した小説→東浩紀『クォンタム・ファミリーズ』(2009,新潮社)