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精神障害者の仕事は「病院を探す事」である

 私の親戚には精神病気質の人がとても多くいます。しかしその多くはなかなか病院で診察を受けません。別の人がその尻ぬぐいをして何とかやっていることが多いです。
 しかし最近、従姉がやっと精神科へ行くと言う事なので、精神科受診歴の長い私が精神科受診の際の「コツ」を解説してみたいと思います。

精神科医は人工知能ではない

 昨今、症状を入力すると病気の可能性を診断してくれる人工知能が台頭していますが、精神医学界ではまだそのようなものはなく、医師の経験則によるものが非常に大きいです。質問に答えれば自動的に診断して薬が貰えると思っている方もいるかと思いますが、医師が質問するのは「薬は要りますか」と「困っている事はありますか」だけですし、「困っている事」を話しただけでは正確な診断はして貰えません。このため、経験不足の医師の場合、教科書通りの症状からしか診断できず、複雑な事情になると匙を投げてしまうことが多いです。このような事態を防ぐために、精神科はなるべく大きな病院を受診することが大切です。特に、臨床心理士が所属しており、心理テストなどが可能な病院がよいでしょう。心身症も発症している場合、内科も併設されているところである必要があります(心療内科では不思議な事に心身症の治療は行いません)。また、診察時間が限られているため、それ以外の細かな事を相談できるソーシャルワーカーのいる病院を選択するとよいでしょう。

診療時間は短い

 以前にも言及しましたが、精神科の診療報酬は5分以上と30分以上に分かれているため、初診以外の診療は原則5分です。その間に精神療法をするのは不可能であり、精神療法をする病院はほとんど存在しません。そのため、必要なことは紙に書いて問診表と一緒に受付に手渡すのがよいでしょう。初診の時は成育歴やその時考えていたことなどを細かに書くと余計な心理検査の手間が省けます。日常の診察でも簡単な日記のようなものを書いて医師に手渡すとよいでしょう。

転院をためらわない

 精神科は思想、思考、主義主張、感情など脳の機能のほかに心理的なものも取り扱うため、相性が非常に重要になります。医師によって診断がまったく変わることもあります。ですので、少しでも違和感を感じた場合は心を預けるのをやめ、地道にほかの病院を探す事が大切です。合わない精神科に我慢して通っていると、最悪薬漬けにされて脳や体を壊されてしまうかもしれません。人権を蹂躙してくる場合はすぐに弁護士へ相談しましょう。

書類作成を嫌がらない医師を選ぶ

 精神科治療は改善が見込めない事が多い為、基本的には障害年金を貰って生活するのが一般的です。そのためには医師が書類を発行する必要があります。また、就労やグループホーム入居、福祉サービスの利用、自立支援や障害者手帳の申請など事あるごとに診断書や意見書を発行してもらう必要がある為、書類作成を渋らない医師を選ぶととてもやりやすくなります。

 以上の4つのことを心掛けることでより素早く診断をもらい、正しい薬を処方してもらう事ができます。

 私は、中退していますがとある国公立大学に在学していました。その事を医師に伝えると、それだったら発達障害ではないと言われてしまう事があります。ほかにも、「働けているなら発達障害ではない」など、病院で水際作戦のような仕打ちを受ける人が多いようです。今後発達障害の検査希望者はさらに爆発的に増えることが予想されています。そこで将来的には現在のジェンダー外来のように、患者を極力減らすよう「追い返す」工夫がなされるでしょう。現に私は今ジェンダー外来と発達障害外来の間でたらい回しにされています。頼れるところがなくなり自殺する発達障害が増えることは目に見えています。精神障害者は地位が低く、権利も保証されていません。声を上げても国に黙殺されてしまう事が多くあります。私達が生き残るには、国と戦う姿勢が大切となるでしょう。
 私達に出来る事はとにかく診断を受けることです。そのためには実力のある医師を見つける事しか手段はありません。医師を選択する事は自分の生死を分ける大切な作業です。安易に甘い宣伝文句に乗せられて受診するとカモにされて後から後悔する事もあるため、命懸けで検討する事をおすすめします。それが社会保障に繋がり自分の命を救う唯一の手段となり得ます。もし日本全国どこを探しても自分に合う病院が見つからない場合は諦めて死を覚悟しましょう。精神科医療は他の科に比べ未熟な点が多いため、フィクションで描かれる精神科はまったく正しくないと思っておいた方が良いでしょう。

 最後に、精神病は自殺を選択する深刻な「病」ですが、精神科医は「自殺を止める」事が仕事ではなく、あくまでも助けを求めてきた人に薬を処方する仕事をしているだけで、自殺を止めてくれるわけではありません。「救い」を求めて受診すればするほど悪化してしまうということを肝に銘じておく必要があります。

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