楽しく脳トレできるボードゲームを企画提案しました(現在鋭意開発中)
※現在も開発中のため、具体的なルールの詳細はこの記事では伏せています。
「ひらめくすごろく」は、デイサービスに向けて企画提案し、現在も市販化に向けて共同開発を進めているレクリエーションです。
参加者は、ひらがなカードを使いながら、すごろくの進行に合わせて単語を考えます。短時間でも自然に頭を使い、言葉を思い出したり、ひらめいたりする体験を目指しています。
この制作で特に伝えたいのは、単にアイデアを考えるだけでなく、現場の制約を踏まえながら、実際に運用・製造できる形まで落とし込む力です。
バーチャル観光コンテンツ開発の経験から見えた現場の条件
施設職員へのヒアリングや施設見学を通して、デイサービスのレクリエーションにはいくつかの条件があることが分かりました。
たとえば、30分以内で終わること、5〜10人が同時に参加できること、特別な準備がいらないこと、職員の負担を増やさないことなどです。
また、利用者は80〜90代が中心で、日常生活は可能で活動意欲もある一方、子ども向けに見える内容や単調なドリルには飽きやすいという課題もありました。
そこで、脳トレとして成立しながらも、「やらされている」感が出ないように、すごろくの進行とひらがなカードを使った単語づくりを組み合わせました。
紙で作って、小規模から始めたい
この企画では、最初からデジタル化や複雑な装置化をするのではなく、紙のカードとすごろく盤で成立する形にしています。
この企画は最終的な商品化を目指したものです。商品として販売するためには、量産することが必要ですが、物理的な物になると小規模からスタートすることは難しいため、初めからそれなりの費用が必要になってきます。今回、商品化に向けた生産は初めてであるため、まずは小規模で始めるために、紙でできるものを企画しました。
ものとして面白いだけでなく、実際に製造・運用できることまで考えて形にする。この視点は、私が企画と実装をつなぐ役割を目指すうえで大切にしている部分です。
テストプレイとフィードバックを重ねて改善
研究室でのメンバーに協力してもらってテストプレイを行いました。
改善ポイントのメモ
制作では、研究室内で2回テストプレイを行い、その後、先方にサンプルを送ってフィードバックをいただきました。
また、開発中に実家にいたタイミングでは、家族や親戚にも協力してもらい、実際に遊びながらルールの分かりやすさや盛り上がるポイントを確認しました。身近な人にも試してもらうことで、説明のしやすさ、迷いやすい部分、遊んでいるときのテンポ感を見ながら、ルールを調整していきました。
このプロセスで意識したのは、フィードバックをそのまま反映するのではなく、その奥にある問題の本質を考えることです。
たとえば、先方からは「マスのバリエーションを増やした方がよい」という意見をいただきました。しかし、単純にマスの種類を増やすと、ルールが複雑になり、職員の説明負担や利用者の迷いやすさが増えてしまいます。
そこで私は、問題の本質は「マスの種類が少ないこと」ではなく、遊んでいる中でのマンネリ感や、やらされている感にあるのではないかと考えました。
そのため、ルール自体を複雑にするのではなく、手札の使い方によってサイコロの振り直しができるなど、参加者が少し戦略を立てたり、駆け引きできたりする要素を取り入れました。これにより、基本ルールはシンプルなまま、遊び方に変化が生まれるようにしました。
実際にその改善版のサンプルを送ったところ、マスのバリエーションに関する指摘は出なくなり、体験としての納得感を高めることができました。
また、サンプルを現場で使ってもらうことを想定し、職員が準備や進行をしやすいように説明書も用意しました。ルールや準備物を整理するだけでなく、初めて扱う人でも進行の流れが分かるようにし、制作物を「試作品」で終わらせず、実際に運用しやすい形まで整えることを意識しました。
施設の現場の人がゲームを進行できるように説明書も作成しました
この制作で伝えたいこと
この制作で伝えたいのは、すごろくそのものを作ったことではなく、現場の制約を見ながら企画を立て、試作し、テストし、フィードバックをもとに改善していくプロセスです。
私は、企画を考えるだけでなく、誰が、どこで、どんな制約の中で使うのかを踏まえて、体験を実現可能な形に落とし込むことができます。
ひらめくすごろくでは、現場のヒアリングから要件を整理し、利用者が楽しめる体験と、職員が運用しやすい仕組みの両立を目指しました。
今後も、アイデアを実際の現場で使える形に翻訳する、 UXデザイナー/テクニカルディレクター として成長していきたいです。