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シリコンバレーのエコシステムの現状は?

!この記事は私がQuoraに回答した内容を転載しています

近年中国の台頭に目を奪われがちですが、それでもシリコンバレーのエコシステムは群を抜いて健在しています。そのエコシステムを構成するのは以下6つの要素です。

(1)大企業

世界的な大企業が存在することです。GoogleやApple, Facebook, HP, NVIDIA, Adobe, Oracleなどの時価総額は合計2.5兆円にも達すると言われています。

なぜ大企業が大切なのか。例えば1990年頃、HPやIntelのような大企業は事業の選択と集中を迫られ、将来成長しそうなプロジェクトを数多く手放しました。というのも、その規模故に刻々と戦略を変えなければならないスタートアップのスタイルは大企業には合わないため、大企業は自ら新規事業はResearch and Developmentする代わりに、外部のパワーを活用して成長するAcquisition and Developmentを主流とし始めました。具体的にはスタートアップに対して、メンタリング・投資・パートナーシップ、そして買収を実施することにより、自分たちの豊富なリソース(人・物・金・情報)を循環させる仕組みで、例えばGoogleのAdsenceやYouTube・Android、FacebookのInstagramやWhatsApp・Oculusもすべて買収したスタートアップです。言い換えれば、スタートアップにとっても大企業の存在はExitのために重要な訳です。

関連記事: What are the biggest Silicon Valley companies?

関連記事:Global Top 100 Companies by market capitalisation

(2)スタートアップ

シリコンバレーエコシステムの主役は何と言っても情熱を持った起業家たちです。AirbnbやUBER, Slack, そしてQuoraのようなユニコーン企業は素晴らしいプロダクトを持っているのは当然ですが、そのアイデアを生み出し、チームを作り、コードを書き続けた創業者たちによって成り立っています。彼らの詳しい仕事については 世界に通用するスタートアップの要件は何だと思いますか? を参照ください。

彼らの出身は、(1)のような大企業からスピンアウトして会社を立ち上げる人もいれば、スタンフォード大学卒業と同時に企業する人、また海外からシリコンバレーに惹かれてやってくる外国人など様々です。そんな多様な環境があるからこそ、世界中で使われるようなプロダクト(すなわち多様な人に使われるプロダクト)を開発できるのがシリコンバレーのスタートアップの特徴ではないでしょうか。

(3)大学

シリコンバレーにおいて大学、とりわけスタンフォード大学が果たす役割は大きいです。テクノロジーの基礎技術を研究する学生が多く存在し、世界中の優秀な若者が4年間通じて作り上げるネットワークは、彼らが卒業後に推進するビジネスをより円滑にします。

また、大学は「外国人の受入機関」としても重宝されています。(1)で触れたように、かつて大企業が選択と集中を推し進めた結果、一部の優秀な社員は会社を辞め、自ら起業をしていました。しかし、ある一定選択と集中を終えた今、スピンアウトするものがなければ新たなスタートアップは生まれません。そこで、シリコンバレーは優秀な起業家・またその予備軍を海外から連れてくるようになりました。「自分たちで起業家を育てられないなら、海外から連れてきたらいいじゃない」ということです。私も現在シリコンバレーで留学していますが、大学や企業問わず中国やインドをはじめとするアジア人の存在感は極めて強くなっています。

余談ですが、そういった留学生をホームステイとして受け入れる文化も盛んです。シリコンバレーは地価が高いとはいえ、やはりアメリカらしい大きな家に住む人は多く、余った部屋を留学生に貸し出すことによって収益源にしています。私の場合、アップルで働くホストファザーが自分を受け入れてくれ、日々テクノロジーの話をできてとても楽しいです。これもエコシステムのひとつなのかもしれませんね。

(4)投資家

瞬く間に世界でスケールする”スタートアップ”を支えるのは投資家です。プロダクト開発自体にもお金は必要ですし、PMF(Product market fit)を達成し、価値あるプロダクトを人々に届けることにも莫大なマーケティング費用が必要です。どんなに美味しいラーメン屋さんを作っても、それが森の中ではお客さんに見つけてもらえませんよね。

では誰が投資家なのか。多くの場合、以下に当てはまります。

  • 家族や友達
  • エンジェル投資家
  • ベンチャーキャピタル
  • 戦略的投資家
  • オンラインプラットフォーム

詳しく見てみましょう。シリコンバレーの起業家の多くは、自分たちのお金はもちろんのこと、家族や友人から資金調達することは日常茶飯事です。Facebookは共同創業者でもあり友人のEduardo Saverinの貯金5000ドルを会社の資金にしました。家族や友人は通常の投資家などとは異なって短期的な成長を求めたりはしないため、資金調達先として好まれます。

次にエンジェル投資家。大企業の(元)経営者や企業売却に成功した起業家のような富裕層が、アーリーステージのスタートアップに応援の意味も込めて投資をします。Zero to Oneという本で有名なPayPal創業者 Peter Thielは、IPOで創業者利益を得た後、2004年に$500,000をFacebookに投資しました。そして2012年にFacebookもIPOをして、彼は約1000億円のリターンを手に入れたと言われています。

次にベンチャーキャピタル。彼らは個人・大学・銀行などの民間企業・政府といった第三者のお金を預かって、特定の目標を達成するために投資活動を行なっています。有名VCであるセコイアは、Google, YouTube, Apple, WhatsApp, Airbnbなどに投資をした経験があり、「成功するスタートアップの目利きができる」とも言えます。何より、彼らはスタートアップがExitしてこそ利益を得ることができるため、大企業のニーズを探ってスタートアップに伝え、Exitを促進する役割も担っています。

次に戦略的投資家。Samsung Next、Intel Capitalのように、企業が自社の次世代事業を発見・育成・またシナジーを生むために行なっている投資活動であり、部門のひとつとして構えられていることが多いです。しかし、Google Venturesの場合、Alphabet(Googleの親企業)からは独立した会計処理を行なっており、単純に利益をあげることだけを目的にしている場合もあります。

最後にオンラインプラットフォーム。AngelListのように投資活動を効率化するプラットフォームや、kickstarterのようなクラウドファンディングプラットフォームが存在します。また近年、ブロックチェーン技術の発展に伴って、ICOと呼ばれる資金調達が流行しつつあります。企業は独自のコインを発行し、ビットコインやイーサリウムのような仮想通貨で投資してもらう手法です。シリコンバレーでは3日で100億円以上集まる事例も生まれており、今後さらに注目が集まるでしょう。

(5)アクセラレーター

アクセラレーターは、特定の目標を定めてスタートアップを支援するベンチャーキャピタルとインキュベーターの間に位置する存在です。トップアクセラレーターの場合、10%以下のエクイティと引き換えに$120,000程度の投資を行い、優秀な起業家同士のコミュニティや経営講座・大企業の経営者とのネットワークなども提供します。世界中の起業家が応募することができますが、ハーバードやスタンフォードに入学するよりも難しいと言われおり、合格した経営者は必ずシリコンバレーに引っ越してこなければなりません。

シリコンバレーで最も成功したと言われているアクセラレーターは「Y Combinator」です。AirbnbやDropbox, Stripeなどに投資を行い、今のような世界的企業へと成長をさせました。このQuoraもY Combinator出身ですよ。

詳しくはこちら: Y Combinator

(6)コワーキングスペース

コワーキングスペースはシリコンバレーの日常風景になりつつあります。ここではスナックやドリンク、インターネットや各種サービス(会計・法律)・会議室などを提供しており、自社オフィスを抱える予算がない起業家たちにとって重要な拠点になります。多くの起業家が集まっている上、毎週のようにイベントも開かれるため、孤独を感じやすい創業期において士気を維持するために重要な役割を担っています。

代表的な運営企業としてWeWorkやRocket Spaceが挙げられ、自らユニコーン企業としても名を連ねています。仕事場を提供する彼らは世界の産業変化にいち早く気づくことができ、そのネットワークのハブとしても機能することから価値が認められているようです。私もコワーキングスペースを訪れたことがありますが、卓球台で卓球をしながら会議をしていたり、午後4時にはビールを飲み始めていたり、もちろん1人もスーツは来ていなかったり、シリコンバレーらしさが詰まった空間だと思います。

詳しくはこちら:WeWork Coworking and Office Space

長文となってしまいましたが、これら6つがシリコンバレーエコシステムの現状を支えている重要な要素であると思います。シリコンバレーに訪れた際には、ぜひそれぞれに関わる場所を訪れてみることをお勧めします。Mountain Viewに行けばほとんど揃っています!Quoraもありますしね笑

参考資料:Understand the Mature Ecosystem of Silicon Valley – Reinaldo Normand – Medium

★ Quoraのオフィス紹介はこちら http://qr.ae/TbSh3t

!この記事は私がQuoraに回答した内容を転載しています
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