対人恐怖症をディズニーキャスト経験で克服した話
今でこそ仕事でもプライベートでもたくさんの人に会い、語り、相手のこの先の人生について自分事のように語っていますが、、、
20歳ぐらいの時は実は対人恐怖症でした。
大学受験に失敗し、自分へのプライドや自信が木っ端微塵に砕かれ、何を軸に生きたらいいか分からない状態に。本当に運だけで大学に受かり、入学しましたが、人と話すこと、特に女性と話すのはとても苦手でした。
(駅のホームの向かい側にいる女性と目がチラッと合うだけでも、動悸が止まらなくほどです)
結構重症の部類だったのだと思います。若い頃からなぜか人前に出て話す機会が多くて、その度に緊張して汗がダラダラ、手足が震え、何を自分が話しているのか分からなくなる、ということが多くありました。
ずっとずっと悩みでした。できれば解決せずとも生きる道はないものか、とも思っていました。
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1998年、早稲田大学に入学しましたが、浪人したこともあって、親に少しでもお金を返さないとな、と思い、アルバイト情報誌(当時は雑誌でした)を購入。
自分に自信がなくてもできる仕事、人前に出なくてもいい仕事を探しました。えらく消極的な動機です(笑)
そこで見つけたのが2、3個の仕事です。
一番気になったところに電話をしてみました。初めてのことなので手が震えました。
プルルルル、、、プルルルル、、、プルルルル、、、
コール音が流れていきます。
5回鳴って出なければ、次の仕事にしようと思っていたら、
「大変お待たせしました!」と電話に出ました。
ドキドキしながら応募したい旨を伝え、面接日の調整をしました。
面接の日、とても緊張していましたが、高校時代にやっていたスポーツの話(ラグビー)を聞かれて、盛り上がりました。
質問:「橋本くんは、雨の中でも、風の中でも、雪の中でも走り抜けられる?」
答え:「はい、ラグビーをやっていたので、泥の中でも余裕で走れます」
質問:「来週までに髪を耳が出るぐらいまで切れる?」
答え:「もちろん切れます」
「OK!ちょっと待っててくれるかな?」
・・・
「内定です。2週間後から働けますか?」
人生初の内定を頂けました。
仕事は、ディズニーランド内をセキュリティオフィサーとして警備をするというもの。
2日間の研修を受けて、いよいよ業務がスタートしました。
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週末だけエンターテイナー
ディズニーで働くことになっても、簡単には対人恐怖症は治りません。
でも、「週末だけの仕事だから」と自分に言い聞かせて、無理にでも仕事中は明るく振る舞うようにしていました。
普段、道を歩いていたら決して人に声を掛けることはないのに、パーク内では積極的に笑顔で「何かお探しですか?」と声を掛けて、コミュニケーションを取るようにしていました。
大学生活も徐々に慣れて、ディズニーキャストのアルバイトも慣れてきた頃から、週末の土日だけでなく、平日にも1、2日勤務に入るようになってきました。
一週間の中で半分以上をディズニーのパーク内で過ごすことも多くなっていきました。
始めた頃は勤務している時だけが非日常、大学が日常だったのですが、少しずつキャストをしている時が日常になっていきました。
こうなってくると、知らず知らずのうちに、日常生活でも自然と笑顔で明るく振る舞えるようになって、人とのコミュニケーションも怖くなくなっていきました。
結局、ディズニーキャストは1998年から2002年の4年間でやっていたのですが、卒業する頃にはすっかり対人恐怖症は克服できていました。
「環境が人を作る」とはよく言われますが、ディズニーでのキャスト経験は自分を紹介する上で欠かすことのできないエピソードの一つです。