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【ITエンジニア必見】SES企業を選ぶうえで知っておくべきこと

 ■自己紹介と記事概要

記事に興味を持っていただきありがとうございます!

「SES企業の選ぶうえで知っておくべきこと」を紹介していきます!
この記事を書くモチベーションとしては、「自分が未経験の時にこんな記事があったらもっと楽できたのにな~」という達成感を得たくなったからです。(割と気まぐれ)
IT未経験者・初学者、SES企業への就職を考えている方、すでにSES企業に身を投じている方のためになれば幸いです。

なお、前回の記事を読んでからのほうがより理解できると思いますので、気になる方はまずこちらを読むことをお勧めいたします。

【未経験者必見】未経験からエンジニアを目指す上で知っておくべきこと
記事に興味を持っていただきありがとうございます! 「未経験からエンジニアを目指す上で知っておくべきこと」を紹介していきます!私の転職等の経験を踏まえて紹介していくので、是非最後まで読んでみてください。 現在は常駐型のフロントエンドエンジニアを担当しています。それまでは、サーバーサイドエンジニアを担当していた経験もあります。Java(Spring)と ...
https://www.wantedly.com/users/122711794/post_articles/241711


また、本記事に記載されている事項はあくまでも個人的な考えによるものですので、
ほかの記事と照らし合わせていただくほうがよろしいかと思います。

自己紹介

内海と申します。

これまで、Java(SpringBoot)と TypeScript(React)によるWEBアプリ・ECのシステム開発を経験してきています。
あと、バンド活動もしてますので、よければチェックしてくださいな。
ちなみにバンドのofficialサイトはDjangoとWagtailでできています。(同バンドメンバーが開発者)

official site: https://www.mosquit.one/
曲:

そもそもSES(System Enginnering Sevice)とは?

SESとは、技術力・人手の足りていないIT企業へエンジニアを派遣し現場常駐させる事業のことです。
雇用形態は契約・正社員・業務委託と様々です。
詳しくは以下の記事に記載があるので、一読くださると本記事の内容が理解しやすくなると思います。

【未経験者必見】未経験からエンジニアを目指す上で知っておくべきこと
記事に興味を持っていただきありがとうございます! 「未経験からエンジニアを目指す上で知っておくべきこと」を紹介していきます!私の転職等の経験を踏まえて紹介していくので、是非最後まで読んでみてください。 現在は常駐型のフロントエンドエンジニアを担当しています。それまでは、サーバーサイドエンジニアを担当していた経験もあります。Java(Spring)と ...
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アジェンダ

本題へ移る前に「SES企業を選ぶうえで知っておくべきこと」を箇条書きしてみると次の通りです。

1.そもそもあなた自身はSESに向いてる?
2.SESは多重請負が当たり前
3.SES企業がキャリア形成を尊重するケースは少ない
4.月単価を提示しない企業はほぼ確実にブラック
5.それぞれのおさらいと問題の解決策

この記事では上記5つを紹介していきます。

1.そもそもあなた自身はSESに向いてる?

まずはSESの特徴を理解しよう

前々回の記事「4.未経験者にとってSESはほぼ避けて通れない」で説明している通り、未経験者はSESをほぼ避けて通れません。なので、未経験者の方は、しっかりこの記事を読んでいただく方がよろしいかと思います。

SESは、簡単に言うと現場へ技術力を提供する事業なので、現場常駐が当たり前です。(最近はコロナウイルスの影響でフルリモートが多いです。)
現場が変わる頻度は様々ですが、少なくとも現場をスイッチせざるを得ない状況が何回か発生します。

つまり、現場常駐するエンジニアには新しい環境を受け入れる能力が必要なのです。
他にもいろんな特徴がありますが、それをメリット・デメリットとして一覧化するとこんな感じになります。

[メリット]
・納品義務がない
・残業の融通がきく(ホワイトSES企業のみ)
・短い期間で様々な現場・プロジェクトに行ける(ホワイトSES企業のみ)
・現場に参画した分だけコネクションを作りやすい

[デメリット]
・案件のミスマッチが起こる可能性がある
・残業が多くなることもある(ブラックSES企業のみ)
・商流が深くなると待遇が悪くなる傾向がある

(~企業のみ)と書かれているところが、ブラック企業とホワイト企業の差です。
まあそれを差し引いても、「案件のミスマッチが起こる可能性がある」「商流が深くなると待遇が悪くなる傾向がある」というデメリットのほうが圧倒的ですよね。

ご安心ください、対策できます

そちらの内容は、本記事の「5.それぞれのおさらいと問題の解決策」で説明します。

ミスマッチは起こさないほうが良い

上記デメリットの回避策があるとしても、新しい環境を受け入れる能力はSESにおいて必要です。
あなたはそれらを許容・もしくは自分の新たなスキルにすることができますか?
何にしても、企業とあなたのミスマッチは両者ともに不幸を招きますので慎重に選びましょう。

2.SESは多重請負が当たり前

多重請負の構造

ニュースでよく聞く「多重請負」について解説します。

例えば、A社とB社がB社からエンジニアを派遣する契約をしたとします。
ですが、実はB社にはエンジニアがいなかったとしましょう。

A社 → B社(エンジニアがいない)

なので、B社はエンジニアがいるC社と契約したとします。

A社 → B社(エンジニアがいない) → C社(エンジニアがいる)

そうなった場合、A社B社間とB社C社間で異なる契約を結んでいるため、
どういうお金の流れになっているかA社とC社は全く把握できません

A社(B社へ月50万支払い) → B社(?) → C社(B社から月45万受取り)

そして、B社はエンジニアを抱えていないにもかかわらず毎月5万円の利益を得られます

A社 → B社(50万 - 45万 = 月5万円の利益) → C社

では、さらにD社やE社がいたとしたら。。。?
これが多重請負の構図です。

このように多重請負は、お金の流れが曖昧になったり、契約内容によっては責任の所在が曖昧になってしまいます。つまり、日本ではよく聞く「中抜き」とは、このことを指し、事実としてITでも横行しています

1次受け・2次請けという単語がありますが、詳しくはネットで検索してみてください。

多重請負は日本では当たり前

こういったことは、SES・SIer(受託という形でシステム開発している企業)で当たり前なのです。

SES企業とそこに所属する派遣エンジニアは、深い商流の立場になるほど損をします。
例えば、エンジニアの要望を営業経由で現場へ伝える際に、途中の商流でもみけされてしまったり
エンジニアが伝えたいと思っている意図が伝言ゲームのように正しい意図で伝わらないという事故が起きる可能性が高くなってしまうのです。

しかし、多重請負問題の解決は国や企業が行うことであり、われわれ一個人ではどうにもなりません。

我々ができることは、できる限り多重請負を回避することのみです

例えば、求人に「〇次請けのみ」「直案件のみ」と明記されている企業を選んだり、面接時に「御社は何次請けの立場になることが多いですか」という質問を投げてもよいと思います。

質問は遠慮しないほうが良いです。
なぜなら、企業選びは良くも悪くもあなたの人生を左右することになるからです。
就職・転職活動の結果がいい方向へ働くように、情報集めを妥協してはいけません。

3.SES企業がキャリア形成を尊重するケースは少ない

自分で現場を選べないとキャリアを思い通りに描くことがとても難しい

SES企業に限らないのですが、現場選びをエンジニア主導で行うことは、企業にとって高いコストを強いられることになります。さらに、エンジニアがスキル不足である場合、参画する案件をさがすのはもっと大変です。

例えば、営業さんがやっとの思いでとってきた案件をエンジニアが「NG」と判断したら、ふたたび別の案件を探さなければなりません。営業さんからしたらたまったものではないですよね。

なので、営業がエンジニアを管理しやすいように、エンジニア本人たちの意思をスルーしているケースは少なくないのではと私は思います。(実は、私もそういった経験があります)

上記を踏まえた上で、キャリア形成が難しいケースを箇条書きしてみると以下2点になります。
・エンジニアのスキルが不足してる場合
・営業の権力が強いSES企業である場合

キャリア形成が難しいケース

・エンジニアのスキルが不足してる場合
こちらの回避は、未経験者や初学者にとって非常に難しいです。
開発の知識は研修や独学である程度カバーできるものの、実際に開発を経験してみないと開発に必要な知識自体を知ることができません。たとえプログラミング言語の特性のみを知っていても、それだけでは開発において情報が不足しているのです。

また、開発現場側も経験豊富なエンジニアが欲しいので、中途採用のIT未経験者・スキルの足りないエンジニアの案件選びは困難を極めます。こればっかりは、ある程度運ゲーです。

独学では非常に難しいので、開発に携わっている有識者に頼りましょう。(連絡くだされば私でもお答えできます)

・営業の権力が強いSES企業である場合
ようはエンジニアに有無を言わさず、営業が現場を決めて、本人の承諾を得ずに現場へ入れることができてしまうSES企業のことです。これに関しては、

企業を選べば回避可能です

面接で質問してしまったほうが良いでしょう。

4.月単価を提示しない企業はほぼ確実にブラック

月単価とは

どんな契約にも必ず「期間」と「金額」が設定されます。SESの契約も同様です。
契約期間は年単位・半年・3か月、単月と様々ですが、現場との契約時に月々いくらが会社間で動いているのかを計算することができます。

例えば、現場へ3か月間配属されることになり、その金額が150万円だとすれば、月単価は150万 / 3 = 50万円です。

つまり、月単価がそのエンジニアの給料のもととなるわけです。

余談ですが、SESの契約について軽く説明します。
SESでは、大抵「準委任契約」という形で契約することが多いのですが、実はこの契約が様々な問題にもなっています。面白いので、ネットで調べてみてください。

月単価をエンジニアに隠すことは企業にとっては都合がいい

実は、月単価をエンジニアに提示しない企業に所属していたことが私にもあります。事実をもとに、本稿ではなぜ提示されてなかったかの考察をしていきます。

例えば、エンジニアが常駐している現場の月単価45万円、エンジニアの給料が20万であった場合、
会社は45万 - 20万 = 25万を利益とすることができます。
自分本位な企業は、会社が儲かるようにエンジニアから多く搾取した方がお得なはずです。
ですが、そんな中エンジニアが月単価を把握してしまうと、本人のモチベーションが下がったり、離職につながったりと会社にとって不都合です。なので、隠蔽するケースが多く存在すると考えられます。

悲しいことに、上層部の都合が良いようにエンジニアを食いつぶそうとする企業も少なからずあります。そして、SES企業の7~8割がブラック企業だと言われています。

つまりは、

SESの企業選びは特に慎重に行ったほうが良い

と私は考えます。

企業の選び方として、「還元率〇%」と記載があるかを気にしたり、面接時に月単価が自分の給与にどう影響するかを質問を投げても良いと思います。

5.それぞれのおさらいと問題の解決策

SESのデメリットを克服する方法

本記事の「1.そもそもあなた自身はSESに向いてる?」では、SESの特徴を以下のように一覧化しました。(デメリットのみを抜粋します)

[デメリット]
・案件のミスマッチが起こる可能性がある
・残業が多くなることもある(ブラックSES企業のみ)
・商流が深くなると待遇が悪くなる傾向がある

上記のデメリットを回避するための解決策は、以下のとおりです。

エンジニアが営業条件の設定・案件選びをできる会社を選ぶこと

これは、転職サイトの求人概要や面接で確認する事項としてMUST(絶対)です。
SES企業へ就職することを考えている方は忘れないようにしてください。
他人に自身のキャリアを委ねないほうが良いと私は考えます。

また、デメリットの項目ごとの対策としては次の通りです。

案件のミスマッチが起こる可能性がある
対策: エンジニアが営業条件を設定・案件選びができるSES企業を選ぶことを前提として、案件のミスマッチにつながらないように、キャリアのロードマップ作製や技術選びを事前にしっかり行いましょう。自身のキャリア形成や、どんな技術を使うのかを固定化した上でそれらの技術を成熟させないと、案件選びはとても大変です。

・残業が多くなることもある(ブラックSES企業のみ)
対策: エンジニアが営業条件を設定・案件選びができるSES企業を選びましょう。
SESの契約として最も多い「準委任契約」は、残業をすればするほどSES企業は得をします。
なぜなら、この契約は「成果を出すという契約」ではなく「エンジニアの時間を提供するという契約」だからです。つまり、アルバイトと同じ時給制なんです。
ブラックSES企業は、わざと炎上(プロジェクトがとてもえらいことになる状態)案件にエンジニアを突っ込んでしまえば、手っ取り早く得をするというわけです。(人材を資産ととらえている企業であればこんなことしないはずですが。)

・商流が深くなると待遇が悪くなる傾向がある
対策: エンジニアが営業条件を設定・案件選びができるSES企業を選びましょう。
また、次の「多重請負の回避方法」でも説明しています。

多重請負の回避方法

本記事の「2.SESは多重請負が当たり前」でもすでに結論を述べていますが、
多重請負の回避方法は、以下2点のとおりです。

求人に「〇次請け」と明記されている企業を選ぶこと

「御社は何時請けの立場になることが多いですか」と質問すること

多重請負は、深ければ深い立場になるほど損をしますので、忘れないようにしましょう。

営業の権力が強いSES企業の回避方法

本記事の「3.SES企業がキャリア形成を尊重するケースは少ない」で話をした
「営業の権力が強いSES企業」の回避方法は、以下2点のとおりです。

「現場決めのフローを教えてください」と質問すること

「営業条件はエンジニアが決められますか」と質問すること

たったこれだけです。

「現場への参画はエンジニアの承諾がなければいけないルールがある」
「使いたい技術やポジション(PM,PL等)はエンジニアの希望を絶対に優先する」
と回答されたら、安心してもよいと思います。

月単価の隠蔽をする企業を回避する方法

本記事の「4.月単価を提示しない企業はほぼ確実にブラック」で話をした
月単価の隠蔽をする企業」の回避方法は、以下2点のとおりです。

求人に「還元率〇%」と記載があるかをチェックすること

月単価が自分の給与にどう影響するかを質問すること

SESにおいて、給与の計算はすごく単純なロジックであるはずなので、
そこが明確になっていないSES企業は避けたほうが無難です。

■あとがき

「深堀りして欲しい」「わかりにくいから直してほしい」など意見がありましたら、教えていただければ幸いです。

本記事を読んでみて、いかがでしたでしょうか。
前回の記事を書いてから2年ほどたちました。早いものです。

中途採用のIT未経験者は、ブラックSES企業からすると格好の餌なんですよ。
IT未経験者はそうとも知らず、働きやすい環境を求めたり流行りに乗ってIT業界に飛び込みます。

私は、過去自分の情弱をいいように利用されて、つらい思いをした経験があります。
(Wantedly上ではその経歴は伏せています。問題になるのも嫌なので。)
なので、そんな方々が今後少しでも減るといいなと思って記事を書きました。

あなたの身の回りでIT未経験でキャリアで困っている方がいらっしゃったら、ぜひこの記事を共有していただけますと幸いです。少しは参考になるはずです。

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