はじめに
自分は、業務で手を動かす前に「前提と定義」を確認する癖があります。
華やかな話ではありませんが、AIを活かす場面ではこの癖が実務に直結します。
仕事で大事にしていること
- 何を解きたいのかを言葉にする
ゴール、制約、評価軸、許容誤差を先に言語化します。あいまいなまま進めると、AIも人も迷います。 - 問いを分解する
1つの大きな問いを、データ準備・仮説出し・検証・意思決定の問いに分けます。AIには分解後の小さな問いを順に投げます。 - 用語の定義を固定する
「精度」「品質」「コスト」など、チーム内の意味を合わせます。AIに指示する語も同じ定義で固定します。 - 限界の宣言
データ不足、評価不可能な観点、リスクを初期に列挙します。AIの出力に過剰な期待を乗せないためです。
「AIに問いを投げる」ときの具体
AIは“良い問い”に対しては有用ですが、曖昧な問いにはそれらしい回答を返します。自分は次の型で投げます。
- 評価軸つき要約
「この仕様書を300字で要約。判断に使うのはA/B/Cの3軸。Aは重要度高、Bは中、Cは低。」 - 反証前提の検討
「この方針の失敗パターンを3つ。発生確率と影響度をそれぞれ相対評価。回避策は実施コスト込みで。」 - データ前処理の指示
「このCSVのNULL処理方針を3案。欠損率5%未満/以上で分けて提案。採用基準は再現性優先。」 - 用語統一
「このドキュメントの“品質”の使われ方を列挙。意味が揺れている箇所を抽出して統一案を提示。」 - 意思決定の比較表
「A案/B案の利点・欠点・前提・隠れコストを表で。最後に“決めない場合のコスト”も追加。」
ポイントは、評価軸と前提を先に手動で決めてからAIに渡すことです。ここを人間がやると、AIの出力が業務に接続しやすくなります。
チームでの使い方
- プロンプト共有:使った問いをテンプレ化し、再利用します。人が変わっても同じ品質で回せます。
- 出力の検収:AIの回答は“案”として扱い、根拠と前提に戻して検収します。
- ログの残し方:問い・前提・出力・採否理由を1枚に残します。後からの再現性を確保します。
自分が提供できること
- 目的と制約を整理し、AIに投げる前の問いを設計します。
- 出力の検収基準(評価軸・許容誤差)を先に言語化します。
- チームで回る問いのテンプレートを作ります。
おわりに
派手さはありませんが、「問い→出力→検収」の地味な往復が、結果的にムダを減らします。
AIを便利にするのは、強いモデルよりも整った問いだと考えています。