私たち東京ステーションホテル(事業主体:日本ホテル株式会社)は、100年以上の歴史を有するホテルです。国の重要文化財「東京駅丸の内駅舎」の中にあり、日本クラシックホテルの会の会員ホテルであるクラシックホテルとしても知られています。
■東京ステーションホテルの歴史と概要■
1915年、東京駅開業から一年後に誕生した東京ステーションホテル。工部大学校造家学科を首席で卒業し、日本銀行本店などの代表作を持つ「辰野金吾」が設計を担当した中央停車場が「東京駅」として開業し、わたしたちはその中に、国内外の賓客をお迎えするためのホテルとして扉を開きました。
その後、第二次世界大戦の空襲により東京駅は屋根部分を焼失。以降、戦後60年以上、2階建てのいわば仮の姿だった東京駅丸の内駅舎が、2003年に国の重要文化財に指定され、2007年から保存・復原工事が始まります。工事に伴い休館していたホテルも、保存・復原工事を経て100年前の姿に甦った駅舎とともに、2012年10月3日、新たなスタートを切りました。
再開業時、わたしたちは「“使い続ける文化遺産”にあるホテルだからこそ、その価値を国内外に広く伝えていく使命がある」と考え、“スペックではなく、STORYを届ける”という基本方針の下、ミッションステートメントを策定し、館内の設えやサービスポリシー等に展開していきました。ホテル内装は、 ヨーロピアン・クラシックを基調としたデザインに一新され、長い歴史を継承しつつも、新たな一歩を踏み出し、今に至ります。
・文豪に愛されたホテル
川端康成や松本清張などの文豪達もここに滞在し、東京駅を舞台にした名作が生みだされたと言われています。現在客室内には、原稿用紙をイメージしたメモを設置、松本清張が好んで滞在していた客室の入口近くには『点と線』のトリックの着想となった列車時刻表を掲示するなど、再開業後のホテルにご滞在いただくお客様にも、多くの文豪に愛されたホテルの物語を感じていただくことができます。
・歴史と伝統を受け継ぐホテル
お客様一人ひとりにとって居心地のよいホテルであることはもちろん、“ここにしかないひととき”を提供するホテルでありたいと思っています。
すべてのスタッフが“使い続ける文化遺産”に携わる者として、先人達の想いと歴史、保存・復原プロジェクトを含む東京駅とホテルに携わってきた多くの人たちの努力や想いを大切に守り、表現し、継承してまいります。
■この先100年も東京の中心で輝き続けるホテル■
わたしたちは、東京駅丸の内駅舎保存・復原プロジェクトに携わった方々から、「使い続ける文化財としてはこれからです。バトンを渡します」と、未来を託されました。
かけがえのない建物を引き継ぎ、先人たちが築いてきた伝統を大切にしながら、歴史やその物語に向き合い、理解し、スタッフが自分の言葉で語ることで、この”Living Heritage"である東京駅丸の内駅舎内でこれからも”Living History"をお客様に提供していきます。
そして、この先の100年もここでホテルとして輝き続けられるよう、時代の変化に合わせたお客様の快適なホテル滞在のために、そして変わらない存在であるために新しいシステムやサービスの導入も柔軟かつスピード感をもって行っています。