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古民家を起点とした地方創生──美濃市で進む共創のまちづくり

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ABOUT

■官民金連携のまちづくり
岐阜県美濃市。
長良川に沿って広がるこの町は、1300年以上の歴史をもつ「美濃和紙」の産地として知られています。
そんな美濃のまちで、官(美濃市)・民(地域企業)・金(金融=十六銀行)が手を携え、ゆるやかに、しかし着実にまちの未来を耕しています。

地域の製紙会社「丸重企業製紙組合」と共同で立ち上がったのが、まちづくり会社「みのまちや」。
私たち株式会社つぎとは、その設立から運営にかかわる一員として、地域の皆さんとともに動いています。

■まちの風景を、少しずつ変えていく
ここ数年、美濃の中心市街地では、空き家だった古民家が少しずつ生まれ変わってきました。
これまでに4棟の建物をリノベーションし、ホテル、和紙ショップ、ギャラリーカフェ、シェアオフィスなど、さまざまな機能をもった拠点に。

たとえば、分散型古民家ホテル「NIPPONIA美濃商家町」(https://nipponia-mino.jp/)では、まち全体を宿と見立て、美濃ならではの暮らしに触れる体験を提供しています。
また、まちごとシェアオフィス「WASITA MINO」(https://wasita.co.jp/)は、仕事と暮らしをゆるやかに重ね合わせる拠点として、多様な人々を迎え入れています。

■プレイヤーが増えることで、まちは動き出す
私たちが中心市街地で小さな改修を始めたころ、この町の空き家はまだ目立っていました。
けれど今では、空き家の利活用に取り組むプレイヤーが増え、まちに明るい変化が起こっています。

その一つのきっかけとなったのが、**空き家マルシェ「ミノマチヤマーケット」**の開催です。
所有者とテナント候補をつなぐこのイベントを毎年行うことで、空き家の情報がオープンになり、「やってみたい」がまちの中に循環し始めました。

■若者の姿、企業の進出、新しいプロジェクト
かつて、20代の若者を見かけることはほとんどありませんでした。
しかしオフィスができ、イベントが増えたことで、インターンやフィールドワーク、地域留学など、様々な形で学生たちが美濃に訪れるように。
まちの通りに、若者の笑い声が響くようになりました。

また、情報発信と環境整備を進める中で、地域外の企業からも関心が寄せられ、IT・建築・教育など、さまざまな分野のプレイヤーが美濃に拠点を構え始めています。

こうした人の流れが、プロジェクトの立ち上がりにもつながっています。
たとえば、実践型まちづくりプログラム「UDATSUBITO」、関係人口創出の実証事業「出会い旅、美濃」、親子での滞在型教育プロジェクト「保育園留学」など。
まちに関わる人が増えることで、「楽しい」を起点とした新しい動きが自然と生まれています。

■「関わりしろ」が、移住につながる
こうしてまちの中に役割が生まれた結果、「ただ住む」のではなく「関わる」ことを目的に美濃へ移住する方も増えています。
私たちのまちづくりに直接関わった方だけでも、すでに9世帯・20人が美濃に暮らし始めました。

美濃市のまちづくりは、特別な事例ではありません。
地域の資源と人のつながりを少しずつ掘り起こし、小さな一歩を積み重ねてきた日々の延長線上にあります。

私たちは、地域の魅力を引き出す「黒子」として、これからも地域とともに歩んでいきます。
そして、いつかどこかで、「関わりたい」と思ってくださる方と、またこのまちで出会えることを願っています。