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Microsoft 取材(AKS事例)

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Kubernetes on the Edge が、社会の IoT 化を加速させる――来るべき時代に先駆けて進められている、ラトナの技術開発に迫る

どの店でも "レジ無し" の購買体験ができる、運転することなく乗り物が目的地に導いてくれる、……全てがつながる IoT 社会では、私たちがかつて夢描いていた世界が実現されることとなります。ただ、多くの企業で IoT の試みが進められているものの、夢が現実のものになるまでには未だ数多くの課題があります。2018 年に設立されたスタート アップのラトナは、今、技術特化型のソリューションをもって、多くの企業の前に立ちはだかる "IoT の壁" を解消しようとしています。
ラトナがビジョンに掲げるのは、全てのモノが依存性管理の担保された規格で繋がる、そしてこの全てが自己完結的に稼働する世界の実現です。そこで核となる技術として、同社では現在、Kubernetes を利用してエッジ端末のコンテナ オーケストレーションを行うための技術開発を推進。Microsoft Azure (以下、Azure) を利用して進められる同社の取り組みは、社会の IoT 化への歩みを大きく加速させる可能性を秘めています。

本来的な IoT の波を起こすために
ホワイト スペースと呼ばれる次代の市場を見極めて自社の新たなポジショニングを確立させることが、今日の企業戦略において重要となっています。この企業戦略を技術特化型のソリューションで支援する企業があります。東京原宿に本社を構えるスタート アップ、ラトナです。

ラトナが取り組むのは、来るべき未来に発生する課題へ応対するための技術開発と、そして同技術のオープン プラットフォーム化です。

IoT を例に同社の活動を見てみましょう。ビジネスの可能性を拓くために、今、多くの企業で IoT の試みが進められています。ただ、各社が独自にソフトウェアやハードウェア、ネットワークを構築しているため、そこには "統一性" が存在しません。ラトナ株式会社 CEO 代表取締役の大田和 響子 氏は、「IoT で掲げられている "すべてが繋がる世界" を実現する上で、技術的課題は数多くあります。」と語り、IoT の現状をこう分析します。

「規格が異なっていては各社のモノを繋げることができません。また、ネットワーク接続が途絶えた際に動作が停止しては使い物になりません。いかにして機能の多くを標準化して依存性管理を容易にするか、モノが自己完結的に稼働できるようにするか、…… IoT が本格化するにつれて、企業の前にはこういった技術課題が立ちはだかることとなります。ここで足踏みすることなくことが進むよう、私たちは現在、Kubernetes を利用してエッジ端末のコンテナ オーケストレーションをするための技術開発を進めています」(大田和 氏)。

エッジ端末における Kubernetes の利用は、同技術がコンテナ オーケストレーション ツールのスタンダードとなり始めた 2018 年頃から注目を集めています。ラトナ株式会社 Executive Officer の高橋 智 氏は、なぜこの Kubernetes が注目を集めているのかを交えながら同社の取り組みを説明します。

「自己完結的な稼働にあたっては、エッジ端末にインテリジェントな仕組みをもたせる必要があります。複雑なアプリケーションや他のモノの挙動に合わせて動作するための AI 機能が必要となりますが、マイクロサービスであればコンテナ単位でこうした仕組みが用意できます。コンテナを構築するための Docker やこれをオーケストレーションする Kubernetes はオープンソースです。これらの技術を利用し、オープンなプラットフォームとして本来的な IoT に必要な仕組みを提供する。そしてこれが普及すれば、自己完結的に稼働しながら依存性管理も担保されるエコシステムが形成されるのです」(高橋 氏)。

Azure で、エッジ端末の母艦となる Cloud edge stacks を構築する
ラトナではこの取り組みにおいて、エッジ端末で Kubernetes 環境を稼働させるための「LatonaOS」、エッジ端末上で稼働する Kubernetes 環境「LatonaCore」、エッジ端末へ Kubernetes 環境の構成を配信する「LatonaCore」、そして全ての核となる Kubernetes ディストリビューション「LatonaMultiStack」、以上 4 つのレイヤーに分けて技術開発を進行。2019 年 7月段階で、LatonaOS と LatonaCore の幾つかの関連リソースは既に特許を出願しています。