生物多様性と経済性の両立を目指して珈琲焙煎のお店を開設
荒廃している雑木林を理想の状態に戻し、生物多様性をより良くしていく(※1)手段の一つとして、岩手県の伝統文化である炭焼き(※2)に着目しました。そして、炭を継続的に消費し、森づくりをまわしていく(木材を伐採し、活用し続ける)ための比較的始めやすい方法として、珈琲豆の炭火焙煎の製造・販売を始めました。 この珈琲豆を購入することで、消費者は岩手県の森づくりに貢献することができます。また炭火焙煎珈琲豆がある一定の存在感を持つようになれば、衰退しつつある岩手県の白炭文化が持続することにもつながると考えています。生物多様性の向上と伝統文化の継続とを目指して、珈琲豆の製造販売を続けています。 (※1)林内の樹が定期的に伐られ、植生遷移が止められることが雑木林が雑木林であり続ける条件です。里山特有の生物も人の手が入ることで生き続けることができます (※2)岩手県は木炭の生産量が国内一位で、全国生産量の約3割を占めています(2022年時点)。木炭には黒炭と白炭があり、多数派の黒炭に比べ、白炭は少数派です。岩手県の白炭の炭材は主にナラ材です。炭材は雑木林から切り出されます。県内で現在白炭生産をしている職人は4名。そのうち2名は高齢のため、現在消滅の危機に瀕している文化といえます。私自身もそのうち1名に師事し、白炭焼きを学んでいるところです