武蔵大学 / 社会・環境情報系
産官学連携プロジェクト「自治体課題解決プロジェクト」
長野県小谷村で行われた産官学連携プロジェクト「自治体課題解決プロジェクト」。このプロジェクトはチームラボセールス株式会社が主催し、株式会社モリサワが協賛、武蔵大学の学生が参加するものでした。私は地方自治体が抱える課題の解決に関心を持っており、学生の視点でも力になれることがあると考えていたので参加しました。小谷村は、村域の88%が山林で、産業が少なく、経済が観光に依存する比率が高い村です。また、近年の人口の都市部への集中・流出に加え少子高齢化などにより地域経済が逼迫している現状があります。ロケーションは長野オリンピックの会場になった白馬村の隣に位置し、冬はウィンタースポーツで賑わいますが、グリーンシーズンには観光客の数が著しく減少してしまうという課題がありました。これを解決するべく、私がチームリーダーを務めるグループは大自然に囲まれた小谷村の魅力を最大限に訴求するべく、インスタグラムを使ったスナップコンテストを企画しました。この企画で最も苦労した点は、企画を審査する地域の方々がインスタグラムとスナップコンテストの知識に疎く、自分たちのプレゼンテーションが正しく評価されない可能性があるということでした。そこで私は写真と画像を多く使ったスライドを作りました。この狙いは、視覚に訴えて審査員の興味を惹き、理解しやすいようにするのと同時に、「写真や動画が目立つビジュアルに特化したメディア」であるインスタグラム本来の特性にも理解を深めてもらうということでした。その結果、私たちのグループは最優秀賞をいただき、行政に自分たちの企画を実行する許可をいただきました。その後、企画を実施段階に移行し、私は企画したスナップコンテストの運営にも携わりました。グリーンシーズン最大の魅力を引き出せる場はキャンプ場だと考え、村内にある雨飾高原キャンプ場で2週間本企画を運営しました。 私はスナップコンテストの運営中の目標を2週間以内に100投稿突破と定めました。しかし企画段階では見えてこなかった問題が多数見えてきました。 問題は、スナップコンテスト自体の認知度が低いということと、キャンプ場の標高が高く電波状況が天候に左右され、リアルタイムに投稿されにくいことでした。前者については、自分がチェックインとチェックアウト業務をしながらキャンプ場の来場者全員に宣伝することで対処しました。後者については、キャンプグッズなどに貼れる雨飾高原キャンプ場オリジナルステッカーを作成し、投稿を約束してくれた方に渡すことで投稿数の増加に繋げました。最終的に、スナップコンテストへの投稿数は目標の100投稿を大幅に超え、グリーンシーズンの魅力発信と小谷村の認知度向上に寄与することができました。この経験から、私は企画するだけでなくそれを実行する難しさを体感しました。また、実行することで見えてくる課題を解決しながら、企画自体をより良いものに昇華させる、すなわち、PDCAサイクルの大切さを学ぶと同時に実行力を養うことができました。