慶応義塾大学大学院経営管理研究科 | KBS Keio Business School / 経営管理専攻
勉強会を主催する
現在のMBAの課程において、多くの科目で高度な数学的計算が求められる。しかし、大部分の学生はそのような知識のバックグラウンドを持たないため、これらの科目に苦戦している。 その中の一つが「経営科学」であり、この授業では数値を用いて商品のリスクや需要を予測する手法を学ぶ。この課題を解決するために、私は試験前の学習会を開催し、すべての問題とその考え方を、数学に不慣れな人でも理解できるように工夫して解説した。例えば、T検定の活用について説明する際、カップ麺メーカー出身のクラスメートがいたため、彼の業界に関連する例を用いた。具体的には、旧型の調味料包装機と新型機の生産データを比較し、統計的な検定を行うことで、両者の生産誤差の有無を判断できることを示した。 もう一つは、財務理論の中間試験では、DCF法を用いた企業価値の算定が出題されたが、多くの学生は財務諸表に関する理解が十分でなく、困難を感じていた。 そこで、財務諸表のどの項目からFCFの各項目を導き出すのか、WACCの計算方法、さらにはCAGRの成長率の推定方法まで、企業価値評価に必要な知識を体系的に説明した。 その結果、学習会に参加した学生は全員、自力で企業価値評価のレポートを作成できるようになり、試験でも平均以上の成績を収めることができた。