ウォンテッドリー現場人事が語る、「エンジニア募集の作り方」上級編

エンジニア向け募集要項で抑えるべきポイント

こんにちは。Wantedlyカスタマーサクセスチームです。日々難易度の高いエンジニア採用に頭を悩ませている方々に向けたストーリーシリーズもついに3回目。
第1回でエンジニア採用の際に最低限必要な情報を、そして第2回で「エンジニアに魅力的な情報とは何か」をお伝えしました。
第1回のポイント
  • エンジニア採用の際に最低限気をつける点は、
  • 固有名詞を確実に使う
  • エンジニアが知りたい情報を簡潔に記述する
  • エンジニア目線で違和感がないかの確認
第2回のポイント
  • エンジニア採用の際に頭に入れておくべきエンジニアの志向性は、
  • 成長を求めている
  • 世の中に対して価値貢献出来る
  • 一緒に働いている人を重視する
今回は、ウォンテッドリー株式会社でエンジニア採用を担当している竹内に話を聞きました。第1回、第2回の情報を踏まえて、実際に良いと思える人から応募をもらえる募集記事を作る方法をお伝えします。
 

エンジニア向け募集記事の具体的な作成方法

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竹内 瑞季 / ウォンテッドリー株式会社 エンジニア採用担当 新卒で広告業界でのセールスプロモーション領域で法人営業経験後、レバレジーズ株式会社に入社。 エンジニアとクリエイター特化の転職支援をリクルーティングアドバイザー側で担当し、 2018年3月から現職。現在は新卒中途のエンジニア採用やカンファレンススポンサーの対応などを担当。 最近はPopin Aladdinを買って、楽しくおうち時間を過ごしている。
 
ーー本日はよろしくお願いします。Wantedlyをご利用の企業様により良い出会いをしていただけるように、エンジニアの募集記事作成について教えていただければと思います。さっそくですが、実際に募集記事を作成する際、どのような流れで進められているのでしょうか。
 
竹内:よろしくお願いします。大まかにいうと、以下の流れです。
  1. 採用ターゲットの把握
  2. 概要・骨子作成
  3. エンジニアレビュー
  4. 公開
 
ーーありがとうございます。それぞれ順番に詳細を聞かせていただけますか。
 

1. 採用ターゲットの把握

竹内:まず採用ターゲットの把握についてです。ウォンテッドリーの場合は、まず現場の状況や、現場からの声を踏まえ経営会議でどのような人が採用したいかが固まります。その後、開発責任者と人事のミーティングで人事に決まった採用目標が共有されます。人事はそのミーティングで採用の背景を聞き、どのくらいのスケジュールで、どのような人にどのような役割をお任せしたいのかをヒアリングしていきます。
 
ヒアリングは、採用の要件に合う人に出会う可能性を広げることを目的に実施します。採用の難易度が高いという理由で、採用の要件を緩和してしまうと現場の技術力、開発力の低下に繫がりかねません。要件を単に緩和するだけではなく、切り口を変えることで、採用要件に合致する可能性のある人物像のイメージを広げられないか等をディスカッションするようにしています。
 
例えば、Go言語の業務経験者しかターゲットにならないというリクエストが来た場合、本当にそうなのか確認します。「他の言語で豊富な経験があり、Go言語についてはプライベートで自学し、コードを書いて自身でプロダクトを作っている方であれば採用ターゲットになるのでは?」という様に聞いていくことで、該当のポジションで活躍することができるターゲット像を広げていくイメージです。
 
ーー採用要件を正確に把握するために、日頃から気をつけていることなどはありますか?
 
竹内:組織と事業をより深く知ることです。適切な採用のためには日頃から会社の状況を把握しようと心がけています。
 
具体的には、頻繁に更新される組織図や社内の情報は常に把握するようにしています。また、エンジニアとは積極的にコミュニケーションを取って組織や事業のリアルな状況を確認することも重要な仕事だと考えています。
 
例えば、コロナ禍の前までは、ほぼ毎日エンジニアとランチをしていました。面談のネタになりそうなことや、現在の事業の状況をざっくばらんに聞いていくイメージです。エンジニア採用はエンジニアと人事が一緒になってはじめて成功すると考えているので、コミュニケーション量は重要だと思います。コロナ禍になってからはWantedly Engagement SuiteのInternal Storyも活用してオンラインでのコミュニケーションを高める施策に取り組んでいます。
 

2. 概要・骨子作成

竹内:次は概要・骨子の作成です。ウォンテッドリーの場合、まず事前に得た情報をもとにDropbox Paperを使って概要・骨子を作成します。
 
この概要・骨子をもとにドキュメント上でやりとりを重ねて、募集記事の完成まで作成を進めていきます。「なにをやっているのか」「なぜやるのか」「どうやっているのか」の項目は基本的に会社ページのものを活用するため、作成する概要・骨子の内容としては「こんなことやります」の内容がメインです。Wantedlyでは採用を進める際に、ロールにやや幅を持たせる形で採用を進めております。
 
実際にミーティングで利用するペーパーの例は以下のイメージです。
 
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▲募集記事作成用ペーパー叩き台
 
ーーミーティングはどのような形で進めていくのでしょうか。
 
竹内:用意したペーパーに沿って話を進め、内容を埋めていきます。ディスカッションしながら、エンジニア自身に書いてもらうことも自分で書くこともあります。ミーティングでエンジニアから情報を補足した後は、文章の構成などを最後に整えます。 ミーティングを終えた後のペーパーは以下の様になります。(赤字がミーティング中に一緒に作っていった箇所)
 
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▲ミーティング後のペーパー
 
ーーヒアリングの際のコツはあるでしょうか。
 
竹内:意識しているのは以下のポイントです。
  • 本当に必要なスキルと、あるともっと良いスキルを分ける。
理想を追い求めたら大変なので、「こんな経験をしてきた人だったら会いたい!」と「こんな経験があったら絶対会いたい!」をそれぞれ聞いていくことで絶対に必要なスキルと、あるともっと良いスキルを明確にしていくイメージです。
  • 詰まったら一旦書いてもらう。
基本こちら主導でミーティングを進めていくのですが、ヒアリングをしてもエンジニアからスムーズに回答が出てこないことも多いです。その場合、「まとまってなくてもいいので求めていることを箇条書きで書いてみてください」などと提案することもあります。書いた方が考えを整理できるという人もいるため、その提案で話が進むことも多いです。
  • 具体例を用いて話に広がりを持たせる。
「今のチームで好きなところは?」「今回どういう役割を任せたい?」などの具体性の高い質問はよくします。 「ポジションの魅力は?」「ターゲットはどんな人?」といった抽象的な質問では、うまく言語化してもらえないことや意図と異なる回答が返ってくることもあります。エンジニアが日常の業務の中で接している情報などを参考にできるような具体的な質問を使うと、意図とズレない回答が得られやすくなります。
 
 

3. エンジニアのレビュー

竹内:ペーパーを作り込んだ後、募集記事に落としていきます。実際の見え方も踏まえて調整した後、ヒアリングをしたエンジニアと、別のエンジニアの最低2名からはレビューをもらうようにしています。
 
複数のエンジニアにレビューをもらっている理由としては、さまざまなバックグラウンドや志向性、スキルを持ったエンジニアがいるため、多様な視点から意見をもらうことが募集をブラッシュアップする上で重要だからです。できれば採用したいターゲットと同じポジションのメンバーから意見をもらえるといいかと思います。「この募集記事を読んだ時にあなただったら応募しますか?」とシンプルに聞くのがおすすめです。
 
あるエンジニアからは良いと言われていても別のエンジニアからはダメだと言われることもあります。様々な意見があるので、もらった意見を取捨選択して最適だと思える募集記事に仕上げます。
 
ーー業務範囲の違いなどから、エンジニアメンバーとのコミュニケーションに難しさを感じている人事の方が多いように思います。エンジニアの方とのコミュニケーションを深めるコツはなんでしょうか。
 
竹内:端的に言うと、相手に興味を持つことです。エンジニア関連の知識は、非エンジニアにとっては理解の難易度が高いことから「よくわからないけどなんとなくすごい」と終わらせてしまう人が多いです。しかし、一歩踏み出して興味・知的好奇心を持ち、彼らの考えや、興味範囲、技術についてわからないなりにわかるまで、どんどん聞いてみることがコツです。個人的な所感ですが、エンジニアは人に教えることは好きな人も多いので、意外と歓迎してくれます。
 

4. 公開

竹内:エンジニアレビューまで完了したら、実際に公開を行います。実際に作成したのが以下の募集記事です。これまでに書いたペーパーの内容に自分で肉付けして、エンジニアレビューを通したものになります。
 
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▲完成版募集記事 (https://www.wantedly.com/projects/517172)
 
募集記事においては、採用ターゲットに刺さる情報が盛り込まれていることが重要です。したがって、中身の情報もかなり具体度が高いものにしています。
 
無事募集が公開できても、最初からうまくいかない場合もあり、実際に選考を始めてから募集記事の内容は調整することもあります。どのような候補者の方が応募してきたのか、面談でどんな印象を持って応募してきたのか等をヒントにしながら募集記事のタイトルや面談で話す内容を調整していきます。とくに初めて募集するポジションはわからないことが多いため、まずは募集を公開し、実際の効果を見ながら募集記事を含めた選考の体験を最適化させていくことが重要です。
 

終わりに

ーーありがとうございました。最後に何か一言いただければと思います。
 
良いエンジニア採用を実現する上でのポイントは、募集記事をエンジニアと一緒に作ることです。
社内にエンジニアがいる場合は、粘り強く彼らに歩み寄ることが重要です。現状少し距離感があったとしても、記事の中で触れたエンジニアとコミュニケーションを深めるコツを実践してみてください。また、素直に助けを求めたり、採用の重要性を謳って上層部からエンジニアに協力を呼びかけてもらったりすることも、エンジニアからの協力を仰ぐ上での大きな助けになるでしょう。
 
社内にエンジニアがいない場合は、外部の方に頼ることも解決策になります。知り合いにエンジニアがいればそのエンジニアを。知り合いにエンジニアがいなくても知り合いのつてを頼り、協力してくれるエンジニアの知り合いを作ることが第一歩になるでしょう。
 
採用自体、難易度が高い仕事です。エンジニア採用となると、採用ターゲットが市場に多くは無いことから、一層難易度が高くなるので、私もここでお話した内容を中心に日々試行錯誤を繰り返しています。そんな時に助けになってくれるのは他でもない社内のエンジニア達です。彼らがいるから自分の仕事は成り立っていると思っています。
 
理想のモノを作ってくれるエンジニアが簡単に採用できる魔法はありません。毎日コツコツとエンジニアとコミュニケーションを重ね、最高の仲間を迎え入れる準備をすることこそがエンジニア採用において最も重要だということが、今回の内容を通して伝われば嬉しいです。
 

著者プロフィール

河田純一

Customer Success

Customer Success@Wantedly, Inc. リクルート、ZOZOの長期インターンを経てパーソルキャリア新卒入社。求人メディアのセールスを経て現職。個人の想いが社会で最大化されてみんながハッピーになる世界を目指して日々採用の現場に向き合っている。エニアグラムは楽天家。

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