1
/
5

【経営陣インタビュー】サイカCFO杉山に聞く、感情とデータが入り混じるこれからの“変革”

これまでにない商品やサービス、ビジネスモデル、市場を生み出す「イノベーション」。企業成長や産業の発展に、イノベーション(=変革)は欠かせません。

では、変革を起こす企業に必要な要素とは何なのか。また、そうした組織で働く個人に求められる自己変革とは。本連載は「変革」をテーマに、サイカの経営陣4名の考えをお届けします。

今回話を聞いたのは、ゴールドマン・サックス証券の投資調査部門にて、インターネット、ゲーム、放送/広告、民生電機セクターの主担当アナリスト業務に従事し、同社の投資調査部ヴァイス・プレジデントも務めた、サイカ取締役CFOの杉山 賢(すぎやま まさる)。

杉山は、これからの”変革”のテーマは「感情」にあるといいます。その理由とは。

そして、変革を成し遂げるために必要なこと、組織のありかたとは。

株式会社サイカ取締役CFO
杉山 賢(すぎやま・まさる)
2010年に早稲田大学を卒業後、ゴールドマン・サックス証券に入社。以降10年間、投資調査部門にてインターネット、ゲーム、放送/広告、民生電機セクターの主担当アナリスト業務に従事。2016年より同社の投資調査部ヴァイス・プレジデント。2020年6月、サイカに入社。現在、取締役CFO/コーポレート本部長を兼務。

社会を成長させる変革のテーマは「感情」

ー昨今、社会や企業には「イノベーション(変革)」が強く求められています。

その通りです。人類は、長い歴史の中でさまざまな変革を起こしてきました。電気や半導体の発明がその一例。

僕は、いまの時代は「物質的な豊かさから、感情的な豊かさ」に変わる大きな潮流の中にあると思っているんです。物理的なものが満たされていく中で、感情に向かっている。

一方が勝者となればもう一方が敗者となるゼロサムゲームから抜け出し、さらに上振れた成長・変革を起こすには、「感情」がテーマになってくると考えています。

ーそのように考える理由は?

前職の経験があったからです。僕は、ゴールドマン・サックス証券の投資調査部というアナリストチームで10年間働いていました。さまざまな産業や企業を調査し、機関投資家に投資戦略を提案する仕事です。

僕が担当していたのはテクノロジー業界。その中でも、インターネットやメディア、ゲーム会社、放送/広告、エレクトロニクスの会社を担当していました。

僕は、日本のさまざまな産業の中でもこの領域にはいちばん夢があると思っているんです。なぜかというと、「人の心を動かす」ビジネスだから。この産業の急拡大を目の当たりにし、物質的に満たされた人類は感情的な豊かさを求めるようになることを確信しました。

ただ一方で、人の心を動かすビジネスの難しさも感じていました。

投資家や社内から「コンテンツの価値を可視化してください」とよく言われていたんですが、僕はどう計算したらよいのかわからなかったんですね。

例えば、映像やゲームのキャラクターがもつ莫大な価値。そしてアニメなど映像コンテンツの間に流れるテレビCMの価値。それらを可視化するのは難しかった。

一方でインターネットは、誰が見ているのか。どう遷移したのか。どのくらい価値があるのかが非常に明確にわかるものになってきました。

具体的な価値が見えてしまうものと、ふわっとした昔からあるものの差が広がり続けていたんです。

ーその体験が、サイカ入社につながったんですね。

そうです。サイカがやっているのは、人の心を動かすビジネスの価値を可視化すること。僕が10年間考えても答えを出せなかったことを、サイカは統計分析によって実現していました。そしてこれこそが、コンテンツ産業が強い日本においてすごく重要なんじゃないかと思うんです。

変革には、二つの側面があると思います。
一つは「ゼロからイチを生み出す」こと。もう一つは、いろんなものの「足し算・掛け算、視点の変更によって新しい価値を生み出す」ことです。

僕自身が生み出せる変革やイノベーションは後者なんですね。一方、ゼロイチが得意な人もいる。サイカの場合は、CEOの平尾さんです。僕は足し算・引き算が得意なので、平尾さんがゼロから1にしたものを、もっと掛け合わせてみる、視点を変えてみるのが僕の役割かなと思います。

僕は人の心を動かすコンテンツを作れるわけじゃないけれど、人の心を動かす素晴らしいビジネスを評価したり、人に広めたりして、ビジネスの成長を加速させることはできるんじゃないかと。可能性を感じてサイカにジョインしました。

「全プレイヤーが恩恵を受ける仕組み」が変革を進める

-「感情」という社会変革の大きなテーマを掲げていただきましたが、変革を推し進めるために必要なことはなんだと思いますか?

サイカのビジネスに関していえば、広告分析には既存のプレイヤーが存在します。彼らは非常に優秀で、彼らのお客様も、既存の手法で満足しているかもしれない。そういった方々にサイカと一緒にビジネスをすることを選んでもらうためには「仕組み」が重要です。

具体的な話になりますが、インターネット黎明期には、一度サービスを利用したユーザーが離脱しないように解約金を設けるなど、ネガティブな仕組みがありました。

しかし、現代のお客様は非常にスマートで、さまざまなビジネスの形を知るようになりました。そうした時代背景を踏まえると、今生み出すべきは「すべてのプレイヤーが恩恵を受ける仕組み」だと考えています。

誰かにダメージを与えて勝つのではなく、あらゆる人が、自分の投下したコスト(原資)よりも、リターン(恩恵)が入るような仕組みを設計する必要がある。

成熟した日本社会においては、新しいもので業界を破壊するのではなく、昔から業界を支えてきたプレイヤーを巻き込み、より良いものを生み出していく。そうした変革のあり方が求められていると思います。

変革の第一歩は、組織の「パーパス」

ー破壊的・敵対的な変革ではなく、建設的・友好的な変革が求められている。そうした変革を進めていくために、会社組織としては何が必要でしょうか?

「パーパス=存在意義」があること。そしてそれが組織に浸透していることが、重要な組織の背骨になると思っています。

市場シェアや売上の目標を掲げるだけでは、競合他社とのゼロサムゲームからは逃れられません。他のプレイヤーを巻き込んでいくためには、「社会において、自分たちは何のために存在するのか」といった、より本質的な考え方に共感してもらう必要があります。

また、「パーパス」は社外だけではなく、社内に対しても良い影響を及ぼします。

パーパスが浸透している組織は、長期的な目線を持ちやすくなるからです。

短期的には売上を毀損するかもしれないけれど、長期的にはものすごいチャンスがあるものが目の前に現れた時、それが事実で、ミッションと合致していて、やるべきだと思ったら、株主や外部のステークホルダーを説得して決断することが重要です。

前職で担当していた事業会社で「中期的な利益を犠牲にしても新規事業を中核事業にする」と、明言していた会社がありました。僕はそれを面白いと思ったんです。うまくいったらどうなるんだろう。こうなったら面白いかもしれない。というのを一生懸命試算し、投資仮説を作りました。株式市場は当初、リスクが大きすぎる、本業の成長性が下がっていくと厳しい評価を下しましたが、結局その会社はやり切ったんですよね。

誰になんと言われようと、自分たちが起こしたい中長期のビジョンやイノベーションをやり切る。
同時に、真摯にパフォーマンスと向き合う。

10年間の経験で、その力をもつ企業が企業価値を伸ばしているのを見てきました。上手くいくはずがないと思われていた大胆な投資やプロダクト開発も、経営陣以下全員が一つのチームになって挑戦した結果、10年後には実現していることが多かったんです。

そういう意味でも、パーパスは組織にとって非常に重要なものだと考えています。

社会の成長を後押しし、多くの人を幸せにできる変革を

ー組織の「パーパス」を明確にし、「すべてのプレイヤーが恩恵を受ける仕組み」をつくる。そうした組織をつくりあげるのは社員一人ひとりだと思いますが、個人の変革についてはどうお考えですか?

やりたいと思ったことを徹底的にやることが、「失敗を含めたプロセスすらも楽しめる自分」への変革につながると思います。

仕事は細かい作業の積み重ねですが、それらの仕事は、何かしら目指したい成果やなりたい姿、作りたい社会につながっているはずです。仕事を楽しむコツは、目の前の仕事が何につながっているのか、全体感を意識しながら仕事をすることだと思います。

自分の何十年後を描ける人は少ないと思うのでなくてもいいと思いますし、明文化できていなくてもいいので、とにかく「楽しい」と思える仕事をやってほしいです。そしてサイカが「楽しい」を見つけられる会社になったら良いなって思います。

ー最後に、杉山さんご自身の言葉で、サイカが目指す「変革」を語っていただけますか。

冒頭に述べたように、いま日本社会の伸び代は「感情」にあります

これまでも素晴らしいメッセージを伝える広告はたくさんあったと思いますが、サイカはそれらの「何が、どう人の心を動かすか」をサイエンティフィックに分析します。それによって、よりメッセージが伝わるやり方を提案したり、テレビCMなどのクリエイティブを作ったりする。

この、感情とデータが入り混じったイノベーションというのは、ほかの業界では味わえない、サイカの特徴的なところです。

また僕らは、既存の巨大な産業とパートナーシップを組みながらイノベーションを起こそうとしています。チャレンジングな挑戦ですが、成就した時のインパクトは非常に大きく、たくさんの人を幸せにできると信じています。

[インタビュー・文] 佐藤史紹
[撮影]小池大介
[企画・編集] 川畑夕子(XICA)


株式会社サイカ's job postings
10 Likes
10 Likes

Weekly ranking

Show other rankings
Invitation from 株式会社サイカ
If this story triggered your interest, have a chat with the team?