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誰も見ていない所に何か書く訓練です。ビルドシステムを一新したWalbrix 4.1に従来のバージョンから全ての機能を移行させ、起動周りとインストーラ以外は機能が揃いました。起動周りは幅広いハードウェアで動作させるために非常に頭を悩ませる部分です。Linuxはカーネルのオプションひとつの違いだけで、特定のハードウェアで起動できなくなります。ハードウェアとLinuxカーネルの間にXenが挟まればことは尚更ひどくなります。なにぶん Xenが挟まると、その上で起動するLinuxはイニシャルドメインであろうが仮想マシン扱いなので動作が全く変わるのです。普通と動作が違うということは、Linux一般の情報が役に立たないということです。

Xenや Linuxの起動オプションはブートローダーの設定ファイルに直書きしなければならないため、起動時に何らかの判定を行って自動でオプションを選択するというようなことができません。従って、「最も多くのハードウェアで起動できそうなオプションをデフォルトにする」「それでカバーできないものについてはブートローダーの起動メニューでユーザーに選択させる」という方針となります。これを編み出すのは非常に多大な試行錯誤を要する作業です。頑張ったところで、ブートローダーのメニューにユーザーが気づいてくれなければそれまでです。なんとも報われない作業です。

だいたいの Linuxユーザーは「自分で設定ファイルを書き換えて自分のマシンで動けばそれでよし」とするので、「できるだけ多くのマシンで動かせるような設定」を追い求めたりはしません。従ってそういうことに関しては先人の情報にタダ乗りするというワザは使えません。本来ならばそういうタダで解決できない問題を解決するのは「商用サービス」の領分であり、なんらかの対価をもらえる仕組みが欲しいところですが、おそらく両手で数えるほどしかいないユーザーからお金を徴収するなどどだい無理な話で、何らかの違うスキームを考えるか、そこは趣味として割り切るしかないと思います。