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"購入体験"をより特別なものへ 礎を守りつつ新たな付加価値を ~六本木店オープンを探る~

2020年8月、「東京ミッドタウン」内に土屋鞄製造所 大人向け鞄専門店として14店舗の「六本木店」をオープンしました。国際色豊かで近代的な美術館も多く立ち並ぶ、六本木。芸術や文化が集積したこの街に開店に至るまでの背景や、六本木店ならではの試みや込めた思いを、KABAN事業本部長 丸山に聞きました。                              

「国際色豊かで多様性のある街」六本木に出店した思い

ー 六本木店に込めた思いを教えてください。

「六本木エリア初となる今回、出店したのは『都心の上質な日常』をコンセプトに掲げる東京ミッドタウン。周辺には、国立新美術館やサントリー美術館、21_21 DESIGN SIGHTなど日本では珍しいデザインミュージアムがあり、芸術や文化が集積しています。

また緑がとても多く、天気の良い日はエリア内のグリーン&パークでたくさんのお客様が寛ぎ、そこはまさに都会のオアシス。六本木店ならではのゆったりとした上質な空間と、お客様一人ひとりへの丁寧な接客を通して、贅沢なお買い物の時間をお楽しみいただけると思い、出店を決めました。
また、日本橋店の実績があったので、六本木店へ新たな一歩を踏み出すきっかけとなった、というのも大きいですね」



ー 日本橋店の実績とは?

「2019年にオープンしたコレド室町テラス内の日本橋店では、新規のお客様がたくさん来てくださったうえに、再訪される方も多く、ありがたい事に館内で表彰を受けることができました。
名高い歴史のある日本橋という地で、このように日々の積み重ねが、次のステップに繋がったのはブランドとしての自信にも繋がりましたし、とても喜ばしいことでしたね」

革との出会いを楽しむ、上質なおもてなしをご提供

六本木店の特徴と新たな試みを教えてください。

「透かし煉瓦積みの大胆なファサードをあしらった入り口を抜け、店内に入ると革の芳醇な香りに包まれます。
メインカウンターやソファーなど、オリジナルで用意した店内のインテリアには、革をふんだんにあしらいました。素材や鞄に精通したスタッフとの会話をゆっくりと楽しんでいただきながら、豊かなひとときが味わえます。



また、土屋鞄の店舗で初めてメンテナンスカウンター「CRAFTSWORK STAND(クラフツワークスタンド)」を設置しました。ここに常設された刻印機でラッピング用のヌメ革オーナメントに刻印するサービスもスタートしました。
また、オリジナルのハイチェアを備えた個別接客カウンターも店内3カ所に設け、よりゆったりと製品選びを楽しんでいただける空間になりました。



これらは全て六本木店初めての試みですね。
日本の感性と職人の手仕事で丁寧に仕立てた大人向けの製品を取り扱い、『鞄と共に過ごす豊かな時間』をテーマに、上質な空間・サービスをお客様に味わっていただきたい、という思いが込められています」



ー メンテナンスカウンター『CRAFTSWORK STAND(クラフツワーク スタンド)』とは


「今はインターネットで大体の物が購入できます。その為、実店舗を訪れてくださる方には"買う”以外のブランドらしさを提供したいと考えました。そこで、製品を購入して頂くだけでなく、製品を長く使っていただくコミュニケーションをとる場所をと、『CRAFTSWORK STAND』を設置しました。 “鞄職人のアトリエ” をモチーフにしたカウンターでは、愛用製品を持参されたお客様に、革に詳しいスタッフがブラッシングやオイルケアなどのお手入れをします。 革をより身近に感じて頂き、土屋鞄らしい体験ができるパーソナルなサービスが受けられます。



実際に、革鞄をメンテナンスしたいと、複数持ってきてくださったり、メンテナンスグッズをまとめてご購入くださったりするお客様がいらっしゃいました。革をより深く知りたいと、他の店舗に比べ、長い時間滞在してくださるお客様が多いです。
また、今年の夏はコロナ禍で遠出を控える方も多い時期だったため、ご来店の多くが近隣にお住まいの方でした。新規のお客様も多く、六本木エリアにお住いの方へアプローチできるきっかけにも繋がりました。


『STAY HOME』期間をより充実したものにしていただけるよう、6月からインスタライブで革製品のメンテナンス方法の配信を行っていました。メンテナンスに興味を持ってくださる方が増えていたタイミングで六本木店のオープンを迎えたので、『CRAFTSWORK STAND』を通じて直接お伝えできる場所が持てたのは大きいと感じています。

結果的に、お客様とのコミュニケーションの時間を長く取り、ブランドを深く知って頂くきっかけとなりました。



今後展開していく可能性のあるものとして考えているのは、ネームタグの刻印の他に、お買い上げいただいた製品に好きな文字の刻印サービスです。実現にはまだ高いハードルがありますが、よりパーソナルなコミュニケーションをご提供できたらいいですね」

伝統的なメーカーから現代的なブランドへ

ー 今後どういうブランドを目指していきたいですか?

「もともとは、お店へ向かう道中も大切な思い出のひとつになってもらいたい、という気持ちを込めて、駅からも少し距離のある路面店が多く、多くのお客様に認知して頂いてきました。 そこから、第2のステップとして2011年に新丸ビル内の丸の内店に出店、2019年にはコレド室町内の日本橋店、渋谷スクランブルスクエア内の渋谷店、そして今回の六本木店をオープンしました。 日本を代表する商業施設にお店を構えるという事は、ブランドの核を決める大事な要素であり、信頼性にも繋がり、海外のお客様にも浸透しやすい。

いずれは日本のクラフトマンシップを世界へお届けしたいという思いがあります。より多くのお客様にブランドを知って頂き、長く愛される製品づくりや、きめ細やかな接客やサービスを通し、海外のお客様からも『日本のバッグブランドといえば土屋鞄』と言って頂けるようになるのが目標です。

体感としては、土屋鞄の新たな仲間になってくれる人達から、ブランドについて嬉しい言葉をいただく機会が増えたな、と感じる事ですかね。 このようにブランディングができた事は点をたくさんちりばめたものが繋がった結果であり、本当に色々な要素が繋がったのだと思います。

これからは、伝統的なメーカーから現代的な提案力のあるブランドを目指していきたいですね。 働き方や暮らし、人々の価値観に大きな変化が生じ、『ニューノーマル』と呼ばれる今、大切な部分は守りつつも、時代に合わせて変化していくことをより大事にしていきたいと思います」

※ 掲載している部署名・肩書名は取材当時(2020年9月時点)のものです。

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