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【CTO Message #9】Triggerへの転職希望理由としても多い「上流工程に携わる」とは

筆者:田村 秀一(取締役/CTO)

こぬつは〜田村です。

Youtubeの配信を見てたらエルデンリングがやりたくなったので再開しています。相変わらず難しいけど楽しいです!
積みゲーを消化せねば…

さて本日は「上流工程」について触れてみたいと思います。

Triggerに転職希望される方も「上流工程が現職でやらせてもらえないから…」といった内容も少なくありません。

システム開発における上流工程は「要件定義」や「設計」と呼ばれるフェーズのことですね。

「要件定義」とは主にお客様がどういうシステムを望んでいるのかをプロの目線から確認して、作るべきもの決める工程、
「設計」とは要件定義に基づいて、ではそれをどういうシステムの機能や見た目で作るかを具現化していく工程、
といったところでしょう。

この記事はエンジニア以外にもお伝えしたいのでシステム開発以外の例も交えて説明してみたいと思います。

まず始めに「計画」ありき、です。

上流と言えば上流なのですが、企業(または個人)は経営上の課題や戦略に則して「システム開発が必要だ!」という計画・企画を行います。
この部分は企業の経営陣が考えたり、経営コンサルタントに依頼してアドバイスを受けながら作っていきます。

システム開発以外の身近な例で行くと、家族が増えた、賃貸の家賃が高くなった、介護のための移動時間がかかる、などの課題が出たときの解決手段の一つとして「マイホームを建てる」などの案が出ると思います。
そのときに「予算」「広さ」「時間」「場所」などある程度「計画」すると思いますが、やっていることは基本それと同じことです。

「計画」ができたら実行に移していきます。

このときに大きな開発だとITコンサルタントやシステムエンジニアが入ることもあり、システムのプロでないお客様が考えた内容では開発ベンダーに「???」とさせてしまって開発着手までかなりの時間を要する懸念があるため、プレ要件定義的にRFP(Request for proporsal)という資料を作成することがあります。提案依頼書と和訳されますが、計画の概要で現在の課題状況と解決したいことを整理したもので、それにはどういう手段があるかな?というものをプロに尋ねるものです。

マイホームを建てるときにも「◯◯工務店がいい!」というこだわりがなければ各ハウスメーカーに希望を伝えてから提案をもらったりするわけです。

時々ここの部分まで担当するつもりで上流工程かのように話す方がいますが、プロパーでもかなり上位の方などが行うので小さめの社内プロジェクトなどでなければ携わる機会は少ないと思われます。

概ね発注先が決まったらいよいよ「要件定義」スタートです。

(実は提案に参加した時点である程度「要件定義」し始めているようなものなのですが)
この段階だと開発するシステムの詳しいことはまだ未決定で、セキュリティに関するルールは?個人情報の取り扱いは?他のシステムとの連携方法は?など細かく詰めていき、そこそこリアルタイムで予算の上下や開発期間の変動を調整します。
「要件定義」すべきことはテンプレートもありますが、プロジェクトの規模やお客様のスタンスなどによっても内容と難易度は激変しますので、いろいろなパターンに対応できる柔軟性を持てることがベテランの腕の見せどころでもあります。

マイホームで言えば、部屋の数やトイレの数、キッチン設備、表札、ガレージや監視カメラなど建築のプロが「これどうする?あれどうする?」と要件定義してくれます。この際、あれもこれもと夢が広がりすぎるとあっという間に予算オーバーするのでそこの釘を刺してくれる役でもありますね笑

要件定義によって最終コスト(お金)とリリース時期(時間)が決まったら「設計」スタートで開発が始まります。

画面のイメージやデータの保存方法、作るべきプログラムの数、ネットワーク設定などを決定していってプログラマーが作業をできるようにお膳立てしていきます。
このときにもお客様にわかりやすく「こういう見た目になりますよ」「使いやすさを考えてこうしました」「こうしておくと将来的にも良いです」といった理由も添えて説明していきます。
設計のフェーズで始めて出てくる課題などももちろんあるので、予算や時間が固定されているならその中でどう解決するのか、というのを相互に相談することも必要です。
ちなみに開発ベンダーの場合は必ずしもお客様に直接ではなく、その担当の方に伝えていただくために説明する場合も多いので"上流工程だからエンドクライアントと直接話せる"という理解は一部誤りです。

ここでもマイホームの例えで言えば、細かい図面の設計、防音のために使う資材や電気の配線などですね。いざやってみたら資材不足で希望の壁材カラーがないとか色々問題もあったりするわけです。

少し上流工程のイメージができましたでしょうか。

冒頭に転職理由で「上流工程が現職でやらせてもらえないから…」というのが多いと言いましたが面接では「何故やらせてもらえないか考えたことはありますか」と聞いてみています。
上流工程ではこの通りお客様直接や自分の上のポジションの方にそのフェーズのプロとしてのスキルとコミュニケーションを求められます。
要望を伝えてくる側、それを作っていただく側の間に立ち、双方を納得させながら、できるだけ不快にさせずに円滑進めることができそうですか?
少なからず「まだその時ではない」と思われている可能性はありませんか?

「その時」とは5年、10年という時間ではなくて、「そのポジションを任せられるかどうか」の信頼です。

マイホームの例は、皆さんがお客様の立場となった場合をイメージしやすいように出しました。住宅のことは私も含めほとんどの方がド素人のはずで、想像ではン千万ぐらいかかるよなーというところぐらいしか分からない時点でのスタートですよね。
そういった曖昧な要件に対して親身に相談に乗ってくれて、実績と知見から丁寧に教えてくれながら物事を進めてくれる方って、自然に信頼したくなってくるものではないでしょうか。
Triggerで働く皆さんにもそういった信頼されるパートナーになっていただきたいな、と強く思っています。

Triggerでは上流工程に特化した強みを打ち出していきます。

コンサルティング、エンジニアリング、サポート全体で誰もが上流工程を担当できるような、コミュニケーションに強い会社にしていきたいと考えておりますので、引き続きよろしくお願いいたします!

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