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SES会社の戦略の種類や、それによる報酬システムや営業時の判断の違いなど。

なんか、どこに刺さるかわかんなくて怖いのだけれど、まあ、いっか。(軽い)

いつもの話というか、こんな感じでTwitterランドがSESネタで燃え盛ってる日がありまして。
(コロナ明けの通勤復活勢が参加したのだろうか・・・。)


https://twitter.com/WjgotINrU14Z1fB/status/1265477865035845633?s=20


書いてみるか。


1.SES業界に存在する制限や市場的な前提。

先にこれか・・・。

・取引口座システム(ぼくがさっき作った造語)

良く営業が口座があるとかないとか言ってるやつ。
主に大手の発注者が、調達先の会社を審査。【この会社には発注していいですよー】と、言うリストにのっけてもらわない限りは、外注はその大手とは直接の契約ができない。つまり、他社さんを経由するしかないという状況が発生する。


・一人常駐NG

偽装請負発生の可能性を下げる為に、これも大手発注者側がかけてくる制限。ほとんどの大手はこの制限があるか、派遣契約以外の受け入れをしていなかったりする。(調達する職種や業務量にも依るので、すべてがNGと言う訳ではない。)

準委任契約であっても、【チームで参画】【責任者を立てて】【業務依頼を受け、責任者からメンバーへ指示する】と言った体制を取る必要がある。

つまりこれも制限となり、単独で常駐先を探す場合は大手との直接契約が不可能で、上記の体制を取っている会社のチームに混ぜてもらう必要が発生する。


easter2501氏の説明はわかりやすかったと思うので引用させて頂いた。

https://twitter.com/easter2501/status/1265484214125752321?s=20


これらの制限はあくまで、発注先にこだわらないとヤバい層の会社の話であって、例えば中小の受託会社の案件はそこまでじゃなかったりする。

また、ゲーム開発会社やWebサービスの運営会社では、【優秀な会社 とではなく 優秀な個人 と】契約したいという会社が多く、商流制限なしで単独参画可能な率は高い。(それでも大手になると、派遣契約以外NGとかになるけど)【発注金額はそれほどでもないけど、商流挟まないから結果的に高い】と言う現象も生まれる。 フリーランス向けの案件は、こういった発注層の案件が多くなるはずである。



2.SES市場の発注者ごとの違い

と、上記の様に事前の説明を置いたのは、その様な制限が、SES会社の戦略に影響してくるからなんですわ。発注者をSES会社から見ると下記の様なメリデメが存在する事になります。

・SIer系

実際は会社や部署ごとの差異が大きいので、これでも主語でかいが。まずはこの範囲で。

1.チームで参画してくれる会社を重視する傾向がある。
体制組める側。人数が多くて、技術要素がそろっていて、ちゃんと作業できる人間が多い会社にとっては競合優位が取れるという事。チーム参画のメリットデメリットがそのまま影響するかな。

・若手育てられます。
だって、チームで結果出せればいいんだもの。この意味は大きい。

・案件の枠を優先的に確保できます。
今回のコロナ禍の様な状況可で、自社の社員の逃避先となります。平常時、社員がいないケースでは、外注さんに参加してもらって、利益&枠の確保を行う事になります。

・権限取りやすい
Sier側も、成果が欲しい訳であって、任した方がよさそうな取引先には権限渡して任せちゃいます。(高度な権限を行使する必要が発生する場合があって、そんなケースの為にPMはSIerに立ててもらう必要はある。)

・なんだかんだで守られてる
コロナで出勤不能で一ヶ月間待機とかの状況の中、開発体制維持の為に委託費満額そのまま支払ってキープする会社が多数とは・・・。

・SIerは悪でExcelで大規模下流でコンビニバイト!
もちろんこの手の被害報告も事実。
大規模下流ではマシーンである事を求められる。
開発以外の工程が長すぎてスキルが全く伸びない。
質がめちゃヤバいセカンダリーベンダーがいる。
そのパートナーが宗教チックにベンダの意向(のみ)を重視する
若くしてCOBOLで保守。無限塩漬けコンボ!

まあ、いろいろありますわなー。



・ゲーム屋さん・自社ささん・コンテンツ屋さん系

くくってますが、それぞれ別のものです。 ゲームはプラットフォームやゲームのジャンル等でかなり差異がある為、SI商流の『業務知識』と同じようにゲーム開発者間の参入障壁として機能していたりします。その分単価も高いですね。対してWebさは、『マトモなシステムエンジニア』であればOKと言った印象。
やはり人気がある為か、大手のWebさにはちゃんとしたエンジニアが集まっていて、それと同じタイプの人員を社員でも準委任でも派遣でもいいから調達したいという感じ。
Webコンテンツやスマホコンテンツの受託会社もあるのだけど、最近関わらないからなあ・・・。こちらは一件あたりの開発規模が小さく、一名単位での調達が普通な気がする。

なお、どこにでもダークゾーンは存在し、巨大なレガシーRailsシステムを保守できる人がやめちゃったとか、ついにインフラ周りがヤバいことになって、サービス開始後初めて調達するインフラ屋さん案件とか、もはやマンガかと言う地獄の様なゲーム・コンテンツ受託開発会社と言うのは実在する。


・ほか

組込みとか分析ベンダとか、いろんな話はある訳ですが、今日はあきらめよう。多すぎやねん。

要は、SIer→チーム重視 自社さ等→個人重視 と言う差があるとざっくり思ってもらえると、このあとの話を説明しやすい。(例外は当然あるものとする)




3.各SES会社の戦略

ようやくここまで来た。

ここまでの説明が市場背景。市場の各プレイヤー(各SES会社)がどの勝ち筋を選択するか、それがSES会社の戦略となります。


A.体制化重視モデル

チームを重視する理由としていくつか挙げられます。
・離職回避
・チームでの育成
・開発会社としてのスタンス・つまらんから
・ポンコツをまぜて隠したい
・外注アサインの利益
・会社規模確保後に、チーム開発力の確保

現場で枠を確保する事がエース格の使命。離職率を下げ、技術者を育成し、体制での開発能力をつけていき、いずれSES市場の外に打って出る事を重視する戦略と言えるでしょう。SES市場卒業後の進路と言うのも様々で、それが案件選択傾向にも色濃く反映されます。もっとも古典的・ポピュラーなスタンスは、『SIerを目指す』と言う物で、その過程として受託開発を行っていたり、特定の業務知識に特化したりしています。また、社員の技術はある程度揃えておくか、何でもやるか、どちらかの必要があります。(じゃないと同じ仕事にアサインできない)選択される技術は、言語で言えば、だいたいJavaかC#ですわな。



B.高還元派遣モデル

近年よく聞くやつ。派遣会社とフリーのエージェントの中間?
・採用で有利に
・高報酬による離職の防御
・案件選択は個人の希望重視
・個人の自由度の高さ重視
・帰社日などは不要

本来の登録型派遣のスタイルに近いんじゃないかなあ・・・。売上に連動する給与システムで、還元率はだいたい65%くらいになるらしい。(社会保険とか税金とか、その他このシステム維持の為の貢献利益を引くとそんな感じらしい)高報酬で採用面で優位を取り、規模を取って、薄利多売で戦うスタイル。Aのタイプとの対比がわかりやすいと思う。個人の自由度を重視する為、戦力をまとめてチーム化と言うのは難しいし、そもそもそういう事を求めてるタイプはこの手の会社では少ないはず。そんなこんなで後発だとSI商流は狙いづらく、商流は深くなりがち。案件のWebさやコンテンツ系の比率は上がるはず。
商流問題の解決策として派遣契約縛りに持って行った会社もあって、これは実にこのモデルに合っている施策だと思った。(同一賃金同一労働の影響についてはまだわかっていない)
SES市場と一蓮托生のビジネスモデルであるともいえる。

ちな、常駐型のフリーランスとの差別化については、特別に考えなくてはいけないビジネスモデルと言える。このモデルのメリットデメリットがより強く打ち出された状態がフリーランスと言える。


C.ロースキル派遣モデル

例のフィードのイメージで。

https://www.wantedly.com/companies/trash-briefing/post_articles/175161

とにかく大規模化を目指します。育成は不要です。営業力勝負のスタイルです。
・社長はもうかる
・信用は失うが、ほかの商流挟んでしまえば問題解決。
・役員ももうかる
・スキルは伸ばさない
・営業は恨まれる
・外注アサインもさほど重視はしない(自社のロースキルアサイン可否次第)

あんまり書く事がないかなあ・・・。上部のリンク先をどうぞ。
所属技術者は基本的にロースキルだらけとなる。



D.職歴偽装モデル

Cに近いのだけど、選択肢が変わってくるのであえて記載。

・未経験者を経験者の単価で売れるので、もうかる。
・未経験者にプログラムを経験させられるので、育成もできる。
・社長たちは、上記を根拠に正しいと思ってやってる。
・案件選択させる事はないっぽい
・手を汚すのは営業。
・現場で居場所が無いのは技術。

【明らかに偽装している会社】と言うのも多くは無いのと、そうとわかったら会社対会社で絡むことが無いので情報不足。マトモ勢の営業マンからは切られて行くはずなので、やっぱり商流は挟むんだろうなあ。なお、Cと違ってプログラム経験者が主力層となる。強烈に未経験採用をしつつ、ちゃんとプログラマーメインの社員構成で、急速に成長とかしてたら、このモデルの疑いがつよいかと。

偽装が明らかなスキルシートは、PHPやフロントだけとかのケースが多いかなあ・・・。多分Javaも多いはず。じゃなきゃ世の中こんなにイケてないエンジニアだらけにならないはずだからな・・・。




3.戦略の違いによる案件選択時の優先度の違い

ようやく本題。
上記のように、各社事情が異なる為、案件を選択する上でも、いろいろ個性が出てくる。案件と言うのも様々な基準で選択されているもので・・・。


〇重視する取引先のタイプ・傾向

Aの体制重視派は、SI的な案件が多くなる。理由は単純でチーム参画を好む顧客層になるから。権限を得るべく戦力を送り込み、そのプロジェクトを制圧。継続的にプロジェクトを成功させつつ、自社の社員の育成や、効率的な人員再配置などを行っていく事になります。なお、商流は良くなくてはいけません。中間会社が挟まると、その会社の都合に振り回される事がある為、非効率になります。
(中間とその下で利害共有して組むケースももちろんある)

Bの高還元モデルは、チーム化の優先度が高くないので、SIをターゲットとする必要がないです。特に経験年数で4・5年も行っていれば、大手のWebサービス等の案件で個人単価のMAXを狙う動きになるはずです。チームの動きがしづらいので、SI案件は直接は狙いにくく、商流を挟んだ形が増える事になるかと思います。(ゆえに単価面の不利がでる。ただその問題は派遣契約で回避できる?また、職種にもよる)

Cのロースキル派遣モデルでは、とにかくロースキルのアサイン先が重要になります。開発に関しては一人称での作業は不可能ですから、他社のチームの配下に入り守ってもらう必要があります。もしくは彼らにも対応可能な非開発業務(監視作業や、結合テスト打鍵等?)に数を投入する感じになるはずです。
ですので、営業上のターゲットはAの層の会社になるかと思います。(セカンダリベンダ・テストベンダ等でAの様な増員を出してくれる会社も含む。)

Dについては推測が難しいですが、経歴偽装技をカマすとすれば、潰してもいい取引先である必要があります。営業ターゲットはAの層の増員案件。又は中堅受託会社の案件等になるでしょう。(大手狙いの際も、商流を噛ませてしまえばどこの技術者かわからない)技術者が育ってくると高単価案件狙いで、Bライクな動きになるのではないでしょうか・・・。 育成の必要性は薄いので、チーム化を狙ってSIを追う必要性がありません。



〇高い売上の重視度合い

誰だって売上は重視します。重視はするが、Bの高還元モデルはもう最優先。だって売上が社員の給与に連動するわけで。だれだって給与下がったりしたらヤじゃないすか。そういう訳で、売上縛りの営業スタイルにならざるを得ません。商流にもよりますが、ベストはWebさのリードエンジニアポジションなんかを取って、100万くらい取ってくる感じになるのではなかろうか。この際、チーム化が難しくなるという副作用があり、育成に関しても問題が出てくる。

あとはDの偽装系ね。『実はロースキル』の場合はそうでもないが(実際の経歴考えると高いけど)まあまあ経験があって、『そこに加えて偽装』と言う場合は見わけも付きづらく、容赦なく単価ボッてくる印象。【高いくせにめっちゃできない奴】の何割かはこれなんじゃねえかな。これに、売上連動型の給与システムとかが加わるともう、カオス。

Cの搾取型は、そうでもない。と言うか、必死にロースキルを決め続けるだけ。まあ、高いっちゃ高いけど。提示額が50万を超える事は少ない。



〇経験できる技術

A.会社の方針に沿う。SESの先のビジネスに利用可能なレベルの技術の取得が必要となるので、レベルは低くはない。しかし、Teitterランドのプログラマーが思うような方向かどうかは、各社の方針次第。例えば、『業務知識が最優先』とかの会社ではプログラム能力が軽視されることもある。『長期の経験こそが尊い』と言う考えであれば、保守っぽい経歴になったりする。もちろん、プログラム能力を重視する会社も多い(人材提案の際につけてくる条件などで判断できるが、こういう会社はけっこうある)

B.個人の技術方針に沿う。モッダーンでも、AIガーでも、お好きなようにと言う感じ。Twitterランドのプログラマー向きと言える。また、単独行が当たりまえの職種等もあって、そういうケースはこのタイプの会社の方が合うかもしれない。

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※なお、A,Bに共通する点だが、営業力の影響も強く受ける。営業力が弱い、特定の取引先への依存度が高い等の条件で、どんどん選べる範囲が狭くなり、ブラックな案件でも受けるしかないシーンが増える。
技術者はもちろん、当の営業も自覚できない部分である。
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C.贅沢言ってる場合じゃない。生存が最優先である。

D.市場価値が付いて来れば、選べる範囲で選べるのではなかろうか。偽装している時点で、単価は高いはずだしな・・・。



〇増員可能性・難易度

A.かなり重視します。そもそもこれを重視してリーダー格をアサインしていかないと、枠の確保もできない為、チーム化も見えませんし、外注アサインで優位に立つこともできません。単価を度外視する事もある、かなりの重要ポイントです。ただし、単価が安すぎる・権限が無い状態ですと増員も難しいです。商流も重要になります。また、増員可能性が高くとも難易度が無駄に高いものはチームを組んでも優秀層を持って行かれるだけの結果になる為、ワリが合わないと判断する傾向が強いです。
そう言う訳で、Webさ等の『できる人だけちょーだい』とは、相性が悪いです。
チーム化の理由が失われるので、派遣契約も嫌います。

B.個々の契約の売上重視の為、比較的軽視をする事になります。(単価下げてでも増員可能性の高い案件を狙った場合、そのリーダー格が一人で損をする。)また、増員枠でロースキルがアサイン。高い単価がとれたとして、次回以降のロースキルの案件選択時にその高い単価が首を絞める事になります。

C.ロースキル案件と言う枠内の話ですが、かなり重視します。

D.軽視でしょうね・・・。


〇通勤などの諸条件

A.ふつう? 同じ場所に集まる関係で、個人重視で選ぶよりは通勤面は不利な要素が出てくるかと。
ほか、会社のターゲットとするエンド業種によっても通勤場所に偏りが出てくる。
大規模メインで、下流だと、きついかもわからんね。

B.本人がこだわるかどうかかと。だいぶフリーランスっぽいイメージ

C.通うしかない。

D.初期がCっぽくて、市場価値ついたらBっぽくなる印象。



〇報酬制度(案件と関係ないけど、話題だったので)

A.個人の売上ではなくチームの売上 + 外注アサインによる利益。社員育成。そういった顧客の開拓や信用獲得が評価の対象と言う感じ。なので、売上連動型の報酬制度との相性はとても悪くなってしまう。実際の常駐単価に比べて極端に安いとか、極端に高いとかが起こるのがこのモデルの特徴。一般に報酬制度は、会社が何を価値とするか・どう成長してほしいかなどを社員に伝達する役割もあるので、だいたいはその方針に沿った給与テーブルがあるはず。

B.高い。このモデルのキモみたいな部分。ちょうどAとは反対側に位置する特徴だろうか。単価に連動する訳で、固定的な給与テーブルと言うのは無いと思う。Aで説明した報酬制度による価値観の誘引などの機能は使えない。が、まあ、自由度重視。個人重視のモデルだし、問題ないんじゃないかと思う。

C.待機リスクのヘッジ・継続的な大量雇用が前提になる為、安い。
このモデルの場合は普通は年功制給与制度を取り、いかに売上と給与のギャップを生むかと言うのが重要になる。例外的に、ロースキルをたくさんアサインできる現場のキーマンに関しては、給与交渉するとかなり高い給与まであがったりする。

D.入社して初期は低いはず。いや、普通でも可。どうせ偽装してアサインするわけで、そこそこ単価も取れてしまうし。そこそこ市場価値が付いてくると、結構高くなるんじゃないかと言う気がする。(求人サイトの登録者を見てると)


注記
よく、『やめる』って言ったら給与上がった的な話があるのだけど、給与テーブルがある会社では考えづらい。(その時点でフリーランス化する話はよく聞く。)その都度その都度、社長の一存で給与が変わるとしたら、これは社員全員の給与はめちゃくちゃな構成になっていると思われる。
このパターンでよくあるのが、新卒入社するとめちゃ安で年功制。中途入社すると結構高い。みたいなパターン。採用市場で有利を取る為に中途は高い金額になる訳だ。




4.〆

と言う訳で、体制を重視するか否かで狙う取引先も変わり、報酬制度にも影響が出てくると言う話でした。

書いてて驚いたのが、DがCよりもBに近かったこと。

SESと言う言葉は、某大手派遣会社の多重派遣の問題で派遣まわりの規制が厳しくなったころに、【多重派遣契約の代替品として委託契約の再委託を行う】そのサービスについた名前 というような背景で普及した言葉でもあるかと思います。その意味では、本来のSESに近いスタンスがBやD。派遣の利点も引き継いでいる印象。

さらに古い、ソフトウェアハウスのスタンスがA。(BやDを兼ねてる会社ももちろんあるが)


純粋なAとBの間には当初の想像以上に差異がある結果にもなりました。
SESと言う言葉の定義を考える際には、この辺りも考慮した方が良いかもしれませんね。

Cは、がんばれ。

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