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“来たくなるオフィス”から“来たくなる会社”へ──オフィス移転の責任者・清水の葛藤と挑戦

リレーインタビュー企画第十三弾は、V2DMとして活躍する清水 彩加が登場。入社後すぐからオフィス移転という大プロジェクトを統括し、2022年8月、その使命を果たしました。そんな清水の葛藤の日々と、見えてきた課題、V2DMとしてのこれからを紹介します!

V2DMはこれからチャレンジしてみたい分野だった

エンタメ領域に挑戦したいという想いから転職活動をはじめ、「“できっこない”に挑み続ける」というVisionに共感して、2021年9月1日にTHECOOへ入社した清水。前回のストーリーでは入社理由のほか、カスタマーサクセスからV2DM(Visionary & Value Development Manager)への異動の経緯をまとめました。

その清水があらためてV2DMの役割について語ります。

清水 「V2DMは、THECOOがより社会に向けて大きな価値を発揮していくための『組織づくり』『組織文化づくり』という組織課題に向き合っていくポジションです。組織全体の継続的進化に向けて、経営陣とともに戦略を考えて実行しています」

清水はV2DMが作られた背景と、担当することになった理由をこう語ります。

清水 「組織文化作りという役割は、どの企業でも規模が大きくなると必要になります。THECOOでは、先手を打ってそのポジションを作ることになりました。

人選は、今いるメンバーに任せたいという方針で、社内公募が行われ、興味のあった私は自ら手を上げました」

清水が組織文化の構築に興味を抱いたのは、歩んできたキャリアに原体験がありました。

清水 「前々職のアパレルは、会社として“どのように人を動かして組織をスケールさせていくか”に注力していて、人と人がチームになって働くことへの可能性や期待値を大きく持つことができました。

前職の人材紹介では、クライアントの採用支援を担当し、会社がやりたいことと個人がやりたいことをどうマッチさせて組織をつくっていくか、毎日考えていました。そういった背景もあって、V2DMはこれまでのキャリアに親和性があったし、これからチャレンジしてみたい分野でもありました」

社内面接で問われたのは、清水の覚悟でした。

清水 「組織文化づくりで何を大事にしていくか、何をやっていきたいか、難しいポジションだけどやり遂げる自信はあるか、と問われました。印象に残っているのは、V2DMはゼロベースで、ないものを作っていくポジションであることと、中長期的なプロジェクトが多いので成果が見えにくいと言われたことです。

たしかにV2DMはセールスチームのように数字の達成/未達などはありません。しかし縁の下の力持ちとして、モチベーションを向上させたり、職場の心理的安全性を作り出したり、働くメンバー全員を支えることにつながっていると思います」

抽象から具体へ──“みんなが来たくなるオフィス”を作るために、動き回った

清水がV2DMとして最初に取り組んだのは、オフィスの移転でした。

清水 「オフィスはカルチャーが最も反映される場所だということは、直感でわかりました。社内への組織文化の浸透に影響を与えるのはもちろん、外部からも見られる場所になるので、『THECOOはこういう会社です』と、その在り方や理念を、空間全体で表現するんです」

関係部署とミーティングを重ねながら、オフィスのコンセプトを考えます。

清水 「オフィスを通してコミュニケーションを活性化させたい。リモート下で失われていたカジュアルな雑談を復活させたい。そんな想いを全経営陣が持っていました。 そこで“みんなが来たくなるオフィス”というコンセプトを定めました。

みんなというのは、社員はもちろん、アイコン(『Fanicon』を利用しているアーティストやタレント)を含めたクライアント、投資家、従業員の家族など、THECOOに関わる全ての方を指しています」

コンセプトをもとに、オフィスのアイデアを次々と形にしていくための仕事に取り組み始めた清水。

清水 「各自の椅子と机があり、十分な数の会議室があり、良質なWi-Fi環境があることなどインフラの整備は必須。

さらに全員にアンケートをとり、何が必要か理想ベースで意見をもらいました。それから各部署のチームミーティングに参加してヒアリングを重ね、優先順位をつけていきました」

一番難しかったと感じたのは、優先順位をつけることでした。

清水 「知識がなさすぎて、本当に優先させるべきは何なのか、判断が難しかったです。部署間で偏りはないか、気をつけるべきポイントは何か、など考慮しなければいけないことが多く、最初は不安しかありませんでした。もそも私が判断して大丈夫なのかさえ当初はわかりませんでした」

わからなければ相談すればいいと考えた清水でしたが、さらに悩みの種を増やすこととなります。

清水 「相談相手を選ぶのも難しく、誰に何を相談するか、その順序をひたすら間違えて、あっちに行ったりこっちに行ったりしていましたね(笑)。

相談してうまく意見がまとまっても、考慮すべき点が漏れていて、役員の意見でひっくり返ることもあって、二転三転してやっと決まっていきました」

清水は徐々にバックオフィスや各部署についての知見を高め、最終的には全社の意見をまとめ上げました。

オフィスの移転と、明確になった自身の課題

清水がV2DMになってから8カ月後の2022年8月20日、THECOOは新オフィスに移転を果たします。
“みんなが来たくなる”を見事に実現したオフィスは、3フロアある中にいろいろな仕掛けが垣間見られます。

清水 「いろいろな広さの会議室、Wi-Fi環境などのインフラはもちろん、みんながカジュアルに話せるファミレス席、魅力的なデザインのフリースペース、社内スタジオ、エンタメの会社らしいデザインやアートなど、細部までこだわって完成させることができました。

『“できっこない”に挑み続ける』には、新しい発想やイノベーションが必要ですが、あらゆる場所でカジュアルなコミュニケーションが活性化しやすい作りになっています」

とくに社内スタジオと、フリースペースの開放は、新たに外部向けのコミュニケーションとして進化した部分だと言います。

清水「THECOOが運営している新宿の配信スタジオ『BLACKBOX³(ブラックボックス)』が好評で、予約が取りにくいという問題があったので、社内にもスタジオを作ることにしました。

『BLACKBOX³』は防音がしっかりしているので演奏を伴ったライブ用、社内のスタジオはトーク配信やアコースティックライブ用と住み分けもしました。人数は少ないですが、有観客のイベントも開催できます。

また、フリースペースはもともと社内のコミュニケーションの活性化のために考えていましたが、それだけではもったいないと考え、外部に開放することになりました。より多くのファンとの有観客イベントの実現やアイコンさんやクライアントさんの素材撮影、外部セミナーの実施などさまざまな場として使ってもらえています。

スタジオとフリースペースを作ることによって、アイコンや担当マネージャー、クライアントと顔を合わせる機会も増えました。これがFaniconでのより良いファンコミュニティ作りや、より良いマーケティング支援にどのように寄与していくか、これから楽しみです」

清水は移転プロジェクトを次のように総括します。

清水 「責任が重かった分、非常にやりがいを感じました。自分の中で大きかったのは、オフィス移転を通していろんな部署の人と関わることができたことです。当初はオンライン会議が多く、雰囲気から伝わってくるTHECOOのカルチャーをキャッチするのは難しかったのですが、後半は出社することが多くなり、相談を通してTHECOOを体感できました」

清水にはオフィス移転の中で見つけた課題がありました。

清水 「ディレクションはできたけれど、力不足感を感じています。『絶対にこれがいいんだ』『THECOOにはこれが必要だ!』とこだわりを持って決められたシーンは少なく、人の考えに左右されることや振り回されることが多かったです。

これからの課題は、自身で考え、こだわりを持って、なぜ私は今こう決断したかと言語化できるようになることですね。また経営陣が持つビジョンになるべく近いアウトプットを提案できるようになって、質問の数を減らしたいなと思います。清水に任せれば大丈夫だ、と信頼されるように」

“来たくなるオフィス”から“来たくなる会社”へ

清水は、メンバーが新オフィスに出社しているのを見て感じたことがありました。

清水 「ファミレス席に集まって雑談しているのを目にして、やってよかったな、苦労したかいがあったなと思いました。 社内外から高評価を得た嬉しさと、コンセプトを全うできたことへの充実感もありました」

清水はこれから、“来たくなるオフィス”の一段階上へのチャレンジを始めます。

清水「今のままでは限界がくるので、その先の“来たくなる会社”にしていかないといけないなと。それにはTHECOOで働くことの心理的安全性と、メンバー同士の信頼関係を高めていくことが必要だと思っています。

そこでV2DMとしてできるのは、いろいろな人と話すことができる施策や仕掛け作りです。フリースペースでの外部向けのミートアップ、リモート前まで開催していた全社飲み会の復活、子どもが遊べる場所を作ってファミリーデーを開催、神宮の花火大会をオフィスから観覧する企画などなど。

やりたいことは無限に溢れ出てきますが、やること・やらないことを決めて、全社員にとって良い施策を打つため、判断の質を上げていきたいです」

そのほか、V2DMとして別の業務にも注力していく予定です。

清水 「オフィスは運用段階に入ったので、共有スペースを綺麗に維持していくための細かい決まりごとを作る必要があります。

それから社内満足度アンケート(GPTW)も実行したので、分析結果から出た課題への改善施策を実行していかなければなりません。カルチャーを浸透させつつ、研修設計やコミュニケーション改善施策などなど……。どんどん着手していく予定です」

なぜTHECOOはそれを行うのか、清水は入社してから1年間の経験でその判断軸を磨いてきました。

清水 「ミーティングで上長や役員が何度も丁寧に説明してくれたおかげで、かなりインプットはできたと思っています。今はなんとなくですが、こういう提案をしたら、こう返ってくるだろうなと感覚を掴めるようになってきました。

平良(代表取締役CEO:平良 真人)がよく口にする “自由と責任”という言葉。入社当初は『仕事の進め方は自由で、その代わり、出た結果に対する責任は自分で取りましょう』という意味だと思っていましたが、どうやら違うとわかってきました。

平良が求めていたのは、『みんなでゴールを達成するための手法は自由、その代わり手法として選んだリソースを徹底的に活用し、使い切る責任』でした。結果ではなく、過程に対する責任です。

この意識を保つのは難しく、ちょっとしたことでチーム内の認識に差が開いてしまいます。だからこそ『“できっこない”に挑み続ける』なんだなと。これからは『THECOOは自由と責任を大事にしています』と言い切るために、人事的な視点から課題を発掘し、達成していきたいと思います」

最後に、清水がリレー企画の次回インタビュイーとして、『BLACKBOX³』と新スタジオの責任者である寺戸を紹介します。

清水 「オフィス移転ではたくさんの相談に乗ってもらい、貴重なアドバイスをいくつももらいました。私にはないこだわりを持っていて、決断するのに長けている方です」

“来たくなる会社”の実現に向けて、新オフィスで仲間と共にさらなるイノベーションに挑む清水。次回の寺戸の記事もぜひお楽しみください。

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