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“親”というユーザーになり気づいたこと。Sun*で育休を取得して見えた、目指すべき社会の姿

石田 浩章 / PM
2014年にフルスタックエンジニアとしてSun*へ入社。2015年にベトナムへ移住し国立ハノイ工科大学にて客員教授を務める傍ら、ベトナムNo.1テックブログサービス「Viblo」のPdMや70名規模のセクションマネージャーにも従事する。2019年に日本へ帰国後はPM、システムアーキテクト、UXデザイナーとして活躍。2021年から新卒研修やPM育成など、次世代の育成にも力を入れる。2020年7-8月、12月-2022年1月に育休を取得。

南 慶隆 / デザイナー
武蔵野美術大学卒業後、フリーランスや制作会社でWebデザインとフロントエンドを10年ほど経験したのち、株式会社Speee にて不動産 / リフォーム系ライフスタイルメディアのデザイナー兼ディレクターとして、立ち上げ間もないサービスのグロース・プロダクト開発に従事。2018年にSun*へ入社。ベトナムのハノイブランチのデザイン組織にてUI/UXデザインを担当しつつ、Framgia からSun*へのリブランドプロジェクトを担当。大手企業のDXプロジェクトや新規事業プロジェクトにてPMにも従事する。2022年3月から育休を取得し、同年5月に復職後はDesign Pros. Division Managerとしてデザイナー組織のマネージャーを務める。

目次
・男性社員として初めての育休取得。会社とともに進めたルール整備
・「多様な働き方が当たり前」子どもを持つことで改めて感じたSun*の組織風土
・育休期間は”育業”へのオンボーディング期間
・“親”というユーザー視点から見える世界
・親として、Sun*で目指したい社会の姿

男性社員として初めての育休取得。会社とともに進めたルール整備

ー育休を取得されたタイミングと期間を教えてください。

石田:
私は2020年7月から8月と2020年12月から2021年1月の2回、それぞれ3週間取得しました。合わせると1.5ヶ月分の育休を取得したことになります。

南:
2022年の3月から5月の2ヶ月間です。

ー育休を取得することを決めた時、周りの反応はどうでしたか?

石田:
私が育休を取得したタイミングでは、Sun*で育休を取得した男性社員の実績がなかったんですよね。そのため全社的なルールや制度として整備されている状態ではありませんでした。特に私は2回に分けて育休を取得することにしていたので人事との調整が必要でした。一方でメンバーは育休を取得することに対してポジティブな反応を示してくれましたし、自分が育休を取得することが会社としての実績になるという感覚でした。

南:
育休を取得することにネガティブな反応がなかったのは石田さんと同じだと思います。私の場合は育休取得のタイミングがメンバーの人事評価や2022年度新卒メンバーの入社などマネージャーとして関わりの深いイベントと重なっていたので、業務の引き継ぎなどを含めた育休取得に向けての準備は2ヶ月ほど時間をかけて入念に行いましたね。メンバーがみんな協力的でスムーズに引き継ぎができたのはありがたかったです。

スムーズに引き継ぎができた要因としてもうひとつ、属人的なタスクが少なかったことも挙げられるかもしれません。デザインチームにとっての課題意識が共有されていたため、自分が離れることでクリティカルな影響はない状態が作れていたと思います。

ー実際育休を取得されてみて、仕事との距離感はどうでしたか?

南:
Slackなど社内でどのようなコミュニケーションがされているのかなどは把握しつつ、自分がいた方がスムーズに進みそうだと感じられるタイミングで会話や会議に参加したりはしていました。とはいえそれも個人的にした方がいいという判断の元できる範囲でやっていたもので、育休中も対応に追われるようなことはありませんでした。

石田:
私は育休期間中仕事関係の連絡を全てシャットアウトしていました。業務の引き継ぎをきちんとしていたこともありますが、結果的には私が業務を離れていることで問題が起きるようなことはありませんでしたね。

「多様な働き方が当たり前」子どもを持つことで改めて感じたSun*の組織風土


ー復職後の現在、育児と仕事の両立はどのように工夫されていますか?

南:
朝や夕方以降など育児の時間を確保した上で生活リズムを組み立てていますね。慣れるまでは大変でしたが、ルーティーンにすることで馴染んでいったというのが近い気がします。

仕事への向き合い方も変わりました。時間が限られているからこそ、その中でどうパフォーマンスを出すか考えるようになりました。全て自分でやるのではなく、周りを活かす方に頭が働くようになったというか。発想を逆転させて、最近は自分がタスクを適切に分配することがメンバーの成長機会につながるのではと思ったりもします。

石田:
逆算方式で生活のリズムが決まるのは同じですね。私の場合は夜泣き対応のために朝の4時くらいまで私が起きてバトンタッチするというルーティーンを組んでいたので、必然的に仕事ができる時間は限られます。1日の中で育児という枠は動かせない前提で、仕事やプライベートの時間をどう組み込んでいくかという考え方になりました。

仕事への取り組み方もより時間効率を意識するようになりました。人に頼む機会も増えましたし、全体のパフォーマンスを上げるためにどうすればいいかという観点が身についた気がします。プライベートでいうと、ボードゲームやジム、飲み会などの個人的な趣味に使う時間はほとんどありませんが、代わりに育児に関するスキルが身についていく感覚は楽しく、育児が趣味といってもいいかもしれません。

ー育児と仕事の両立をする上で、Sun*という環境についてどう思いますか?

石田:
Sun*でよかったなと思うのは、多様な働き方が当たり前だという文化があることですね。子どもの体調不良で保育園に預けられないなど、予期せぬ事態に対処しなければならないことが多いからこそ、子どもと一緒にmtgに出ても違和感を持たれないようなSun*の風土はありがたいです。

南:
そこをロジックで証明しなければならないとなるとハードルが高いですよね。会社の文化に関しては、経営陣がどういう思想を持っているのかが大きいんだろうなと思います。いろんな生活スタイルの人がいて、その人の生活にとってそれが必要なら自由にやればいいという考え方を経営陣が持っているのはありがたいです。

育休期間は”育業”へのオンボーディング期間


ー育休をとってよかったと思うことはありますか?

南:
考え方や価値観に大きな変化がもたらされたことだと思います。仕事のフィールドではスキルや経験値に比例してある程度のことならできるという感覚を持っていたのですが、育児に関しては自分がまるで素人であることを痛感しました。

育”休”という言葉を額面通り受け取ると「仕事を休んで家のことをする期間」と解釈できるのですが、実際やってみると育”業”という表現の方が合っているなと感じます。全く違う仕事をいきなり始めるような感覚でしたし、むしろ一日の中で同じ長さの時間を使うのであれば仕事の方が楽かもしれないと思うくらいでした。

仕事に照らし合わせると、育休期間は育児という業務に対するオンボーディング期間という位置づけな気がします。育休を取得していなければ、育児に対してどこかで「できるところだけやる」という感覚を持ったままだったのではないかと思ったりもしますし、そういう意味では育休を取得してよかったです。一方で、子どもが生まれる前にもっと育児に関するリテラシーを上げておけばよかったなとという反省もあります。

石田:
私は凝り性な部分があるので(笑)、出産前から教育論や発達心理学に関する書籍も5冊ほど読むなどかなり情報収集していたのですが、それでも実際やってみないとわからないことはたくさんありました。その度にアプリやYouTubeなどで調べては取り組むというのを繰り返していましたね。

やった方がよかったなと思うことでいえば、もっと長い期間取ればよかったなと思いますね。

南:
ああ、それは私も思います。2ヶ月仕事から離れるという行為は自分の中では”決断”に近いものがあったのですが、振り返るともっと長い期間を費やすべきことだと感じます。

石田:
1年くらい必要なんじゃないでしょうか。育児そのものの重要度もそうですが、仕事に活かせる経験をたくさん得られる期間だと実感しています。

“親”というユーザーの視点から見える世界


ーどういう点で仕事に活かされていると感じますか?

石田:
妻が言っていた「女性も男性も子育てが初めてなのは一緒」という言葉が心に残っています。育児というプロジェクトに対して2人ともがオーナーとして取り組もうという意識を持つきっかけになり、子どもを迎え入れるにあたってWBSのようにスケジュールやタスクを洗い出したりもしましたね。そもそも子どもを持つことに対して価値観や理想像をすり合わせるプロセスも、デザインシンキングを使ったコンセプト設計と重なりがあると思います。

あとは、大げさかもしれませんが世界の見え方が変わったと感じます。例えば駅。ベビーカーを使うようになって初めて、一人で駅を利用しているときには感じることのなかったたくさんの不便さが点在していることに気づきました。親という属性として改めて世界を見るのは、今まで頭の中にあった地図が描き変えられるような感覚でした。

南:
親になったからこそ、今まで目に入らなかった情報やサービス・施設に対してありがたみを感じることも増えましたね。例えばポストに投函されている地域情報誌に有用な情報を見つけたり、買い物も広いトイレや授乳スペースが完備されているショッピングモールを優先的に選ぶようになったり、ファミリー向けアプリやサービスの価値を肌で感じたり。UXに携わる立場としても、自分が自動的に”親”という役割を持つユーザーになったことは仕事で活きる経験だと感じています。

石田:
アプリなど育児業界を対象にしたITプロダクトの発展は目覚ましいですよね。一方で施設内の設備などハード面のアップデートはまだ課題があるとも感じます。おむつ替えができるベビーシートなどは女性側のトイレにしか設置されていない施設などがまだまだ多かったり。

南:
分かります。親になったからこそ、仕事を通じて社会がより良くなるように取り組んでいきたいという気持ちを持つようになりました。

親として、Sun*で目指したい社会の姿


ー例えばどのようなことですか?

石田:
保育園を比較検討する際など、保育園の種類や制度自体も複雑ですし、その上自治体によって入園のための審査基準にばらつきがある。デジタル庁が地方公共団体の基幹業務システムの統一・標準化に取り組んでいたりと、IT技術を活用した動きは活発になっているとは思いますが、まだまだ本質的なDXへの道のりは課題が山積していると痛感します。

南:
Sun*としてその課題に取り組んでいきたいという思いも強くなりましたね。自治体が育児
家庭に向けて提供しているサービスには素晴らしいものが沢山あります。一方でPRや情報の届け方をもう少し工夫すれば、もっと広く行き渡るのにと悔しく感じる側面もある。行政などと提携してSun*がそこを推進する手伝いをできれば…などと妄想しています。

石田:
小さなところから成功事例を積み重ね、ステップを踏んで戦略的に展開していけるといいですよね。

少子高齢化が社会問題になって久しいですが、情報の行き届かなさもひとつの要因なのではないかと感じたりもします。親になってみて初めて触れる有用な情報の多さには驚きます。しかし逆に言えば、なってみないとわからないことが多いとも言えます。未知への恐怖を感じるから親になることを避けてしまうという心理が働いてしまっているのではないかと懸念しました。だからこそ、子どもができたときの自分の動き方や負担感がクリアになれば、子どもを作ることへのハードルを下げることができるのではないかと感じています。

南:
それはあるかもしれないですね。育休を取得するからといってその期間キャリアに穴が空くわけではなく、むしろ価値観がアップデートされて仕事へ還元できることが多いことも実感しました。子どもを持つことに限らず、多様なライフスタイルが尊重されるような社会づくりにSun*として取り組んでいければいいなと思います。

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