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海外在住、リモートワークで採用・人事を担当。そこから見えてきた可能性とは?

採用・人事の仕事は、組織づくりや経営戦略に関わることなので、その担当者は、常に経営者や自社の社員の側にいる必要がある、というのが一般的な認識なのでは? そんな中、ニットで採用・人事を担当する宇治川紗由里さんは、ニットにジョインした2017年から海外在住、リモートワークで業務をおこなっています。

なぜ、海外に住む宇治川さんが採用・人事を担当することになったのか? 採用・人事の仕事は日本にいなくてもできるのか? そんな疑問について、宇治川さんに聞いてみました。

《目次》
・海外在住、リモートワークからのスタート
・時差を味方につけると、業務効率が上がる
・現地のコワーキングスペースでの出会いは、私の財産になる
・「やれるか、やれないか」ではなく「やるか、やらないか」

◼️海外在住、リモートワークからのスタート

-宇治川さんは、ニットにジョインしたときはスーダン、その後スウェーデン、ケニア、そして現在はエルサレムと、海外を転々としていますが、どういった理由で?

海外を転々とする人をパートナーに選んだからですね。私の夫は国際協力の仕事をしていて、海外で支援活動をしています。

これはあくまでも私の結婚観ですが、夫婦で人生を歩むということは、夫婦で一緒に何かを成し遂げることでもあると思うんです。そう考えたとき、夫のキャリアを優先したほうが、世の中に大きく貢献できると思いました。だから夫の赴任先に私もついていき、彼が最大限に活躍できるようにサポートしていこうと決めました。

もともと海外に興味があったんですか?

海外に関心をもつようになったのは、社会人になってからですね。大学卒業後、気象情報を提供する会社に就職して、世界中の天気予報を見ているうちに世界の空を実際に見たくなり、バックパッカーをしていろんな国を旅しました。

その旅を通して、日本で生まれ育った自分は、特に裕福な家庭で育ったわけではないけど、世界の中で見ると、すごく恵まれた環境の中で生きてきたんだと痛感しました。食べるものがなくて困ることもないし、仕事も住む場所も自分で選択できるし。それに、日本のパスポートがあればほとんどの国に行くことができて、日本人だと言うと、たいていの国では感じよく接してもらえます。

ニットの採用・人事を担当することになった経緯は?

私はもともと、ニット(当時は合同会社レインボー)が運営するHELP YOUのスタッフでした。企業の中途採用支援の経験があったことから、2017年8月のニット設立(合同会社レインボーから株式会社ニットに組織変更)に伴い、ニットの採用を担当することになり、雇用形態を変えてニットの社員になりました。

採用担当としてジョインしたものの、最初に直面したのは労務の業務でした。労務の経験はまったくなかったので、「法律とか知らないし、お役所の手続きなんてムリ」と思いましたが、その頃は私のほかにメンバーは二人しかいなくて。その二人はHELP YOUの運営に日々追われていたから、私しかやる人がいなかった(笑)。

会社の設立直後で、海外(当時はスウェーデン)在住でリモートワークという状況に加えて、未経験の労務も担当することになって、かなり大変だったのでは?

役所の手続きなどわからないことだらけだったので、スウェーデンから日本の役所に電話してあれこれ聞いたり、社長の秋沢さんが紹介してくれた労務に詳しい方にメールで労務業務を教えてもらったりして、なんとか乗り切っていましたね。

役所の書類はオフィス(当時はシェアオフィス)に郵便で届くので、それをスマホで写真に撮って送ってもらう→PDFデータを作成して必要項目を入力し、メンバーにデータで送る→メンバーに出力・捺印・役所への郵送をお願いする、という繰り返しで、役所とのやりとりは切り抜けました。

そうこうしているうちに、ほかのメンバーが入社してきて、人事制度や組織づくりも考えていかないとねって話になり、人事も担当することに。そんな感じで、担当領域が広がっていきました。

◼️時差を味方につけると、業務効率が上がる

普段、どんなタイムスケジュールで稼働していますか?

朝7:00(日本の14:00)から仕事を始めて、8:00〜9:00はメンバーとミーティング、午後はWeb面談や日々の業務などをする、といった感じです。

【宇治川さんのタイムスケジュール】※日本との時差は7時間(サマータイム中は6時間)
(時間)エルサレム/日本  
6:00/13:00 起床・朝食 ※社内ミーティングをする日もある
7:00/14:00 業務スタート
8:00/15:00 社内ミーティング
9:00/16:00 社内ミーティング
10:00/17:00 業務
11:00/18:00 昼食
12:00/19:00 Web面談
13:00/20:00 Web面談
14:00/21:00 業務
15:00/22:00 翌日の業務をセットアップ

時差がネックになったりしませんか?

それが意外と、時差のおかげでやりやすい部分も結構あるんです。
まず、採用面談のセッティングをしやすい。応募者の多くは在職中なので、帰宅後19:00〜20:00(エルサレムの12:00〜13:00)に自宅でWeb面談をするほうが都合がいいようで、お互いにとってメリットがあるんですよ。

それから、日本にいるときより集中して考える時間を確保しやすいので、生産性が上がりました。日本にいると、リアルタイムでチャットの対応をしたり、その合間にミーティングがあったりして、何かをじっくり考えることが難しい。でもエルサレムにいると、就寝中に届いたメッセージやチャットのやりとりを、朝にまとめて10分くらいでチェックできるし、12:00以降(日本の19:00以降)は日本から連絡が入ってくることはほとんどないので、集中して仕事ができます。

もちろん、やりにくい部分もありますよ。
朝6:00からミーティングが入る日もあって、そこはちょっとしんどい(笑)。起きてすぐに頭をフル回転させなくてはならないので。それと、私とのミーティングは時差の関係で時間が限られるので、まわりも大変だと思います。

あと、日本の役所に電話する必要があるときは、ミーティングなどが入っている時間帯に電話しなくてはならず、後回しになりがちでした。でも今は、オフィスで庶務をしてくれるメンバーにお願いすることもできるので、とても助かっています。

◼️現地のコワーキングスペースでの出会いは、私の財産になる

海外でリモートワークをするときに、大切にしていることは?

自宅で仕事をすることもできますが、あえて、現地のコワーキングスペースを利用するようにしています。月額利用料は安くはないけど、自己投資として。

コワーキングスペースには、フリーランスやベンチャー企業の人たちが多くいて、「ビジネスで成功するぞ!」という、アツい想いをもった人たちが集まっています。彼らとは「仕事」や「働くこと」をキーワードに会話できるし、利害関係がないから相談もしやすいんです。

コワーキングスペースにいる人たちと、どんなことを話すんですか?

例えば、ミーティングなどで主張しすぎたなとちょっと後悔して、「今日こんなことがあって……」と話すと、「アンタはもっと強く出てもいいと思う」「そんなこと気にする必要ないよ」と言ってくれたりします。欧米の人と話すことが多いんですが、彼らは日本人とは違う感覚や視点で意見を言ってくれるので、いろんな視点から自分の働き方や生き方を見直すことができるし、いい刺激になります。

日本人とは大きく違うと感じることは?

彼らは、日本ではフワッと曖昧にしているところを、明確にするべきだと言いますね。報酬とか、責任をとる部分とか。彼らにとっては、会社とそこに所属する個人は主従関係ではなく、対等な関係にあるという考え方が当たり前。だから、「そこは会社と交渉したほうがいい」と言われますね。「私だったらこうやって交渉してるよ」と教えてくれたり。

それから、彼らの意見を聞いていると、会社の中に自分の人生を組み込むのではなくて、会社を自分の人生の中にどう組み込んでいくかということを、強く意識させられますね。

◼️「やれるか、やれないか」ではなく「やるか、やらないか」

現在のようなワークスタイルを続けてきて、思うことは?

実は2019年の春、このやり方で採用・人事の仕事を続けていくかどうか、深く考えるタイミングがあったんです。

夫の赴任先がエルサレムに決まったとき、社長の秋沢さんから、「これからはもっと採用・人事や組織づくりに力を入れていきたいけど、エルサレムに行っても本当にやれるの?」と問われました。このとき、「ほかの人に引き継いでこのポジションを降りるのか?」または「このまま続けていくのか?」について、秋沢さんと話し合い、現在に至っています。

参照:ニットが考える、会社とメンバーの関係「アライアンス」とは? 海外を拠点に働く人事担当者が伝えたいこと

採用・人事の仕事は経営者の側にいないと務まらない、オフィスにいないとできない、というのが一般的な認識だと思いますが、私は「やれるか、やれないか」ではなくて、「やるか、やらないか」ということかもしれない、と感じています。「やりたいか、やりたくないか」という、シンプルな話ではないかと。

どこに住んでいるかは、あまり重要ではないというのが私の考えです。その会社で価値を発揮するんだという強い意志があって、会社も物理的な問題ばかりに目を向けるのではなく、「その人でなくてはできないこと」「その人だから発揮できる価値」にフォーカスして、互いに協力し合えば、いい結果を出せると思います。

とはいっても、いつも疑心暗鬼ですよ。「私じゃなくて、オフィスにいて働いてくれる人が採用・人事を担当したほうがいいんじゃないか?」「海外在住の私が採用・人事をすることで発揮できる価値は何だろう?」ということを、常に自分に問い続けていますね。

〈ライター後記〉
様々な投資の中で最もリターン率が高いのは、自己投資だと聞いたことがあります。現地のコワーキングスペースをあえて利用するという宇治川さんの自己投資は、どんないいことをもたらすのか。すぐに大きな結果は出ないかもしれませんが、将来性を感じます。

採用・人事という、人に大きく影響を与えるポジションにいる宇治川さんが、海外のコワーキングスペースで出会う人たちとリアルに接して聞いた話や感じたことを、人事制度や組織づくりに反映させていくことは、とても意義のあることではないでしょうか。

HELP YOUライター 小笠原綾子

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