1
/
5

杉山 敦「デモで終わらせない。人が本当に使いたいと思えるモノを作る」

学生時代からプログラミングに没頭してきた杉山 敦。常に意識してきたのは、本当に人が使いたいと思え、生活に根付くものを作ることでした。そんな彼が、仮想空間技術(VR)や空間拡張技術(AR)を総称したxRという新たな技術分野に挑戦するために選んだのがSHOWROOMです。彼が魅せられた成長環境とは──?

幼少期から育んだプログラマーとしての素養

▲幼少期の杉山

遊び疲れて帰宅した夕暮れどき――。

ソファでうたた寝をしている杉山の耳に届く両親の会話は、子供には難しい科学の話でした。

杉山 「両親が工学部の大学院卒でエンジニア気質、研究者気質のふたりは、ビールを片手に熱力学の話をしていたりする。住んでいたのは、学術都市でもあるつくば市で、両親だけじゃなく、町全体にそんな雰囲気がありましたね」

大人は難しい科学の話をするもの――。少し変わった当たり前に囲まれて育った杉山も、東京大学の工学部へと進学し、進路の幅広さに惹かれ、航空宇宙工学を専攻します。

杉山 「学科では、プログラマーというより、ハードウェアの勉強をしていたんです。あるとき、ソフトウェアを触る機会があってからどんどんのめり込んでいって、ゲーム開発ツールの『Unity』でC#(シーシャープ)などのプログラミング言語を独学で学びました」

卒業するころには、プログラマーとして働いていくことを決めていた杉山。当時、普及しはじめたソフトバンクのヒューマノイドロボット「Pepper(ペッパー)」などから産業用ロボットへの関心を高め、大手精密機器メーカーへ入社します。

杉山 「ロボットの中でも、仕事にするんだったら社会的に役立つものに携わりたいと考え、産業用ロボットに強いメーカーを選んだんです。業務としては、産業用ロボットのソフトウェアを作っていました」

そこで2年間勤めた杉山は、より挑戦的な環境を求め、社員わずか10名程のロボットベンチャーへ転職します。

杉山 「規模が大きい会社で働いていると、ユーザーと直接会ってしゃべるという機会がなかなかないんです。少人数のベンチャー企業なら、やりたいことも割とすぐに試せるし、お客さんに会いに行く機会にもあふれていると思ったんです」

xRという技術をテックデモで終わらせたくない

プログラマーとして実経験を積んでいく一方、杉山はプログラミングへの純粋な興味から個人的な探求も続けていました。その中心にあったのが、仮想空間技術や空間拡張技術です。

杉山 「実は学生の頃、『Pepper』の活用を研究するプログラミング教室に通い、『Telexistence(テレイグジスタンス)』を研究していたんです。ロボットを遠隔で操作し、あたかも自分が距離を隔てた場所に存在するかのように、他者あるいは自身に感じさせる技術ですね。 VR(仮想現実)やAR(拡張現実)といった、いわゆるxRの領域に近しい研究ですから、VRヘッドセットが一般市場で発売されたときは、自分もすぐに飛びつきました。最初に被った瞬間、これは普通のデバイスとは全然違う、と。これを知らずに、この先プログラマーはやっていけないと感じましたね」

杉山には、SHOWROOMでXRを研究するメンバーと過去に接点があり、そのつながりからSHOWROOMのビジネス、職場環境への興味を募らせていきました。転職の決め手となったのは、SHOWROOMの「技術を使えるモノにする」力です。

杉山 「プログラマーとして、テックデモ、いわゆる試作品を作っていると、実際に製品化することへの距離感を感じることが多々あるんです。人が普段から使いたいと思ってくれるようになるには大きな壁がある。 ただ、SHOWROOMという会社は、開発者が作ったものを使わずに終わらせるということがめったにないんです。営業の人も能力が高く、僕らプログラマーが良いものを作れば、絶対に使われるモノにしてくれるという期待がありました」

xRという技術をテックデモで終わらせたくない。そんな杉山の想いと、xRでエンタメの可能性を拡げようとするSHOWROOMの想いは重なっていました。

SHOWROOMのオタク文化

SHOWROOMへ入社した杉山は、スマホやVRヘッドセット「Oculus Go」でバーチャルライブを楽しむことができる「SHOWSTAGE」の開発に携わっています。

杉山 「最初に請け負ったのがAR機能の実装でした。入社以前に、個人的に研究してきたのはVRで、一文字しか違いませんが、ARにはまったく異なる知識が必要です。 それにPC環境でヘッドマウントディスプレイを付けるようなリッチな環境で開発をしていましたから、それをスマホ向けにも実装するということで、プレッシャーも大きければ、学ぶことも多かったですね」

デザイナーや他のプログラマーとも協力をしながらプロジェクトを進める中で、杉山はSHOWROOMの環境に感じた魅力を実感していったといいます。

杉山 「SHOWROOMの人は皆、多様な経歴を持っています。そのため、多くの人に相談するごとに、意見が多面的になっていくという面白い傾向があるんですよね。貴重な意見を最大限生かせるように、どんな仕事をするときでも、人の話は、なるべくフィルターをかけずにインプットするようになりました」

そうした経験から杉山が感じ取ったのは、SHOWROOMに根付くある種の「オタク文化」でした。一人ひとりが、「このことなら社内で誰よりも詳しい」という強みを持ち、それが各分野に広がっていることで、SHOWROOM全体の強みとなっているのです。杉山も自身のオタク気質を認めていました。

杉山 「僕もプログラミングオタクなところがあるんです。それは、プログラミングができない人に何かを説明するというレベルではなく、プログラマーの人からの質問に答えられるというレベルで(笑)。 大学の頃から独学で勉強してきましたからね。その根底にあるのは、自分が気になるからやっているという単純なもの。多分、そういうスタンスじゃないと健全に続いていかないと思うんです」

プログラマーとしての自分とユーザーとしての自分が常に戦っている

自身のプログラミングオタクぶりをあらためて自覚し、強みにも感じている杉山ですが、SHOWROOMに入社したことで、ユーザーの視点を今まで以上に大切にするようになったといいます。たとえば、VRとARの違いから、そうした問題に出くわすことがあったと話す杉山。SHOWSTAGEでの具体例を挙げると、VRの場合、視聴者はその場にほぼ立ち止まってバーチャルライブを楽しみます。一方、ARの場合、現実世界にバーチャル映像を投影するイメージなので、視聴者は自由に動きまわって、被写体を色んな角度から見ることができるようになります。

杉山 「ARだと、視聴者の方がどんな角度、距離からでも被写体を快適に見られるようにしなくてはいけません。でも被写体、つまり出演者側へ配慮すると、近づける距離や見える角度にある程度の制限を設けないといけないんです。 制限する方法も、近づきすぎたら画面を真っ黒にして、見えなくしてしまえばいいという考え方があるのですが、ユーザー視点で見るとうれしくないですよね?」

開発中は、プログラマーとしての自分とユーザーとしての自分が常に戦っている。杉山はそうした葛藤を抱くことこそ、重要なプロセスだと考えています。

杉山「プログラマーの人って、どうしても作る側の都合でモノを考えがちになってしまう。開発するのが難しいから、安定性を優先したいから、やらないでおこうと判断しちゃうんですね。そんなときには、1ユーザーとして見つめなおすのがいいんです。 僕自身、SHOWROOMへ入社してからは、プログラマーとしての自分の意見を無視して『いいから、こうしたら良いに決まってるじゃん』と自分に言い聞かせるようになりましたね」

そんなプログラマーとしての在り方に気づけた杉山は、かえってプログラミングオタクとして個性を磨いていくことにも、より一層前向きになれたといいます。

杉山「SHOWROOMに入社してからも、3Dのアバターを操作するためのソフトをプライベートで作っています。SHOWROOMとユーザーの距離は近いけど、ゼロではありません。 プライベートでの開発を通じ、仕事とは別のルートで、ユーザーと接触できる機会を増やすことがプログラマーとしての自身の成長という点でも、SHOWROOMへの貢献という点でも多いに役立ってくると思っています」

「プログラミングオタクとして、そして純粋にxRの普及を願うひとりのユーザーとして、絶妙なバランスをとっていくことが、SHOWROOMのユーザーたちに寄り添う糸口になる」

それが杉山のポリシーです。

SHOWROOMという環境が、杉山の二面性を掛け合わせ、より強い個性を形づくっています。

2020.09.28

SHOWROOM株式会社's job postings

Weekly ranking

Show other rankings
If this story triggered your interest, go ahead and visit them to learn more