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「東京は無視します」メガベンチャー出身COOが話す地域ビジネス成功のヒントとは

(カバー写真左、右は代表の臼井)

取締役COO金田一平のこれまでと今

ー金田さんのご経歴を教えてください。

北九州市出身で、高校まで同地で過ごしました。大学進学を機に関東に移住しました。初めての勤め先は三菱UFJニコスでした。柏支店に配属され、ルートセールスを担当し、その後1年半ほど東京本郷の本社に移りました。

2001年のITが急速に盛り上がる時期に、創業期のITベンチャー企業に転職しました。転職したベンチャー企業は、大企業からスピンアウトした事業を展開するような会社で、社員数は当時5人ほどしかいませんでした。その企業は日本発のERPを開発する会社で、日本企業の海外進出を支援するソフトウェアパッケージの開発を担当しました。私のIT業界との接点はここから始まりました。

その後は会社を離れ2003年、3社目の会社としてヤフーの日本法人に入社しました。当時のヤフーは数百人しかいなく、私の社員番号はまだ3桁でした。初めての配属部署は「社長室ビジネス開発」で、バナー広告以外の収益源を作り出すことがミッションでした。現在では多種多様な収益手段が存在しますが、その頃はバナー広告が主な収益源でした。

その後は「地域サービス事業部」に移り、ビジネス開発部長として地域系サービスの開発やアライアンスにも携わりました。ヤフーでのこれらの活動が私の地域との接点の始まりだと思います。

2015年40歳の時にヤフーを退職し、1年間、複数企業の事業をサポートしていました。2016年に、地元福岡のAIスタートアップの5番目のメンバーとしてビジネス担当役員に就きました。福岡に本社を置くという選択は珍しかったのですが、地域からスタートアップを立ち上げることにより、地域経済にも貢献できると感じ、東京で培ったITサービスのノウハウを地域企業に還元することで、より一層の成長を期待して参画しました。

東京をベースにしながら地域のサービスを提供するという仕事を続け、地域の大手製造業のクライアントを支援していました。これにより、どんどんと地域色が強くなっていったのが私の40代でした。現在はインタラクティブで「地域の可能性を開放する」というビジョンのもとで「地域特化型ダイレクトリクルーティングサービス」を中心にビジネス展開しています。

私の入社するきっかけは、代表の臼井さんからのダイレクトリクルーティングでした。初めは転職する気もなくただ単に面白そうと感じたので話を伺うことにしたのですが、既に沖縄で十数年事業を展開していて、売上や業績は伸び悩んでいたものの臼井さんの「誠実さ」や取り組んでいた「ジョブアンテナ」という事業そのものにも可能性を感じました。その頃は東京にいたので地域とのつながりを感じなくなっていた時期だったのですが、沖縄から上場企業を作るというインパクトに惹かれ入社を決断しました。

▼代表臼井のインタビューはこちら!

CEOインタビュー「地域の可能性を解放する」地方創生の新しいミチシルベ | インタラクティブ株式会社
入社間もない田村(たむけい:広島事業責任者)が、インタラクティブのことをもっと知りたい、という思いでCEO臼井にインタビューしましたので、ぜひお読みください。たむけい:早速ですが、臼井さんがイン...
https://www.wantedly.com/companies/ryukyu-i/post_articles/514341

地域におけるスタートアップ企業の役割

ー東京と比べて地域にはあまりスタートアップ企業が少ないイメージですが、実際はどうなのでしょうか?

地域にもスタートアップの会社はたくさんあります。ただ、私の観察では、地域に存在する多くは、真の意味でのスタートアップとは言えないことが多いです。彼らはベンチャー企業と言えるかもしれませんが、特徴である非連続的な成長を目指しているとは言えません。多くの地域でベンチャーと呼ばれる企業は、むしろ中小企業のように穏やかな成長か、現状維持を目指しているように感じます。上場を目指すとか、世界へ飛び出すというよりは、地域で堅実な会社を築くという考え方が一般的です。

しかしながら、地域に大きなインパクトを与えるには、地域から大きく成長する企業が必要です。そういった企業が新たな雇用を生み出し他の地域から資金を引き寄せるという、外貨を獲得するような役割を果たすからです。

私たちの地域戦略

ー地域ビジネスを成功させるためにはどのような戦略を用いる必要がありますか?

地域でビジネスを成功させるためには、その地域に深く根ざすことが必要です。東京などの大都市圏とは異なり、地域で成功するにはその地域の人々から信頼されることが重要です。

その地域で優れたサービスを提供し、ブランドを構築することが求められます。その上で、地元の人々から良い会社と認識されることが必要です。この点は、東京などの大都市でのビジネスに比べより重要になります。

私たちインタラクティブが目指しているのは「可能性の開放」であり、自分たちが何かを施すのではなく、地域の可能性を引き出すお手伝いをする立場だと捉えています。

人材領域においては、地域には多くの優れた企業が存在します。インタラクティブにはUIターン人材が多く在籍しています。これは沖縄では比較的珍しいパターンですが、都会で得たスキルやノウハウを持った人々が地域に帰ってくることで、地域企業の発展に寄与できるのです。こうした企業が地域で成長することが大切だと思っています。また、デジタルマーケティング事業においても、地域企業こそブランディングが重要だと考え、DXによるマーケティングとブランディングの支援を行っています。

ー地域社会でのビジネスをする上での課題はなんですか?

地域でビジネスを展開するという選択には確かに不安が付きまとうものです。都会でのビジネスと比較し、地域でのビジネスはデジタル分野の成熟度が低いという課題が存在します。しかし、それは裏を返せばそれは大きなチャンスでもあります。

都会でも地域でも、人々の基本的な生活スタイルは大差なく、日々の生活はごく普通です。だからこそ、デジタルの浸透度という観点で考えると、大都市圏よりも地域の方が伸び代があるとも言えます。

視点の違いで大都市と差別化

ー地域ビジネスではどのようなサービスを展開していくべきですか?

地域でビジネスを展開する場合、サービス内容自体は都会と大きく変わることはありませんが、伸び代があるという観点や、その地域特有の課題を解決するという観点でのサービス展開は有効です。地域固有の課題に対応したサービスは、首都圏からだけの視点では考えつかないような新たなビジネスチャンスを生むことができます。

そしてそのビジネスは、同じ課題を抱える他の地域にも展開することが可能です。そのようにして地域でのビジネスを成長させていくことが、都会とは異なる形での成功へと繋がるのです。

ーインタラクティブではどのような視点を持っているのですか?

「ジョブアンテナ」というプラットフォームは、地域特有の視点を強く持っています。求人サービスとして見れば多くの競合が存在しますが、特に地域目線で考えたとき、東京中心のサービスには不十分な点がありました。それがジョブアンテナが沖縄で誕生した背景だと思います。地域に根ざした企業の方が、地域特有の視点を持つことが容易で、首都圏発の企業よりも有利であると言えます。

地域の視点を持つことで、地域の人々や企業にとって有益なサービスを提供することが可能となりました。視点の違い、つまり、首都圏からの視点と地域からの視点という違いが、物事の捉え方を変え、サービスの質を向上させる要素となります。

地方創生という概念も似たような視点を必要としますが、私たちは「地方」という言葉よりも「地域」という言葉を選んでいます。地方創生という概念はしばしば東京中心の視点から議論されますが、地域からの視点で考えると、捉え方は変わります。

本社を地域に置いて地域目線を持った企業の方が、地域展開において強いと考えています。

大都市からしか上場企業が出ていないのは”誤解”

ー今後、私たちインタラクティブのように地域から上場を狙う組織は出てくるのでしょうか?

増えていくと思っています、今はまだ少ないですが、増えていかなければいけないと思っています。

実は、地域から企業が上場するということは、過去には珍しいことではありませんでした。IT企業だけが地域からの上場がまだ見られないという現状がありますが、しかし、地域に本社を構える企業は数多くあり、日本は長い間、地域から産業が生まれてきた国でした。トヨタやマツダのような大企業も地域に本社を置いており、そのほかにも多くの大企業が地域から生まれました。これらは地域から世界に名を馳せるグローバル企業として知られています。

ー今後IT企業は地域に進出してくると考えられますか?

IT企業が東京に集まる理由は、地域に本社を構える必要性がなかったからです。製造業は原材料が近い地域で生まれやすいですが、IT企業にとっては情報と人材の集まる東京が有利であったと考えられます。

今後は新しいコンセプトを持つ大学が増え、教育の重要性が再認識されるでしょう。大学が東京に集中しているため、地域の若者たちは進学のために東京に集まる傾向がありました。しかし、最近ではエッジの効いた大学やオンライン教育が増え、地元で進学できる環境が整いつつあります。例えば、工業大学のような機械や素材の専門学部だけでなく、情報系の学部も設けられるようになってきました。これにより、地域がIT企業に対して若者を供給できる土壌が整いつつあります。

シリコンバレーの発展は同じような流れを辿っています。かつては田舎だった地域に、インテルなどの優良企業が進出し、次々と他の優良企業が続きました。その地域には優秀な大学が誕生し、優秀な学生たちが集まることで次々と強力なIT企業が立ち上がる環境が整い、わずか30年で大きく発展した町となりました。

戦略的に考えて、沖縄で一定の成功を収め、売上を増やす仕組みを確立できれば、それを他の地域に応用するときにかかる時間を短縮できると考えています。これは、成功の再現性があり、地域ごとの成果が累積して全体の成長につながるという考え方です。

例えば、福岡は沖縄の経済規模の3倍程度あるので、沖縄での成功をそのまま福岡に適用すれば、売上は沖縄の数倍になる可能性があります。このような地域ごとの戦略ポジショニングは、独自性があり、効果的だと考えています。

インタラクティブは、日本全国から優秀なUIターン人材を惹きつけながら、地域発という強みを活かした事業・プロダクト開発を推し進め、「東京を無視した」拡大戦略によって「地域の可能性」を証明したいと思っています。この想いに共感して下さる方は、ぜひインタラクティブのドアを気軽に叩いてもらえたら、と思っています。お待ちしています!

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