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LabBaseのカスタマーサクセスを2つのマトリックスで分析してみた(後編)

株式会社POLでカスタマーサクセスマネージャー(CSM)をしています小沢です。
「LabBaseのカスタマーサクセスを2つのマトリックスで分析してみよう」ということで書き出したブログの後半です。

前編はこちら

前回は「世の中の認知」×「顧客毎の業務フローの幅(業務フローの違いとも言う)」というマトリックスで主にOnboardingとそのあとのサクセスしやすさについて書きました。

今回は、もう一つのマトリックスということで、そのサービスが顧客の中で「基幹システム」なのかという縦軸と、「そのシステムを使用する部署が多いか」という横軸をもったマトリックスで考えてみます。


1.Churnしにくいサービスをどのように作るか


ここで考えるのは「受注のしやすさ」「Churnのしやすさ」です。

ご存知の通り、一般的にスイッチングコストが低いサービスの方が導入しやすく解約されやすいです。この点だけ考えると、SaaSの理想は「その企業の全ての従業員が使用するような基幹システム」になるという状態になります。そのため、世の中の多くのサービスがお客様にとって無くてはならないインフラになれるかを目指しており、カスタマーサクセスもそこに苦心しています。

しかしスイッチングコストが高いということは、乗り換えのコストが高いということですので、Onboarding時にシステムの移行や並行稼動時の工数を下げる工夫が必要になります。更に、「Churn Rateが低い=他社からリプレイスしにくい」とも言えるので、その領域のサービスは受注がしにくいというデメリットもあります。


まとめると、以下のような図になります。

カスタマーサクセスの方法というよりサービス設計全体の話になりますが、Churnしやすいシステム(マトリックスの下半分のゾーン)は、最初にサービス利用者が感動するポイント(ファーストWow)までの時間をできるだけ早くすること。そこから、その先にあるサービス価値体験のタイミングまでをスムーズに誘導する事により、顧客に早く確実に価値を感じてもらい、ファンになっていただくことが重要になります。

逆に上半分のゾーンにいる場合は、Onboardingでいかに工数負担なく業務フローに落とし込み、サービスを定着化させることができるかが勝負となります。


2.各社の戦略とLabBaseの状況

では、実際に各社のサービスを分類してみるとどのようになるでしょうか?


やはりSmartHRさんはサービス設計がよくできてますね。
入退社処理、住所変更、年末調整といった業務は従業員目線だと毎月の定型業務でないため、準備期間をしっかり確保すれば大きなハレーションは起きにくいと思われます(物凄くITリテラシーが低い企業様だと別だとは思いますが)。

ここで注目したいのがfreeeとWantedlyです。

freeeは、会計だけでなく請求書や経費精算*、ワークフローの機能*を持ったERPパッケージです。*使用できる機能はプランにより変わります

会計の機能のみ使用する場合は、使用する部署は経理のみ。しかも会計だけのシステムとなるため左下に分類されます。しかし、請求書や経費精算。ワークフローまで使用しはじめると、社内のほぼ全員が使用するシステムとなりますので、右上にポジションが変化します。
そのため、freeeから見ると、導入に成功すればアカウント追加が見込め、Churnの可能性が下がりLTVが伸びるというSaaSの理想モデルでもあります。
(そこまで辿り着くまでには色々苦労があるのですが)

実際に小生がfreeeに在職していた時は、規模の大きい顧客ほどLTVが大きくなると見込めたため、カスタマーサクセスに積極投資することがができていました。

もう一つ注目なのはWantedlyです。

つい先日「Wantedly Perk」のβリリースを発表しました。これは、広い意味で採用に関わる人だけが利用するサービスから、会社の全社員が利用するサービスへ本格的にシフトしようとしているのではないかとお見受けしました。上図のマトリックスで言うと今いる左上から右上にシフトしていこうとする動きですね。
そうなると、今後は組織のエンゲージメント等の領域にも進出していくのかなぁと個人的には勝手に妄想していたりしています(Wantedlyさんやらないですか?普通に欲しいかも)。


では、LabBaseはどうなのかと言うと...お察しの通り左下にポジションしています。

Churn Rateの高さが現在、最大の課題です。更に、前編で書いた通りOnboardingもしにくいサービスなので、カスタマーサクセスの観点だけで言えば大変やりにくいチャレンジしがいのあるサービスです。
とはいえ、ニッチ特化のサービスなので、まずはこの領域で圧倒的に勝ちきることを目指して日々頑張っております。


そんなわけで、POLではLabBaseのカスタマーサクセスを一緒にやってくれる仲間を募集しています。お客様をサクセスに導くのに加えて、上記のような課題を一緒に解決して組織をGrowthしてくれる方、大歓迎です!

まずは話を聞きたい。遊びに来るたいだけでもOKなので応募お待ちしています。

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