河口 海野(かわぐち かいや) / INVOY PdM(プロダクトマネージャー)
三重県出身。新卒で受発注管理システムの開発会社に入社。2011年に転職し、人事向けSaaSの新規立ち上げに参加。フルスタックエンジニアとして開発業務全般やマネジメントを経験。toBとtoCの両方においてカスタマーサクセスチーム、CREチームの立ち上げと運用に従事。2020年よりFiNC Technologiesにてヘルスケアアプリ「FiNC」の顧客信頼性エンジニア(以下、CRE)としてグループリーダー、スクラムマスターに従事し、カスタマーサポート業務の効率化と問い合わせ数の80%削減を実現。2021年にOLTAに入社し現職。
勉強に打ち込み、都会に憧れた学生時代
実家は天台宗のお寺で、祖父が住職をやっていました。一人っ子だったので、大人からの愛情を一身に受けて育ちました。自由でフラットな性格と言われることがありますが、このときの環境が影響していると思います。昔から人に強制されたり同調圧力を受けるのが苦手な子供でした。
小学5年生から塾に通い始めて、中学は地元の中高一貫校に進学しました。仏教系の中高一貫校だったので校則も勉強もかなり厳しかったです。中学では野球をやっていましたが、進学校だったので高校では部活には入らず、大学受験に向けた勉強中心の生活でした。
私の地元は三重の中でも中心部からは遠く、小学校も全校生徒が数十人というような田舎だったので、都会への憧れをずっと持っていました。テレビで紹介されるような街に住んで、テレビで紹介されるようなお店に行きたいと思っていました。
大学進学を機に都会に出たいと思い、筑波大学の工学部に進学しました。良い大学でしたが、全然都会ではなかったのは想定外でした。関東の解像度が低すぎたんですね。
皆、つくばから東京に遊びに行くものだと思っていましたが、そんな人は誰もいなかった。私だけは、休みの日にわざわざバスに乗って渋谷や原宿に出かけたりしていました。
工学部では材料系の研究室に入って、ひたすら基礎研究をしていました。研究以外だと、お酒を飲んだり麻雀をしたり。いわゆるThe大学生活と言われるような時間を謳歌していました。
その反面、勉学の面では大学に入ってかなり苦労しました。大学受験がゴールになってしまい、勉強に打ち込めなかったためです。難しい勉強についていくのにとても苦労して、正直何度か辞めたいと思いました。学生時代の自分にとっては大きな挫折経験でした。
大学卒業後は、院試を受けずにベンチャー企業を中心に就職活動をしました。性格的に大企業よりもベンチャー企業が向いているだろうと感じていました。楽しそうな人も多くて、エンジニアとしてITベンチャーに入社しました。
エンジニアを志すも会社が消滅
就職先は流通系のITシステム受託会社で、大手雑貨チェーンの受発注管理システムなどを作っていました。大学でプログラミングの授業はありましたが、実践レベルではなかったのでエンジニアとしての基礎的な知識を身につけることからのスタートでした。
自分で作ったものが実際に動いて、お客様に使われるという経験はとてもエキサイティングで、エンジニアという職種は自分に向いていると思いました。エンジニアとして、もっと色々できるようになりたいと考えていました。
しかし、入社してしばらくすると会社の経営が悪化して買収され、その後吸収されました。
若手の社員のリストラはありませんでしたが、出向という形で私は親会社に異動になりました。急な異動だったため経験の浅い自分に振られる仕事は無く、育成する余裕もない。ただ出社して置物のように過ごす数ヶ月でした。
その後出向先から戻り、またエンジニアとしてのキャリアが始まると思っていましたが、配属先は全く畑違いの営業でした。就職活動の時にお世話になった先輩も皆、退職していました。かなりショックでした。やる気も充分あり、エンジニアが天職だと思っていたのにそれができない。適当に生きていてはダメなんだと思いました。とにかく何か一つ、自分が得意なことを身に着けないとこれから先何十年も社会人をやっていけないんだと痛感しました。
まずはエンジニアとして、何でもできるようになろう。そのなかで自分が得意だと言えるものを見つけよう。そう思って転職を決意しました。
エンジニアとしての基礎を築く
(イベントのときに同僚と撮影した写真(右側))
人事向けSaaSを運営している会社に自社サービスの立ち上げメンバーとしてジョインしました。
それまで、真剣に物事に打ち込んだ経験があまりないまま来てしまっていたので、とにかく与えられた仕事は全て一生懸命やろうと決めてフルスタックのエンジニアとして必死に努力しました。
結果的に8年半勤めたこの会社で、その後のエンジニア人生で必要なスキルをしっかりと身につけ、成長することができました。0から作ったサービスも順調に成長し、会社の主力事業になりました。今では900社を超える導入実績があります。
カスタマーサクセスとの出会いでエンジニアとしてあるべき姿を再認識
自分のエンジニア人生において大きなターニングポイントとなった出来事がありました。2018年のカスタマーサクセスとの出会いです。それまでサービス開発はトップダウンで行われていましたが、組織が大きくなるにつれ「現場で課題を改善して早くお客さまに価値を届ける」という考え方に舵が切られました。その時に任されたのが、カスタマーサクセスエンジニアのポジションでした。
私はサービス開始前から開発に関わっていたので、現場では仕様について一番詳しかった。また、何でもできるようになろうという精神から、自分の役割を決めずに積極的にボールを拾ってサービスを良くしてきたという経験が買われました。
私自身、カスタマーサクセスという言葉自体初耳でしたが、カスタマーサクセス(CS)に取り組むうちに、自分の人生、これだ!と本気で思いました。お客さまに価値を届けるという点はどの職種でも共通していますが、私はエンジニアリングを理解していて実際にサービスを作ることができる。CSメンバーとプロダクトメンバーを繋ぐ存在になることができれば、他の人には無い価値を提供できるはずだ。と思いました。
チームリーダーとして、CSチームの立ち上げと問い合わせのサポートやチームOKRの設定など、様々な面からチームとサービスを引っ張っていきました。その後、入社から8年以上が経過するなかで組織改編などの変化を経験し、もっと自分のできることを増やしたい、新しいチャレンジをしたいと思って2度目の転職を決めました。
CREとしてお客さまを軸としたプロダクト開発を実現
そのなかで縁があったのが前職のFiNC Technologies(以下、FiNC)というヘルスケアアプリ「FiNC」を運営している会社でした。転職の軸は、カスタマーサクセスでした。
テクノロジー系の企業を中心にカスタマーサクセスの重要度は認知されてきていますが、まだまだ経験者が少ないのが現状です。
カスタマーサクセスをテーマに自分ができることを増やしたいと思っていたなかで、顧客信頼性エンジニアリング(CRE)の募集を始めたばかりのFiNCと出会いました。それまでやっていたBtoBのSaaSのカスタマーサクセスから、全く経験のないBtoCのスマートフォンアプリのカスタマーサクセスができれば、自分のできることの幅がぐっと広がると思いました。また技術スタックも大きく異なり、エンジニアとしても挑戦しがいのある環境で、非常に魅力に感じました。
FiNCでも、CSの活動から得た課題を整理して開発を引っ張っていくグループリーダーの立場を任されました。CSの元に届いた問い合わせや要望などをプロダクトに反映させることでお客様の要望に応えることはもちろんですが、一方で社内に目を向けてみると、CSメンバーが困っているシーンを見かけることもしばしばありました。前職でCSメンバーを助けきることが出来なかったという心残りな部分もあったので、FiNCではCSの力になりたいという思いをこれまで以上に強く持って、問い合わせ対応の負荷を物理的にも精神的にも減らせるような取り組みを進めました。
1年半ほど勤めたFiNCを退職し、OLTAに入社しようと思ったのは、FiNCの経営状況が変化していくなかで、当初目指していた理想のプロダクトづくりの形と現実に乖離を感じたからです。もう一度、お客様に真摯に向き合ったプロダクト提供に関わりたいと思うようになりました。また、もっと上流の部分、経営に近い立場からプロダクトに関わりたいとも思いました。
お客さまと真摯に向き合うことのできるOLTAへ
(プロダクトグループのメンバーとランチに出かけるときの写真(左側))
そんななかで出会ったのがOLTAでした。クラウドファクタリングというサービス自体の目新しさにも惹かれましたが、私が地方出身ということもあり、地方銀行とのアライアンスというOLTAの戦略に感銘を受けたのも入社した理由のひとつです。また、お客様にサービスをご利用いただくために、圧倒的なUXを追求していくという姿勢も私の考え方にも合っていました。
入社後は、クラウド入出金管理サービス「INVOY」のプロダクトマネージャー(PdM)として、コア機能である請求書作成サービスのグロースを担当し、お客様にとってストレスのないエフォートレスな体験とは何かを日々考えています。
実際にOLTAに入ってみて思うのは、会社全体の雰囲気としてお客様に向き合う姿勢が定着しているということです。現場のエンジニアやデザイナーも、どうやったらお客様に使ってもらえる機能になるのかを日々考えながら開発しています。
私自身も、お客様の声を集める手段として、問い合わせや要望フォームからの意見を見るだけではなく、ユーザーインタビューを実施して生の声を集めるようになりました。これまで、お客様とはエンジニアとして間接的に関わるだけだったので、新鮮な発見も多いです。
先日、ユーザーインタビューでお客様とお話したなかで印象的だったのは、「これまでに多くのサービスを利用してきたが、問い合わせしたことがしっかりとサービスに反映されたのは初めて」と驚かれたことです。本気でお客様に向き合うなかで、お客様からご評価いただけたのは嬉しかったです。
CSとエンジニアを繋ぐPdMとしての挑戦
PdMとしてプロダクト作りに携わるのは、はじめての経験です。エンジニア出身のPdMとして、コードが読めたり実装のイメージがつくので施策の難易度がある程度わかるというのは利点だと思います。
一方で、自分が実装できる範囲内で仕様を考えてしまいがちな側面もあるため、具体的なUXや実装方法はデザイナーやエンジニアに「任せる」ということを意識しています。
CSへの問い合わせやユーザーインタビューから得た「解決したい課題」を設定して伝えること、最終的な意思決定に責任を持つことがPdMの役割だと思っています。
(社内の部活動(クラフトビール部)でお気に入りのクラフトビールと記念撮影)
仕事でもプライベートでも「Stay Gold」
私は、昔からオルタナティブな生き方や価値観を大切にしています。
既存の仕組みや、正しいと信じられていることを疑ってみる。敢えて変わったやり方をすることで、本質に近づけることがあると思っています。
「OLTAクラウドファクタリング」も、従来の与信の仕組みに囚われないサービスなのでとても気に入っています。PdMの仕事でも、既存の構造に囚われずに様々な課題をまとめて解決できるような仕様を考えることにワクワクします。
OLTAで一緒に働きたいのは、Stay Goldな人です。OLTAが掲げているバリューのひとつでもありますが、自分の仕事はこれだと決めつけずになんでもやってみる。役割に捉われずにチャレンジし続ける気持ちがある、変化を楽しめる人と働きたいと思っています。
一緒にチャレンジしていける方、お待ちしてます!