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メガベンチャー事業責任者を経て いまOLTA COOを担う私の履歴書

久我 剛人(くが たけと) / COO兼ビジネスグループ長

徳島県出身。ダイレクトマーケティング事業を展開するランドスケイプで、新規事業の法人営業や企画を担当。その後、コンサルティング会社のPwCを経て、ITベンチャーのDeNAにジョイン。EC・メディア・ヘルスケアなど複数領域×様々な事業フェーズの事業責任者を担当。モビリティーのスタートアップであるAzitで執行役員としてビジネスサイドを管掌し、2020年にOLTAへ入社。

学生時代はサッカーが青春であり初の挫折でもあり

幼稚園から高校生まではとにかくサッカーに打ち込んでいました。これまでひとつのことに10年以上も夢中になったことは、サッカー以外にないかもしれません。高校3年生になる頃まではプロのサッカー選手を本気で目指していましたが、クラブチームや強豪校との試合で全国区の選手と対峙したり、自分よりもめちゃくちゃ上手い選手がJリーグでベンチにも入れないような状況を目の当たりにして、サッカーで挑戦を続けることは難しいという現実を突きつけられました。初めての挫折経験でした。

そんなとき、「鋼鉄王」と呼ばれるアメリカの実業家・アンドリュー・カーネギーの生涯を描いたドキュメントを見たことがきっかけでビジネスに興味を持ち、その手の領域が手っ取り早く学べそうということで、大学では経営学部に進みました。

学生とはいえ、生きた経験を得られるのはやっぱり実践

大学ではマーケティングや会計、経営戦略などの講義を受けていましたが、ビジネスに直接触れた経験がないため、いまひとつピンときてませんでした。「論理や理屈だけで成功するなら、世の中もっと多くの企業が成功しているし必勝法もあるだろう」と。そんな話を中小企業を経営する父親にしたところ、「とにかく実践してみろ。生のビジネスに触れろ。まずは営業をしてみるべし。営業は人の心を動かす仕事ですべての仕事の基本となる」と熱く語られたのを今でも覚えています。「まぁ、そこまで言うならやってみるかな」くらいの思いで、自分の腕っぷしがモノを言いそうな商材を探し、法人向け携帯販売の営業スタッフに。学校の授業にはほぼ出席せず、朝から晩まで中小企業に新規営業をしていました。

私は初対面の人とは何を話して良いかもわからないほどの人見知りで、営業にはあまり自信はなかったのですが、やってみるとRPGをプレーしてるかのようでハマりました。相手の状況に応じて選ぶ引き出しを変える、切るカードを選ぶといった感じで。一番の学びは、「人を納得させる理論は大事だが、それだけで人の心は動くわけではない」ということですね。

就活では、具体的なビジョンはないものの、自分自身の市場価値の向上を最優先に考えていました。とにかく圧倒的な成長をしたいってやつですね。そんななかで、製品やサービスの価値をどのようにマーケットに届けるかを追求するマーケティング領域に興味があったことと、規模が小さめで何でもチャレンジさせてくれそうな企業が良いと考えたことから、最終的にはCRMやダイレクトマーケティングの事業を展開する、当時50人程度であったランドスケイプに入社することにしました。


マーケティング会社へ就職、トップの営業成績を上げるもまたも挫折

ランドスケイプに入社後は、新規事業の新規法人開拓を担当しました。社会人になったら営業はやりたくなかったのですが、学生時代の経験を買われて営業に配属されました(笑)。とはいえ、最初から文句を言っても仕方ないので、しっかり成果を出してやりたいことをやらせてもらえるようになろう、という気概で前向きに取り組みました。

とにかくまずは模倣。先輩の良いところを盗んで試して失敗してを繰り返して試行錯誤。2年目にはチームを持つようになり、3年目には会社の年商の半分くらいをチームで稼げるまでになっていました。正直、天狗になっていました(笑)。

圧倒的な成果を出してからは、やりたかった新規事業を創るという経験もしました。法人向けのダイレクトマーケティングのパッケージのようなもので、さらにその事業を仲間とともに拡大させるという経験も積むことができました。自分の市場価値が高まっていくのを感じていましたが、そんななかで鼻っ柱をへし折られる出来事が発生しまた挫折を経験することに。

それは、自分が担当していた大口クライアントとの仕事で、法人向けの新規顧客獲得のプロモーションを担当していた時の話です。クライアントからの依頼で実施していたマーケティング施策ですが、そもそもの戦略がズレているので戦術もハマらないというコトがありました。そこで、クライアントに「戦略の策定から関わらせてほしい」という話をして、その会社の戦略策定を実質的に担当していた外資系のコンサルティング会社と話をする機会を得ることができました。戦略の筋としては負けない自信があったのですが、自分たちが伝えたいことを相手に納得してもらえるレベルで理論を組み立てることができずに惨敗しました。それがめちゃくちゃ悔しくて・・・「自分の知的体力を磨き直さないといけない」と強く思い、コンサル業界に身を投じて修行をしようと、PwCへの転職を決めました。

知的体力の筋トレをすべく、外資系コンサルへ

完全に異業種転職だったので、コンサルの働き方とは?みたいなところからインストールが必要で、最初はとても苦労しました。さらに、上司が30分のミーティング内で出すアウトプットの高さが自分が丸1日かけて出したアウトプットの質を超えている状況には、悔しいのを超えて絶望していました。今でこそ笑い話ですが、当時は「自分の存在価値ってなんだろう」という問いを自身に投げかける辛い日々が続きました。でも上司は本当にクライアントにとって価値のあるアウトプットを出していたので、上司にしつこいくらいに徹底的につきまとって、どういう考え方をしているのか、どうしてそういう考えを思いつくのか、上司の頭の中を徹底解剖するように(笑)。

最初は面倒くさそうにしていた上司ですが、そのうち付き合ってくれるようになりました。「お前めんどくさいけど、なんとかしようという思いだけは一人前だから、折れずに食いしばって付いてこい。半年後には見違えるほど成長できるから」という言葉をもらい、生意気な私は「1年であなたを超えます」というような返事をして、がむしゃらに働きました。

結果、次のプロジェクトに入るときには圧倒的な成長実感と顧客からの信頼を得られ、そのときはめちゃくちゃ嬉しかったですね。

        (当時のチームメンバーとフットサル(写真上段中央))

ミドル期のDeNAでチャレンジ

コンサルへの転職は知的体力の向上が目的だったので、当初の想定通り2年が経過したタイミングで事業会社に行くべく動きました。「興味のある産業×伸びている産業」のひとつであったEC領域で新規事業に携わりたいという想いでDeNAへ入社しました。当時のDeNAは球団はもちろん、ゲーム事業もない時代でした。

DeNAには、希望していた新規事業の責任者として入社しました。0→1(ゼロイチ)での事業展開に従事することができて非常に楽しかったですね。だけど、しばらくして会社の経営方針が変わり、社内で進めていた全ての新規事業が凍結されてしまったんです。当時、日本国内ではスマホのシェアが大きく伸びており、そんななかDeNAの事業のほとんどが依然としてガラケーでの売上が高く、スマホへのシフトが遅れていることが課題になっていました。その影響を受けての経営判断でした。頭では理解できましたが、担当していた事業が凍結されるという話を最初に聞いたときは、さすがに「もうやってられない!!」と、新規事業をやっていたメンバーたちと昼から飲みにいったのを覚えています(笑)。

新規事業の次のミッションは、複数あるEC事業すべてのスマホ戦略を考えるというものでした。社内コンサルみたいな感じですね。いくつかの事業で戦略を立てたあと、EC事業部門の中でも売上や組織規模が最も大きかったショッピング事業も担当することになりましたが、コンサル的な入り方ではなかなか戦略を推進できないと感じました。そこで、自身がEC事業部門に異動して事業の中に入りこんでグロースさせる、という立ち位置でコミットすることを決めました。

「自己成長」よりも「事業成長」へ 事業責任者になって変化した思い

事業に深く入り込むからこその楽しさも感じていましたし、スマホシフトの対応もある程度終え、そのまま事業を伸ばすプレイヤーとして働いていこうと思っていたところ、会社からの打診を受け事業責任者として同部門を牽引することになりました。

事業責任者の打診を受けたとき、実は最初はやりたくなかったんですよね。どちらかというとプレイヤーとして立ち振る舞う方が自分に向いていると思っていたし、好きでした。ただ、「責任者という視点で事業を見ることで、今まで見えなかったことが見えるようになるかもしれない」「やってみて違うと思ったらプレイヤーに戻ればいい。その経験はきっと役に立つ」と自分に言い聞かせて、やってみることにしました。

事業責任者として経験を積んでいくなかで、自分の考え方は大きく変わりましたね。それまでは、とにかく自分が成長して市場価値を上げることが最も成果を出すと信じていましたが、そうではなさそうだなと。ひとりで出来ることには限界があり、みんなの力を集結し、一人ひとりが得意な領域で成果を出していく方が可能性に満ちている。歴史に爪痕を残すサービスを作る方がワクワクする、そう考えるようになりました。その目標のためには、メンバーそれぞれの強みや可能性に光をあてて、強みのあるところで存分に能力を活かせる環境を創るほうが、事業も組織も強くできるし、自身のキャリアを高めることなんかよりもチャレンジングで夢中になれると思いました。

       (DeNAのショッピング事業のフォーラムにて登壇したとき)

マネジメントでレバレッジをかけて事業と組織を強くする面白さ

DeNA社内でEC事業部門でいくつかの事業を担当したあとも、メディアやヘルスケアといった複数の事業領域で事業フェーズが0→1のものから1→10のものまで、様々な事業の責任者を経験しました。マネジメントという立場で事業と組織を強くしていくことが好きだと気付きましたね。

戦略を考えたり数字をモニタリングするのはもちろん大事ですが、私が担当していた事業は安定成長期ではなく、どんどん伸ばしていくフェーズの事業が多かったので、それを実現することが重要でした。どんなによい戦略を考えても、実際に人が動かないと事業は成長しません。成果を出すことが目的で、その目的のために組織をつくっていく。事業責任者として、アイデアを実現するためにチームをどのように動かすかを考え実行するなかで、直面する課題に挑戦することがやりがいになっていきました。

そんななか、事業の成長に加えて、会社を成長させるというミッションもセットでできるともっと面白いのではないか、という思いが強くなり、スタートアップでチャレンジすることを決めました。

メガベンチャーからスタートアップへ 持ち続けていた社会課題への思い

スタートアップのAzitで執行役員を務めたあと、2020年にOLTAにジョインしました。

私がOLTAで働く理由は、SMB(中小企業)を正当に評価する「ものさし」を作ることができれば、実力のあるSMBはヒト・モノ・カネが調達しやすくなってもっと報われる、そんな社会を創ることができると信じているからです。日本にある企業約300万社のほとんどが中小零細企業なので、これを実現できれば社会へのインパクトもかなり大きいため、やりがいもあります。わくわくしませんか?

このような考えを持つようになったきっかけは、DeNA時代に私の子どもが生まれたことです。そのときから、私がいつも大事にしている仕事における価値観というかテーマは、「子どもの未来に資する事業」。今の世の中にある大きな問題は現役世代である私たちが解決し、その先に生まれる新たな問題には子どもたち世代が向き合ってほしい、そう考えています。

もちろん、大きな問題を改善・解決できれば世の中へのインパクトも大きいし、より多くの人や企業の役に立てる、という思いもあります。

DeNAでのヘルスケア事業もAzitでのモビリティー事業も、それぞれ「健康」や「移動」といった社会課題の解決に貢献出来るかもしれない、という想いを持って取り組んできました。

そして、OLTAで事業を通して向き合っている中小企業の課題も同じです。実は私の両親や義父も中小企業を経営しているのですが、経営に重要なヒト・モノ・カネ、その全てが足りてない。そんな現状を見ているうちに、中小企業の経営者が抱える課題の解決にも事業を通して貢献したいと思うようになりました。

「0→1」と「1→10」フェーズの両方を同時に経験できるという旨味

オンラインで完結する“借りない資金調達”手法であるオンラインファクタリングの「OLTAクラウドファクタリング」は、1→10のフェーズです。厳密には、1→10もやるけど、10→100もやるといったフェーズ。連続的な事業の成長を実現しながら、その成長の原動力となる取組みをどのように磨き込むべきか?それに甘んじることなく成長角度をより高めるためにすべきことはなんだろう?という二つの問いに向き合っています。この二つの事業フェーズを同時に経験できる機会はなかなかありません。また、オンラインファクタリング事業の参入障壁は決して低くはないので、競合を意識してというよりは、顧客に100%向き合って仕事ができることもOLTAで働く魅力のひとつです。

また、SaaSであるクラウド入出金管理サービス「INVOY」は、現在0→1のフェーズです。俗に言うPMF(プロダクトマーケットフィット)を成立させるために連続的なチャレンジをしている段階です。OLTAのアセットである顧客や顧客解像度を活用できるアドバンテージはありますが、まだまだこれからという段階です。そのため、新たにジョインする仲間が発した一言で、劇的に状況が変わるということも全然あると思います。

スタートアップという選択

私の経験からお話しすると、メガベンチャーとスタートアップで大きな違いはないと思っています。今はない新しい価値を創出するためにチャレンジしているという点では同じですし、先ほどお話したように、事業だけでなくそれを実現する人が重要であることも同じです。

大企業と比較すると、一人ひとりのアウトカムが事業に与える影響が大きいため、会社として担う裁量は広くなり、その分責任も増します。また、安定したルーチンワークがあるというよりは、自分で課題を見つけて、その課題を自分たちで解決するみたいなことも多いと思います。ただ、そういうところで腕試しをしたいという人が集まる場だと思うので、このストーリーを読んでワクワクするぞ!と思える人は、一度スタートアップやベンチャーの世界に飛び込んでみることをおすすめします。

最後に、私が一緒に働きたいと感じる人には2つの特徴があります。

1つ目は、チームとして成果を最大化させるために何ができるかを考えて実行する人。個としてのパフォーマンスも大切ですが、それが誰かのパフォーマンスと融合することで1+1が2ではなく、3や4になることを目指したい。2つ目は、私とは違う考え方で同じ物事をみて、私とは違う気付きがある人。OLTAが掲げる3つのバリューのひとつに「Orchestration」がありますが、大きな仕事を一人で進めることができません。オーケストラのようにお互いの「個」を尊重しつつことに向かうことで化学反応が起きて面白い事業が生み出せると思っています。

一緒にチャレンジしていける方、お待ちしております!

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