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【トップインタビュー】代表が語るチャリチャリの未来を 3 部作でお届けします!vol.1「チャリチャリが目指す 3 つの姿」

みなさんこんにちは!neuet 採用担当です。
私たちのページをご覧いただきありがとうございます!

チャリチャリを運営している我々 neuet。ついに代表インタビューの公開の日を迎えました!
熱量たっぷりに未来の話をする iemoto の未来図、是非ご一読ください!

▶vol.1「チャリチャリが目指す 3 つの姿」

vol.2 「街づくりの実感と自治体との協働、街への愛について」
https://www.wantedly.com/companies/neuet/post_articles/434443

vol.3 「ビジョン実現に向けたマイルストーンと、理想とする街の姿について」
https://www.wantedly.com/companies/neuet/post_articles/436669?status=success

<登場人物>
聞き手: 採用チーム
話し手: neuet 代表取締役 iemoto さん (いえもとさん)

採用チーム:
今日はよろしくお願いします!iemoto さんと話せるのを楽しみにしていました!
個人的には、この事業の魅力ってすごく大きな未来を作れることなのかなっていうように感じてまして、
でも、未来があんまり言語化されていないように感じています。

なので今回は、チャリチャリとしてどうなった時にハッピーなのかというところを聞けたらと思っています。チャリチャリの未来!

iemoto:
はい、こちらこそよろしくお願いします!3 つの観点で、少し分けてお話しをしたいと思います。

1 つめは、よく言う機能的価値と情緒的価値みたいな観点。
情緒的価値だけじゃなくて、実際には機能的価値みたいな話も当然あるので、そこの部分の話。

2 つめは心の健康、体の健康みたいな話、
3 つ目はそもそも移動手段としての自転車みたいなところの話ができるといいかな。

まず、僕らにとって完成形ってなんですか? と問われるならその答えとしては
「無意識の存在になれるかどうか」だと思うんですね。

「まちの移動の、つぎの習慣をつくる」っていう、少し句読点の打ち方が難しいミッションが僕たちにはあるんですけど、こだわってるミッションで、これが存在意義なんです。

朝、例えば移動する、昼に移動する、夜に移動するという場面の時に、無意識に自転車を選んでいただける、選んでいただく選択肢の中に入れるようになりたい。

どういうことかと言うと、例えば僕自身は今、東京の目黒に住んでるんですけど、
家の目の前に、1 分に 1 本以上バスが来るような、日本で 1 番密度の高いバス路線が走ってるんですね。
ダイヤがほぼ存在してなくて、行けばバスが来るところに居て、何分に駅を出て、そして山手線という定時運行の素晴らしい電車が 2 〜 3 分に 1 本入ってきてくれて、今までだったら地下鉄にさらに乗り換えて出社をするって、この 3 つの移動手段で会社に行ってたんですけど、無意識なんですよ、完全に。

ダイヤ、時刻表のその何分後に来るなんてのも意識しない。そこに行けば確実に移動手段として存在してくれているという確実性がある。無意識ってこういう存在だと思うんです。

ところが、20 世紀はこれで箱型の移動手段を手にしますが、鉄道やバスや場合によっては飛行機とか、効率のいい大量輸送手段でもって人の移動をかなり低コストで効率よくやるかみたいなことで、確かに経済は世界中そういう進展をしたと思うんですけど、
モノの移動に関してもトラックとか船、航空機での効率的な運び方になったコンテナって半世紀ぐらいしかなくて。これで世界のモノの移動が大きく変わったと思うんです。

ところが、幹線 (※ 幹線とは: 道路・鉄道・電信などの、大もとの線。主な道筋となる線) で
全ての人の移動をカバーできるかというと 2 つ課題があって、
1 つはこれ以上地面の下を掘れないわけですよね。

じゃあバスがどうかと言うと、日本中どこへ行ってもバス会社自体の経営が成り立たない状況がある。

そうすると自動車レス化、自動車依存社会をどうにかしていかないといけない状態があったりとかで、縦、横、斜め、いろんな移動をしたいのに実は今まで僕たちは制約を受けてて、必然的に体は駅に向かって行くと。交通結節の駅に向かって、なぜかそちらに行き、駅と駅の間を移動し、最後にしょうがないから目的地まで歩くみたいな、そういう手段しか潜在的に存在してなかったわけです。

街づくりの観点で、そうすると何が起きるかというと、駅までの商店街は確かに栄えるかもしれないけど、他は結局人通りが少ないところだと、利用度の高低差がものすごく広がっちゃいますと。

でもですね、人の行きたいところとか望むものって、
80 年 〜 90 年代ぐらいまでの、いかに効率よく成長するかということを思考してきた社会と、
一方で、必ずしも全てが効率のいい生活とか、必ずしも街の中のキラキラしたものを求めますと言うような生活じゃないものを求めてる人もいるわけです。

僕は 1981 年生まれなんですけど、我々の世代より若い方達は、だいぶそういう感覚があると思います。
そうなると、山手線の 15 秒、地下鉄の 20 秒ダイヤで果たして本当に人は幸せかみたいなことを思うわけです。

日本は世界の人達から日本の鉄道ダイヤが優れてると言われてきて、確かにこれは素晴らしいことなんですけど、実はそれで縛られている、見えない形で縛られている生き方にも見えていて、
それは本当に幸せなのかなっていうのがあって。

自転車に乗ったら好きなようにまわれるし、今日はこっちの道だけど少し遠回りしてみようって思ったところで歩くのと違って、歩くと遠回りだけど自転車だと変わらないじゃないですか。
経済にとっても色々あるんですよ。今までだったらこのお店でこの豆腐しか買えなかったみたいなことを変えられる余地があるのかなと思って。

もちろん、自転車だと雨が降ったら、どうしようってなるんですけどそれでいいんじゃないですかと。

街づくりといろんな方達が関わっていらっしゃるけど、僕がやりたいのは無意識な存在に自転車が常に安心して選択できる状況にできること、ですね。

今、福岡のチャリチャリは 2,500 台ぐらいなんですけど、それではまだ安心はできないわけです。
乗りたいのに乗れない、ないないって探す時もあるんですよね。
まだ安心には至ってないですけど、ただありがたいことにこれだけ使っていただいているわけなので、だったらやってるアプローチは違ってるわけじゃないと思う。それが目指したい 1 つの姿です。



そして 2 つめの目指す姿は、心の健康、体の健康みたいな話です。

色々統計がありますけど、若い世代でも、私よりちょっと若いぐらいの世代の人達でも、
10 〜 15 % ぐらいはなんらかの形で社会的にストレスを感じながら生きてるという話があります。
小中学生も学校に行きたくないよ、っていう子がいたりとかね。
間違いなくストレスフルな社会になってきているんですよ。

そんな時に外にちょっと出たりすると思うんですけど、外に出る手段って、
今の核家族のこの社会の中だと、自分 1 人で行動しようと思っても、
バスに乗るのがちょっと怖いって人もいるし、電車に乗るのも怖いって人もいる。
コロナに関係なく、純粋に閉鎖的な乗り物に乗るのが怖いっていう人もいらっしゃる。

そんな時に自転車の良いところは 1 人で移動できて、自分で風を感じられて、
しかもスッと自分の生活圏から離れることも、移動することも容易である、というところなんです。

これは何で気付いたかというと、僕はたまに土日にグループ会社の自転車屋さんの店番としてお店に立ってるんですけど、店がある場所によって、お客さまの層が違うんですね。
我が家の 1 番近くにあるのが中目黒にあるお店で、4 割ぐらいが女性のお客様なんです。
自転車を初めて購入される方も多くいらっしゃるんですけど、けっこう、
スポーツ用の自転車をお買い求めになられる方が多くいらっしゃるんです。

話をうかがっていると、自分自身で色々なところに行ってみたいという話なんですけど、
自由になりたいとか、羽がほしいというか、翼がほしいっていうような感覚を
持っていらっしゃるんじゃないかなって会話の中で感じることがあるんです。

そういう話をしている時に、あぁ自転車の効能ってこういうことだな、と思うんです。

僕は、選べる、ということそのものが幸せだと思っているんです。

毎日フレンチでフォアグラにキャビアっていっても、確実に飽きるわけですよね。
牛丼があってハンバーガーがあって、でもたまに美味しいフレンチにも行けて、イタリアンにも行けて、天ぷらも食べられてカツ丼も食べられるっていうのが本当の幸せだと思っていて、

その選択肢が狭まっちゃってる社会って、ちょっと窮屈だなと思います。
移動のパターンも、生活圏もそうです。

自転車なので、体の健康はもちろん十分に言えますよね、それは 100 万回ぐらい皆が言ってきてると思うんですけど、僕は自転車って自分自身の心の健康のバランスを作ってくれる新しい存在じゃないかなと思ってるんです。

自転車を無意識に選択できる状態を作ることによって心の豊かさを作っていきたい、というのが
2 つ目の目指す姿です。


3 つ目はですね、自転車の役割がこれだけあるからこそ
自転車産業をなんとかしないといけない、と本気で思っています。

僕は自転車大好きってのは公言してる話で、自転車がとにかく好きなんですよ。
会社の中でも冗談めかして、僕は自転車王になるんだ! っていう表現をすることがありますけど、
日本の自転車産業を全部やり直したいって本気で思ってる。

今はシェアサイクルの他に、グループとして、自転車のメーカーと、リユースのお店というポジションを持ってるんですけど、今後は自転車産業の中で自分達でやれることをもっともっと大きくしたい。

ゼロからだけじゃなくて、M&A も含めてそういうことを考えてます。

なんでかっていうと、解決すべき課題が 2 つあって、
1 つ目は今日本の中で自転車が正確に何台あるかっていう統計は誰もとったことはないんですけど、
多く見積もって 7,000 万台、少なく見積もって 5,000 万台ってのが、国や業界団体が今持ってるデータです。

にも関わらず、毎年 700 万台の自転車が輸入・製造されていて。計算が合わないんですよね。
自転車は本来は長く持つものなんですが、割り返してみると下手したら 10 年も使われてないということがわかるわけです。

街の中のママチャリってせいぜい 2, 3 年ぐらいしか使われることを想定してないパーツが選ばれて、
安ければ 2 万円前後で買えるわけなんですけど、ヨーロッパやアメリカに行くとそもそも
1 万円や 2 万円という自転車は存在してなくて、400 ドル、500 ドルぐらいで、
それでも安めのなパーツだよねっていう感覚です。
長く使える、良い自転車に乗りましょうっていう前提があったんですけど、
日本だけ、作り手も売り手も大量生産大量販売ですというようにズレちゃったんですよね。

そうこうやってるうちに日本の自転車産業はどんどん弱くなってきて、
25,000 店舗の自転車屋さんがあったところが、11,000 店舗にまで自転車のお店は減っていて、
自転車の輸入・製造も 1,100 万台から 700 万台に落ちたんですよね。

ところで自転車の交通分担率を見ると、移動に占める自転車の割合は世界と比べても大きく変わらないどころか大きいんです。

日本の分担率は 13% あって、人口 1 億人超えてる国の中で 10% を超えてるのは日本だけなんですよね。

圧倒的に自転車依存の国、要するに自転車大国なんです。

ところが、それを支えられるインフラはどうかというと、大手でも全国 500 店舗程度しかなくて、
個人店はどんどん後継ぎがいなくなってる。大型商業施設に入ってる自転車屋さんは軒並み赤字。
赤字だけど、商業施設として必要だからお持ちでいらっしゃるという状態で、
GMS (※ General Merchandise Store の略。日用的な食料品、衣料品、雑貨等を幅広く品揃えした大規模小売店・量販店のこと) の中の 1 つのファンクションでしかないんですよ。

もっと言うと、自転車屋さんの給料は上がらないまま、極めて低賃金のところになってしまっていて、若い人達も入ってこないという状況になっていて、産業的にいったら完全に構造が崩れきっている。
この状況に対して、やばい、ひどい、ダメだって言って終わる人もいるかもしれないけど、
僕は逆に大チャンス!って思ってます。

この状況が変えられたら、多くの人が移動に使うし、便利だし、あまねく、多くの人にとって説明書の要らない、かつ免許も要らない乗り物で、日本だと恐らく 9 割以上の人口の人達が自転車に乗れるんですよ。

隣の中国に行くと、例えば、青島 (チンタオ) っていうところは坂とか山とかが多くて、
自転車にそもそも乗れない人がたくさんいる。中国 = 皆が自転車乗れるとかではなくて、
自転車に乗れない、乗らない都市もたくさんあるんですよ。大連も同じですね。自転車が非常に少ない街です。

ところが日本はというと、北から南まで自転車を説明しなくてもいい!

これは、どれだけデバイスとしての進化があろうとも、約 100 年前からほぼこの自転車の姿って
変わってないんですよ。ある程度の完成形としての基礎はあるだろうと。
ただ産業としてボロボロになっちゃってるから、これを立て直したい。

これはビジネスの1つとしてチャンスもあるし、そもそもの人の移動を支える役割として僕がずっとやってきた、表舞台に出るというよりは支える側の仕事が好きだからずっと 20 年やってきてるんですけど、活躍する人を支える、街の人達を支える、社会のそもそもの活気の裏方にいることが幸せっていう今に繋がると思ってます。

もうちょっと踏み込んだ発言をすると、僕はシェアサイクルに関して言うと、
日本の 『ママチャリ』 の姿を激変させたいと思ってるんですよね。

街の中に公共の駐輪場がありますよね。多くは 1 日中そこに止まってるわけですよ。自転車として見ると、使われているのは 1 日 24 時間のわずかな時間。駐輪場を見ると、朝から夜まで 1 台分の場所が占有されている。マクロで見るととても効率がよくない。街なかには放置自転車も多くあります。放置自転車を捨てるのもコストかかる、誰も取りにいかない、さらに一定数の盗難は常にあり続けるみたいな、こういう社会で作っては捨てて、作っては捨ててで本当にいいんですか?と思うんです。

それよりも 1 日に何回転もいろんな人に使ってもらえるような便利なものができれば、
ほぼこれだけでいけるんじゃないですかっていうのが僕の提案で、
その最初の提案の街が福岡市ですっていう考えなんですよね。

採用チーム:
すごい、ワクワクしちゃいました...!
次回は街づくりについて、自治体の方々とのやりとりも含めて聞かせてください!



熱量がすごくて聞き入ってしまいました...!
できることのフィールドが広くて、ワクワクが止まらない採用チームでした。

neuet では目指す未来の実現に向けて、共に道を創る仲間を求めています!
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