企業理念の実践で社員と会社の絆を深める
ネットビジョンシステムズ株式会社は通信インフラ設備に特化し、企業のネットワーク設計、構築、運用、保守を提供するネットワークインテグレータだ。クライアントは、金融機関、通信キャリア、システムインテグレータなど大手企業が名を連ねる。
代表取締役社長の中塚敏明は「ネットワークエンジニアは社会の黒子として欠かせない存在」と言う。
「銀行のオンラインにしても空港の受付にしても、順調に動いているときはそれが当たり前で、何も感じないですよね。でも、ひとたびルーターやサーバといった通信機器にトラブルが起きれば、営業や運航が数時間もストップするような大変な事態に陥る。非常に責任が重く、社会的使命を負った仕事です。一般の人には知られていなくても、社会への貢献は大きいと自負しています」
そして、こうした責務を担うネットワークエンジニアの育成に中塚は注力をしてきた。未経験者を採用し、研修をして一からエンジニアを育てていくのだ。同社にはコンビニ店員、スマホの販売員、エステシャンなど異業種からの転職者が多数入社している。
採用にあたって過去の経験は不問。会社の理念である『和をもって成長となす』に共感できること、人の話を『聴く』姿勢、向上心などを重視している。
さらに「人材不足の業界に貢献する」ことをコンセプトに、現在は『ITスクールサービス』事業として他社向けにも販売をおこなっている。
「業界全体でも、経験者の採用は難しく未経験から育てていかないといけないという流れになってきています。一方で、採用したものの教育プログラムを持っていない。そうした同業他社からも研修をしてほしいという依頼が多く寄せられています」
中塚が育成に注力するきっかけとなったのは、社員との「距離感」だった。会社を立ち上げた頃は、知人など中塚の想いに共感して入社してくれた人材ばかりだったが、4年ほど前、求人媒体を利用して人材を採用し始めた頃から社員と会社の間に距離を感じるようになったと中塚は言う。
当時から利用していた社員の会社に対する満足度をはかる「エンゲージメント」という数値にもその距離感は如実に表れていた。
偏差値のように指数が評価され、当時のスコアは平均値を下回っていた。離職率も高まっており、中塚自身が肌で感じていたことが数値として突き付けられた感覚だったという。
それ以降、「社員との絆を深めていかなければ」という想いから、さまざまな取り組みに着手していった。企業理念『和をもって成長となす』というのは、皆で皆を大切にして、日々1%の成長を積み上げること。エンジニアを決して孤独にしない、仲間とつながれる環境でコツコツと成長してほしい、という中塚の想いが込められた言葉だ。こうした中塚の想いに共感してくれるメンバーを中心に、新たな文化や風土が育っていったのだ。
↓↓続きはこちら↓↓