皆さんこんにちは!ミラティブの人事企画担当です!
突然ですが、AIの波が本当にすごい、、、追いきれないほどすごいですよね。
そんな中、どこの会社も「従業員にAIを使いこなしてもらうにはどうしたら良いか・・・」というのは課題として上がるのではないでしょうか。ミラティブ社でそんな課題の解決策を考えた結果、ちょっとユニークな全社施策を打ってみました。
結果として、施策終了時の社内アンケートでは「AIにやや抵抗感がある」という従業員が0人になりました。このノートでは実際何したの?というのを細かく紹介させていただきます!
どうやったか・・・それは「祭り」
とある日、とあるMTGでClaude Max x20($200/月額)プランの利用決裁が行われようとしていました。一部のヘビーユーザーを対象に試験導入する稟議でした。
新しいものに挑戦するときは、あえて対象を絞り検証を進めるのは定石です。が、このMTGで代表の赤川から「このコストは即払うでもちろんOK、オーダーとしてはもっとダイナミックな全社展開時のコスト試算と展開プランを出してほしい」「Claude Code / Claude Coworkは即全社導入でいい、という前提で始めてないから遅くなっていると思う」(=要約:コストは即承認、ただし全社展開前提で動こう)という話がありました。
そして、そのMTGの場で「1カ月『Claude / AI Agent ミラティブ社大導入祭』にしちゃおう」という決定が行われました。
研修、OJT、Claudeを自由に利用できる(※)というアナウンスだけでは、興味がない人は使わない、遠慮や萎縮・緊張してしまうので、極力とっつきやすく、社員が親しみやすくするという目的で「祭り」というテーマになりました。
※後述しますがセキュリティや情報面を会社で制御したうえで、自由に使えるという状況です。
なお、代表の赤川もお祭り開始時にnoteを公開しています。ぜひご覧ください。
AI浸透率を高める効果を実感した5つの施策
①安心して利用してもらうための、「AI利用時のルールの決定」
まずCTO含む複数人のチームでAI利用時のルールの再設定が行われました。
Claude Teamを利用すればコネクタやプラグイン、Claude in Chromeなど一定制限をかけることができ、社員は安全な環境の中で自由にClaudeを利用できるようになります。
なお、セキュリティだけではなく、バクラクや勤怠などの承認が必要で、本来人がやるべきものに対しては使えないようにする等のガバナンスの観点も盛り込んでいます。
また、Claudeだけにとどまらず、主要なAIツールに対してTierを分け、どのAIツールであればどの情報を入力してよいかなどを再度整理し明記しました。
私は詳細にはタッチしていないのですが、社員が安心して自由に試せるフィールドが用意されたのはありがたい状況でした!
そして、その環境で非エンジニアの私も添付のようなAI祭りのLPを作成し社内に公開することができました。ちなみに、このLPはGoogle Apps Script(GAS)で作成しています。Claudeに「GASで公開したいので、そのように作って」と伝えたら作ってくれました(すご・・・)
AIまつりLP冒頭の開始のご挨拶
お祭りのコンテンツは合計で10個準備しました。その中の目玉企画は次に紹介する「職種別チュートリアルミッションの設定」「改善王」の2つです。
②最低限を理解!「職種別チュートリアルミッションの設定」
Claudeを利用するにあたって、セットアップの方法、どんなことができるのかを薄く理解する、業務ではどのように使うことができるのかを学んでもらう必要があります。そこで考えたのが「チュートリアルミッション」です。
◯セットアップ系
ここでは、Claude利用の基礎の基礎のセットアップやセキュリティに関するクイズを出題しています。このセットアップ系を達成しないと次のミッションには進めない設計にしています。
Claudeへのログイン、Desktop版のダウンロードというセットアップを用意し、セキュリティに関するクイズは2セット出題しています。
ログイン〜セキュリティについて理解できる項目に
自分で言うのはなんですが、それぞれのクイズはたいへん良くできています(照)全問正解しないとクリアになりません。1問間違えると再チャレンジとなり問題の順番が変わって再度挑戦する必要があります。
入力して良い情報や、Claudeが自分のアカウントでアクセスできる情報を参照されるので、他社に共有するときは内容の確認を必ずする必要がある旨などをクイズで学ぶ
◯AIと仲良くなろう系
こちらは、AI(特にClaude)を利用するにあたって、体験しておいてほしい内容を詰め込みました。
例えば『情シスSkillsを作ろう』というミッションでは、AI利用にあたっての社内ポリシーをClaudeに読み込ませてスキルを作ります。そうすると、APIキーなど入力禁止の内容をいれると注意してくれるようになったりします!
ポリシーを読んでもらうだけでSkillsが出来上がりました。APIキーのような文字列を入力すると「これはAPIキーではないですか?APIキーであればすぐに削除してください。」「念のため確認ですが削除しましたよね?」と聞いてくれるように。
他には、Coworkはローカルに影響を与えるというのを体験してもらいたく「Coworkでフォルダを整理させてみる」「Coworkでファイルの中身をみてリネームさせてみる」という内容を追加しています。
なお、リネームできる・整理されると言われても手元にちょうどいいファイル群がないことがほとんどだと思いますので、Googleドライブ内に適当なフォルダ・写真・画像を入れておき、それをDLして使ってもらう等シームレスに体験できるように設計しました。
ミッションに調整する際にAIに関すること以外での躓きや煩わしさを極力排除
◯業務活用型
職種ごとに体験してもらうことを整理しました。これらは、人事企画の私では解像度が低いものもあるので、社内マニュアルをClaudeに読み込ませてミッションを考えてもらい、それを各グループのマネージャーにフィードバックをもらってブラッシュアップしました。
これらのチュートリアルミッションをクリアしてもらうと、社内のルールとして守ってほしいことがわかったり、なんとなく「Coworkってなんなんだろう」というのがわかったりするような設計を心がけました。
③社内での情報共有を促進した「改善王」
頑張ったみんなで打ち上げができるように、また2025年のAIわかりあい賞(※)受賞者3名からの特別賞も設定!(※社内表彰「Mirrativ Award」での賞)
そして次に立ちはだかる壁は、チーム間の情報共有がされず効率が悪くなってしまうという点です。それを解決するために、チームで競う「改善王」というコンテストを開催しました。AI祭りの最終日に3分間、AI祭り期間中のアウトプットを各チームから発表してもらいます。
もちろん優勝に輝くと豪華な賞品があります。
改善王はプレゼン終了後に「わっしょい(票)」をみんなで投票します。その獲得わっしょいが一番多かったチームが優勝です。
票やポイントを「わっしょい」と表記してみました(Claudeに相談してアイデアをもらいました)
加えて、最終日1回の共有では足りないため、週に1回1分間ずつ成果を発表してもらう「フラッシュ改善王」という制度を考えました。ここでも投票が行われ、順位に応じて最終日の改善王の発表時にわっしょいが加算されるというシステムです。
1分でテンポよく進むフラッシュ改善王は新鮮で聞いていてとても楽しかったです!「あ、、もう1分経っちゃう」というハプニングもご愛嬌。
改善王及びフラッシュ改善王では、各チームの発表を元にコメントや感想メモを記載する欄を設けました。フラッシュ改善王ではその日のうちに感想が共有され、各チームで振り返りが行われるようになります。
実際に改善案や施策は100件以上出ており、下記のようなアウトプットがありました。
【Unity】uLoop CLIで非エンジニアもUnityを動かせるように+ビルド時間の短縮
「役割の壁を超える」をテーマに2つの改善を実施。①AIがUnityを直接操作する仕組み「uLoop CLI」を導入。AIがプロジェクトを壊さないようなシステム改善、Skills追加でガードレールを整備し、デザイナー・ディレクター向けハンズオンを23名に実施。デザイナーが欲しいツールを自分で作ってPull Requestを出せるように。②アセットバンドルビルドの最大270分(4時間半)の待ち時間に対し、AIと協力してCI/CD環境を再構築。ビルド時間を75分→30分、同時実行最大10並列、管理の手間ほぼゼロを実現。インフラエンジニアのレビューもいただきつつ、Unityエンジニア主導でインフラ整備を完遂させた。
【イベント運営】ミラティブイベントレポートで翌日PDCAを実現
担当者ごとに異なる振り返り方法・過去資料の検索性の低さを解消するため、振り返り一元管理ページ「ミラティブイベントレポート」を構築。HTMLで同一フォーマットの振り返りを出力するスキルと検索可能化スキル、Slackへの翌日自動投稿で、イベント終了翌日にはPDCAが回る運用を実現。
【法務】「法務確認案件管理システムで期限切れを可視化、毎朝10時自動リマインドを実現」
全社に関わるツールとして「法務案件管理システム」を発表。Slackに投げられたリーガルチェック等の案件を一覧化し、期限切れ案件の確認、スレッドへのワンクリック移動、毎朝10時の自動リマインドが行えるダッシュボードを構築。緊急案件の埋没防止、人手リマインドの不要化、ストレスフリーな環境と意思決定の迅速化に貢献。
【分析】分析ツール「ashura」で全社分析の民主化+年間1,500万円のコスト削減
分析のためのSQLクエリ開発をサポートする「ashura」を提供し分析の民主化を推進。AIでコスト改善ポイントを洗い出す仕組みを構築し、BigQueryのスキャン量を3,956TB→2,756TBへ削減することで年間1,500万円のコスト削減を実現。コストレポート機能でコスト高ユーザーの改善提案、ashura alert/勉強会(毎日開催・参加20名超)、マルチエージェントによる議論型分析の検証、ashuraのMCPサーバー化なども推進。
【採用】社内で利用するダッシュボードを作った
採用管理システム「HRMOS」のエクスポートデータと連携して動く、採用ダッシュボードです。Google Apps Script(GAS)ベースで、権限を付与された社内メンバーがブラウザからアクセス可能。ファネル分析・逆算シミュレーター・日次進捗トラッキング・面接官分析が可能に
- 詳細はHRBP部長のnoteをどうぞ
なお、AIによってとてもとても便利になりましたが、当社はC向けサービスを運営している会社です。ユーザーを第一に考えた熱量のある企画立案や魂の籠もったクリエイティブなど、人間がやるべきこと/AIに任せて良いことの線引きを意識して活用しているチームが多かったのも印象的でした。
④社内で巻き起こった勉強会の嵐
そして、AI祭りを開始してチーム内・全社を問わずに勉強会やセットアップ会が頻繁に行われました。
1度だけでは参加できない社員もいるため、何度も開催していただきました。
特に大活躍していたのが、ClaudeにGoogle Workspaceのつなぎ方をレクチャーしてくださったエンジニアさんと、誰でも簡単に分析ができるようになる「ashura」を共有してくださった分析チームの担当者でした!本当にめちゃくちゃ使いやすくなりました。
全社の働き方を大きく変えてくれた分析ツールの導入勉強会。
そしてSlackの専用チャンネルでも相談・知見の共有が頻繁に行われました(ありがたい・・・)
こういう細かいtipsがありがたいですよね。
プラグインもたくさんあるので、紹介してもらえるとめちゃくちゃありがたい。
使っていて困っていることも聞くと、有識者のメンバーがささっと回答してくれたのでスムーズに進みありがたかった。
こちらも知っているとありがたいtips共有
ありがたすぎるtips。なお、tipsは「AI知見」というスタンプが押されると特定のチャンネルに自動でストックされます。
⑤社員のAI利用リテラシーの底上げをしてくれた社内メンターの存在
そして、今回のAI祭りで活躍してくださったのが10名のメンターの皆さんです。改善王の各チームに1名ずつメンターについてもらいました。「全社で聞くのはちょっと恥ずかしいし、専門的すぎるから・・・」と尻込みしてしまう内容も、メンターがチームのチャンネルにいてくれることで質問ができる環境ができました。
なお、メンターにはお礼金及び担当チームが優勝した場合のボーナスが付与される設計です。
言い切れます。「社員内でのAI浸透率が100%になった」と。
AI祭りを経て、社員が日常的にAIを使う光景が当たり前になりました。たとえば、企画書の壁打ちにAIを使う社員、議事録をリアルタイムで自動生成する社員、日々の定型業務をAIで効率化する社員——部署や職種を問わず、それぞれのやり方でAIが業務に溶け込んでいます。AI祭りをきっかけに浸透率は100%を達成したと言い切れます。
また、アンケートでは積極利用層が44.3%→82.0%に増加し、業務にAIが積極利用されていることがわかります。そして、参加前はAIツールに「抵抗感があった」と回答していた社員が「積極的に使っている」と回答してくれているのはとても印象的です。
そして、行動指針に with AI が追加されました。
社内のOSをアップデートするために行われたAI祭りですが、AI時代の仕事はまさにこれからです。ミラティブ社の行動指針には「with AI ~私たちは、ありとあらゆる活動を、AIとともに行うことをまず志向します~」が追加されました。
AI祭りはまだ序章に過ぎません。当社は引き続き「わかりあう願いをつなごう」をミッションに掲げ、AIを活用することで事業を加速させてわかりあう願いをつないでいきたいと思います。
そんなミラティブは働く仲間を大募集しています!
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