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Withコロナで加速? MaaS事業の今とこれからについて語る 小田急電鉄 EMot×mediba Bratto

2020年10月、medibaが運営する動画プラットフォームアプリ『Bratto』は、小田急電鉄株式会社が運営するMaaS※1アプリ『EMot』と連携して「箱根動画投稿キャンペーン」を開催しました。

そこで、小田急電鉄の古賀・田中両氏に『Bratto』のプロダクトオーナー三根を交え、コロナ禍における交通事業や移動サービスの現状、取り組みについて話してもらいました。

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売り上げ半減……、でもMaasに見出す希望

三根:小田急さんにおける、近年のMaaS事業はいかがでしょうか?

古賀: 当社では、経営戦略部の次世代モビリティチームにてMaaSの取り組みを推進しています。チームには、企画部門・財務部門出身者から運転士出身者まで幅広い背景を持つ人材が在籍しています。また、私自身もそうですが、「MaaSをやりたいから小田急に入社した」という感じで外から人も来るようになりましたし、ようやく“MaaSといえば小田急”と言われるくらいには認識されてきたように思います。そういった意味で、ここ数年の歩みに関しては良い形で進めてこられているのではないかと思っています。

一方、コロナ禍で交通事業者には逆風の一年でした。緊急事態宣言が出た2020年4月の段階で輸送人員はほぼ半減、10月の段階でも2割くらい落ちている状況です。交通機関を使ってくれるのを待っているだけでは、売り上げが落ちてしまうという厳しい現実をたたきつけられました。

田中:移動に関するお客様のニーズも大きく変わる中で、効率のよい移動手段の提案やどんな情報提供が必要かを考え、MaaS事業を進めています。

キーポイントは「非接触」。EMotの新しい取り組み

三根:現在はどんな取り組みをされていますか?

古賀: EMotで混雑予報やリアルタイムの遅延情報を提供するサービスを行っています。恐らくこれは、コロナにならなかったら追加していなかった機能だったと思います。

お客様のニーズに対して必要な情報を提供するための機能をアジャイルに開発できることは、デジタルの長所ですね。

リアルタイム検索表示例(小田急線が2分遅れ、JR横浜線が定刻通りの運行の場合)

田中:MaaSアプリとして、コロナ禍でアピールしていきたいポイントは「非接触」です。キャッシュレスやチケットレスというところがポイントかなと思っています。

一方で、一部のデジタルチケット※2は駅員などのスタッフに目視してもらう運用のため、人手のかかる部分をどう解消していくかが今後の課題と考え、改善に取り組んでいるところです。

※2…周遊フリーパスや飲食のサブスクリプションサービス、ショッピングに応じた特典チケットなど、スマホで購入から利用まで完結するEMotが提供しているデジタルチケット。

古賀:三根さんはどういった経緯でMaaSに参入されたのですか?

三根: MaaSありきでは考えていなかったのですが、今後のビジネスモデルを考えたときに「周遊」というキーワードが出てきました。

特定のスポットを伝えるというよりは、空き時間の過ごし方や、一日を通してお出かけや旅行の体験価値を上げていきたいと思っていて。それとMaaSは相性が良いと思い、そこから「箱根動画投稿キャンペーン※3」などの取り組みを始めました。

BrattoとEMot初のタイアップキャンペーン

※3…EMotとBrattoが連携し、小田急電鉄が箱根で実証中の観光型MaaSの一環として行った動画投稿キャンペーン。箱根の魅力や旅行中の体験を撮影した動画をBrattoに投稿してもらうことによって、EMotを利用中のユーザー行動の可視化や地域の魅力発信への効果を期待。
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これからの移動は目的地の提案まで

古賀:お話をいただいた時、BrattoとMaaSはすごく相性がいいと思いました。MaaSのポイントは2つあって、一つは「移動手段のシームレスな提供」、もう一つは「目的」です。人は何か目的がないと動かないというのは、MaaSに取り組み始めた当初からずっと議論してきた話でした。

田中:『もっといい「いきかた」』がEMotのテーマなのですが、この「いきかた」には2つの意味を持たせていて、一つは「ルート検索を提案する(行き方)」で、もう一つが「ライフスタイルを提案する(生き方)」です。

移動目的になるコンテンツは非常に重要だと思っていたので、移動する先に「何があるのか」という情報を「どう見せていくか」について取り組もうとしていたところでした。

古賀:そこに「動画」という観点はなかったので、Brattoの取り組みは私たちとしても新鮮でしたし、MaaSととても相性がいいなと思ったところでした。

BrattoとEMotの連携でみえたMaaSアプリの利用動向

三根:箱根動画投稿キャンペーンの提案時点で、Brattoはサービスリリース前だったにも関わらず、Brattoと組んでくださったのはどうしてですか?

古賀: MaaSも新しい取り組みですし、そこに抵抗感はありませんでした。むしろ我々としては、コンセプトや目指している姿が合致しているかどうかが重要と思っています。

お話をいただいた時、別の企業と周遊プランニングについて話していたのですが、Brattoはまさにその動画版だと思いました。また、Brattoのコンテンツが増えていくということ自体がMaaS市場全体にとっても、今までにない移動の提案ができる気がしました。

三根:ありがとうございます。少ない情報の中から、先のことまで見極めて判断していただいていたことにとても感謝しています。

田中:私たちがEMotで苦戦していたプロモーション課題の一つが、「どうやって使ったらいいか」を伝えることでした。スマホ一つで旅ができるということが、どれだけスマートで便利なことなのか、そして安全なのか、ということを知ってもらいたかったんです。

今回の連携で、我々が獲得したい若年層の方々の旅行中におけるEMotの使われ方が可視化できたことは、今後のEMotのPRや機能拡充の面においても充実の結果となりました。

三根:そこについては、Bratto本来が持つ「動画」という特長を、少なからずEMotの使われ方をわかりやすく可視化するという価値へつなげられたかなと思っています。私自身もEMotを使って箱根に出向いたのですが、経路検索やスポット検索など、実際に使ってみて便利さを実感しました。

古賀:まさに、今おっしゃっていただいたようにMaaSアプリだからこその良さを、我々もブラッシュアップしていかなければならないと思っています。まだまだ紙券で周遊していただいている人達との体験価値の差など、ユーザーが気づいていない便利さがあるはずです。

未来の姿を疑似体験し、意識が変わった

古賀:コロナ禍前後でMaaSの方向性が大きく変わったということはないと思っています。ですが、いつか来る未来をリアルに想像できるようになったとは思います。

どういうことかと申しますと、まず、長い目線で見ていくと日本は人口が減っていきます。でも、「このさき人口が減るから、いま変わらなきゃ」という意識って、なかなか持ちにくいと思うんですよね。

しかし、コロナ禍で「移動が減るとどうなるか」がわかってしまいました。すると社内でも「交通事業全体にMaaSの導入を早めなければならない」という意識へ変わり、事業も大きく前進することができました。

田中:私がこのチームに参加した最初の1年くらいは、協力をお願いしてもなかなか話を聞いてもらえないこともあったのですが、現在はむしろお問い合わせが増えている状況です。

変わらないものと変えていくものを

三根:これからの目標ってありますか?

古賀:今までと変わりなく、基本的には交通のDXを進めていくということです。あとは、行きたくなる場所をどう創出していくかということ。これはMaaS単独ではなく、Brattoとの連携のように、他の取り組みとの融合を目指していきたいと思っています。

三根:僕らの武器である動画は、コロナ禍であっても旅行の想像ができる一つの手段になると思っています。

コロナで観光業は縮小傾向にありますが、そんな中でも旅行に思いをはせている人へ向けて、これからもわくわくを提供していけたらと思っています。

また、小田急さんのように同じ目線を持った方々と連携していくことで、これからもユーザーの体験価値に貢献していきたいと思います。

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