こんにちは、株式会社HJ人事部長の大川です。
今回は、2026年に新設されたAX推進室から、中谷さん・岩岡さん・緑川さんの3名にインタビューを行いました。
「AIで仕事がなくなる」「AIは難しそう」——そんなイメージを持っている方にこそ読んでほしい内容です。エンタメ業界でAIをどう活用するのか、HJがどんな未来を描いているのか。3人のリアルな言葉でお届けします。
お三方の経歴と入社のきっかけ
(大川) 本日はよろしくお願いします。まずは経歴と入社の経緯を教えてください。
(中谷) 専門商社で6年間、服飾雑貨の販売からキャリアをスタートし、その後IT企業への転職を経て、スタートアップ企業でアーティストのマネジメントに携わっていました。現在はHJでAIを利用した業務効率化のミッションを担っています。それがきっかけでAX推進室の立ち上げに繋がっていきました。
(緑川) 私は新卒で人材会社に入り、その後広告代理店に転職してHJに入社しました。前職では広告運用をメインにやっていたんですが、マーケティングの大枠を考えた後の運用というポジションに少し物足りなさを感じていて。もっと世の中にインパクトのある取り組みがしたいと思っていたところ、元々エンタメにも興味があったのでタイミングが重なって入社しました。
(岩岡) 私はCGクリエイターやディレクション、広告代理店での広告運用などを経験してきました。HJとは外部として動画制作で関わっていたのがきっかけで、そのタイミングでAXの話が出て。自分もAXを勉強していた部分がありましたので、ぜひ活かしたいと思い入社しました。
そもそも「AX」って何?
(大川) AXという言葉、まだ聞き慣れない方も多いと思います。改めて教えてもらえますか?
(中谷) DXはご存知の方も多いと思うんですが、AXはそのDXの延長にある概念です。DXが「アナログのデータをデジタル化しよう」という話だとすると、AXはそのデータをさらに活用していこう、という段階です。単に便利なツールを使うというところに留まらず、業務の効率化はもちろん、戦略の部分にまでAIを一人の社員として活用していこう——というのがAXと呼ばれるものですね。
(緑川) 一言で言うと「AIによる業務効率化」ですね。この会社におけるAXって、みんなの業務をいかに効率化するか、というところが核心かなと思っています。
(岩岡) 僕の言い方だと「ツールに頼らず、社内独自のAIで業務を効率化すること」です。いわゆる市販のSaaSに頼らず、社内でデータベースを持って自分たちで管理・活用していくというイメージです。
AX推進室はどうやって生まれた?
(大川) AX推進室の設立経緯を教えてください。
(中谷) 2025年の締め会の後、社長にお礼のご挨拶をした時に「来年は会社をゴリゴリAXしていきたい」というお話をいただいて。ちょうど私が社内で業務効率化の相談を受けていたことを社長が聞いてくださっていて、「AX、中谷やってくれないか」と声をかけていただいたんです。それで年明けからAX推進室を立ち上げました。
1月に緑川さんが入社して2人で本格的に動き始めて、4月に岩岡くんが加わって今の3人体制になっています。
(緑川) 私はPR事業部の業務効率化担当として、中谷さんと岩岡さんが構築した仕組みを現場の業務に落とし込んでいく役割を担っています。
HJのAXが目指す最終ゴール
(大川) AX推進室として、どこを目指しているんですか?
(岩岡) 最終ゴールは「AIが業務を人に振る」状態を作ることです。AI OSと呼んでいるんですが、そこに向かって今動いています。
(緑川) 個人的には、定時に帰れるようにすること(笑)。業務が効率化されることでプライベートの時間が増えて、ライフワークバランスが整う。それが理想です。
(岩岡) 業務量をこなせるようになれば新しいことをどんどん始められる。今は日本国内だけのビジネスでも、世界に向けていけるチャンスが生まれてくると思っています。更なるゼロイチが生み出せる。
(中谷) 私はHJが渋谷のカルチャーを背負っている会社だと思っていて。eggやKOGYARUが体現してきたギャルのカルチャーって、すごく属人的なものなんですよね。守り続けてきたカルチャーをコンテキスト化して次世代に引き継いでいくために、AXがある。業務フローを抜本的に改善して、各事業のナレッジを全部吸い上げて、HJという会社が未来にも生き残っていくための基盤を作ること——それが私がAXに取り組む理由です。渋谷という街をHJがどう支えていくかにも繋がっていると思っています。
エンタメ業界こそ、AIが必要な理由
(大川) エンタメ業界とAIの親和性はどう見ていますか?
(中谷) エンタメって、どうしても業務が属人的になりがちなんですよ。担当マネージャーが辞めたらタレントも一緒に離れてしまう、みたいなことが起きやすい。でも、コミュニケーション履歴や持っているノウハウを会社のナレッジとして蓄積していければ、一人が辞めても会社として向き合い続けられる。タレントが「この会社だから一緒にやりたい」と思ってくれる環境を作れる。それができるのはAIしかないと思っていて、エンタメとAIの親和性はすごく高いし、必然だと感じています。
(大川) 3年後のエンタメ業界の働き方はどうなっていると思いますか?
(中谷) 先ほどと同じくタレントのマネジメントを例に出せば、マネージャーに必ずAIのパートナーがついていて、タレント・会社が描くビジョンを元に戦略立案・日次タスクへの落とし込みをAIが担う。タレントとの人としての向き合いに人間が集中できるようになっていると思います。3年後にはそれが当たり前になっているんじゃないかと。
「AIに仕事を奪われる」は本当か?
(大川) AIによって仕事がなくなるという話をよく聞きますが、どう思いますか?
(中谷) 私は、30代以上の社会人経験を積んだ人ほどAIの恩恵を受けると思っています。AI活用って、背景にどれだけナレッジが蓄積されているかが大事なので。逆に言うと、若い世代はAIへの抵抗は少ないかもしれないけど、まだ社会人としてのナレッジが蓄積されていない。だからこそ今の若い人たちは、AIの使い方を意識的に学んでいく必要があると思っています。
(岩岡) 産業革命の時に「工場で働く人の仕事がなくなる」と言われたけど、今は普通に仕事がある。それと一緒だと思います。最終的に判断するのは人間なので、仕事がなくなるのではなく、こなせるタスクの量が競争軸になっていく。クリエイター職も、ツールは簡単になるけど、アイデアや人間としての発想を活かせるかどうかで差がつく。社会に残るか残らないかはそこで決まると思います。
AIを「使いこなせる人」と「使いこなせない人」の差
(大川) AIを使いこなしている人の共通点はありますか?
(中谷) 好奇心がある人、深く思考する事が好きな人です。
(岩岡) 行動力と好奇心に加えて、自分で物事を考えられる人。これはだめ、あれはだめと自分で判断しながら動ける人ですね。
(緑川) 1週間前に出したアウトプットと今日のアウトプットが改善されているかどうか、それが分岐点だと思います。先週と今週で誰が見ても変わったと言われる人は使いこなしている。変わっていない人は使いこなせていない。使いこなそうとしている人は、質問するし、トライするし、触ってみる。それが行動力や好奇心として自然と現れてきます。
SEOからAIOへ——検索の世界はどう変わる?
(大川) AIOについても教えてください。
(緑川) Googleの検索エンジンがAIに変わっていくという流れですね。今まで文字で打ち込んでいた検索が、AIに直接聞く形になる。広告収益の構造も大きく変わるし、Googleにとっては相当大きな決断だと思います。でも1ユーザーとしては、欲しい答えがすぐ返ってくる方が生活が豊かになると思うので、良い変化だと思っています。
(中谷) AXを推進していくことで、AIOにも対応できる土台が自然に整っていきます。それが必要な人材の獲得にも繋がっていくと思っています。
社内研修への取り組み
(大川) 社内のAI研修はどんな内容ですか?
(中谷) 新卒研修では、AIをがっつり触わるというよりも、自分の目標に向かってAIをこう使ってみたらどうですか?という提案型の内容にしました。自分が抱えているタスクを目標に対してどう組み立てていくか、そのプロセスにAIをどう活かすか。3回にわたってお伝えして、個々のポテンシャルを見た上で社長にフィードバックもさせていただきました。
全社向けには、精度の高いプロンプトの入力スキルを高めるeラーニングプログラムを構築・導入しました。AIの活用レベルを段階的に設定して、3ヶ月ごとに全社でスキルアップしていける仕組みを作っています。Claudeのアカウントも5月初旬に全社員に配布できたので、これからみんなで地道に学んでいきましょう、という段階です。
AI苦手でも大丈夫?
(大川) AIが苦手な人へのメッセージをお願いします。
(緑川) AX推進室が作った土台があれば、最初は苦手でも「あ、これ簡単じゃん」となると思います。整った基盤を楽しみながら学習できる人なら、大丈夫です。
(岩岡) 今が苦手でも、得意になろうと頑張れる人なら問題ないです。ちょっと使ってみようかなという気持ちがあれば十分。
(中谷) 社員全員向けのeラーニングプログラムを通じて地道に学んでいただければ、スキルは必ず上がります。「AI苦手」で片付けないこと、それだけ守っていただければ(笑)。
どんな人と働きたいか
(大川) 最後に、一緒に働きたい人物像を教えてください。
(中谷) テクニカルな会話ができる最低限のスキルを持ちながら、人とコミュニケーションを取るのが好きな人。根性のある人(笑)。
(岩岡) 自分から意見を出してくれる人です。指示されたことをやるのは当たり前で、知識が足りなければ自分の時間を削って勉強するくらいの意欲がある人。AIはアップデートが早いので、追い続けられる人じゃないと難しい。あとはコミュニケーション能力がある人ですね。
(緑川) どんどん変わっていくスピード感や効率化のギャップを、面白いと感じられる人。変化を楽しめる人と一緒に働きたいです。
(大川) 本日はありがとうございました!