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レノボグループの中国VC・Legend Capital社が来社!日本のスタートアップと先端技術の連携強化を期待

フォースタートアップス(以下、フォースタ)のオープンイノベーショングループでは、スタートアップの成長を加速させるため、国内外200社以上の事業会社/CVCとの資本業務提携や、VCからの資金調達をサポートしています。今回は中国レノボグループのベンチャーキャピタルであるLegend Capital(君联资本)の楊佳琳氏に日本のスタートアップについてや取り組んでみたいことなどを伺いました。

来訪者:楊佳琳(ジャーリン・ヤン)氏 北京大学のビジネススクール光華管理学院出身。2019年にレジェンドキャピタル社に参画以降はクロスボーダー投資、特に日本、韓国、東南アジアへの投資に注力。日本ではAnycolor社(5032.TSE)、インドでは子どもを対象としたライブ型授業を展開するEラーニングのスタートアップVedantu社、韓国では医療 AI を手掛けるLunit社(328130.KOSDAQ)やエドテックスタートアップMathpresso社、パワーアンプモジュールのファブレスメーカーWiPAM社(332570.KOSDAQ)、医療サービスに関わるモバイルアプリを提供するHealing Paper社、映像編集者マッチングプラットフォームを手掛けるEditmate社などの投資に参画した。
担当者:秦野佳佑 大学卒業後、新卒で三井物産に入社。財務部で資金調達や全社利息収支改善に携わった後に南米ペルーに赴任、ペルー産温州みかんの日本初輸入等の新規事業を複数手がける。帰国後は肥料原料の海外マーケティング・販売を担当。2022年7月にフォースタートアップスに参画し、オープンイノベーショングループにて、海外投資家と国内スタートアップの関係構築・強化を担当。

まず、昨年のフォースタートアップス株式会社とCIC Tokyoが共催で行った成長産業カンファレンスに審査員として参加していかがでしたでしょうか。

お招き頂いたことは光栄でした。日本の最先端のスタートアップ企業や優秀な投資家の方々にお会いし、成長し続けるダイナミックなベンチャーキャピタルエコシステムを体感でき嬉しく思います。30社以上のスタートアップを知り、日本のスタートアップが今何に力を入れていて、何をしたいのかを垣間見ることができました。また中国と比べて何が違うのか、これらのスタートアップに対して中国籍の投資家として何ができるのか、ひいては日本という国で何ができるのかなどを考えさせられました。フォースタさんにお引き合わせいただき、何社かとオフラインで商談をする機会にも恵まれました。

また、カンファレンスには日本の優秀な投資家が一堂に会し、ネットワーキング・セッションを通じて、日本の投資家の価値基準について多くを学ぶことができました。今後も スタートアップ企業のみならず、より多くの日本の投資家から学ぶ機会があればと思います。

今、Legend Capital社にとって最も重要な分野とは?

これまで日本ではAnycolor社とC-Channel社の2社に投資し、いわばTMT(テクノロジー、メディア・エンターテインメント)領域にフォーカスしてきました。

Legend Capital社の母体がレノボグループということもあり、産業領域、特に中国では技術関連への投資が得意です。そこで今後日本でも、得意分野である先端技術(Deep tech)に焦点を当て、特にもヘルステック、バイオテックの分野とより密接に連携できるようにしていきたいです。

ー今回の訪問ではどのようなスタートアップに会いましたか?

コロナ禍以降、日本におけるデジタル化の勢いや政府の積極的な姿勢、そして既存の「時代遅れ」の状態を変えようとする若い人たちのビジョンを見てきました。ヘルスケア分野はデジタル化の恩恵を最も受けている領域の一つであり、また日本が長い間知見を蓄積し強みを持つ領域でもあると認識していることから、それらに注力している会社に数十社お会いしました。

ー訪問企業との対話から見えてきたことや、中国や韓国のスタートアップとの違いはありますか?

日本のオンライン診療領域は、医療保険制度や医療資源の密度、医師会の影響力などから、中国とはスタートアップ参入の切り口や方向性などが大きく異なり、非常に興味深いです。

まずLegend Capital社が自国・中国の次に出資している韓国と比較すると、韓国は創業時からグローバル展開を目指すことが多く、製品のポジショニングや経営陣の海外市場とのコミュニケーション能力などにおいて国際基準であることが多いです。また中国のスタートアップは、事業展開のスピードやスケールといった点で、よりアグレッシブであることが多いです。これは文化的背景が関係していると思います。一方で日本のスタートアップは、製品やサービスを丁寧に磨くことで顧客との信頼関係をしっかり培うという傾向があるように思います。何が良い悪いではなく、お互いに良いところを吸収し学び合うべきです。

ー投資対象の探索以外に、実行してみたい新しいプロジェクトはありますか?

投資活動とは別に、現地の投資家の友人との交流や協力を通じ、新しいスタートアップへの投資だけでなく、投資先企業間で技術協力や市場進出のサポートなど、より高い付加価値を提供し合う連携を強化したいです。

ー総括として、日本のスタートアップ産業の現状をどう見ていますか?

日本のスタートアップ市場はこれからより発展していくと思いますが、多くのビジョナリーとも呼べるような人たちがスタートアップに参画し、政府、VC、大企業、そして優秀なエンジェル投資家たちなどが積極的にスタートアップエコシステムをサポートしているところを目の当たりにしました。まさに成長産業であると感じています。 もちろんグローバル投資家として、国際的な政治・経済情勢にも常に目を配る必要がありますが、学び、理解し、その上で日本のスタートアップエコシステムにこれからも関わり、貢献していきたいと思います。

ーありがとうございました!

オープンイノベーショングループでは現在、ベンチャーキャピタル、プライベートエクイティファンドやクロスオーバーファンドなど海外投資家30社以上と連携しております。ITICは日本で更なる出資対象となるスタートアップを探していらっしゃいます。台湾産業界との協業に興味がある、台湾進出を検討しているスタートアップはぜひフォースタまでご連絡ください!

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