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ロングテール戦略と、選択と集中


こんにちは。やまもとです。

5月中旬に、ECでの展開商品を大幅に削減しました。

まだ実行余地は多くありますが、それでも現時点で
全体の1/3の商品を削減し、SKUにして約5000点を
第一弾として販売停止しました。

会社始まって以来、商品数については拡張路線を
歩んできましたから、社歴13年にして大きく舵を
切ったことになります。

ECといえば、売り場面積に際限がないことによる
ロングテール戦略が基本ですが、あえてその逆を行く
戦略です。

この商品縮小戦略について、今月は解説していこうと
思います。

ロングテール戦略とAmazon

まずはロングテール戦略の定義をあらためて確認
しましょう。

従来、オフラインを中心とした実店舗を構えた形態の
販売店では、商品棚の容量や物流上の制限などで、
売上の良い売れ筋商品を主体に販売せざるを得ず、
死に筋の商品は、店頭に並べられませんでした。

しかし、ロングテール戦略を実践する代表企業で
あるAmazonは、無店舗による人件費と店舗コストの
削減に加え、IT利用による在庫の一元化や物流コスト
の極小化を進めた結果、年に1個またはそれ以下しか
売れないような商品まで売り場に並べることで、
実店舗では実現不可能な大きな販売機会の取り込み
を可能にしました。

Amazonにいけば、レアな商品でもほぼありますよね。

まさにオンラインという売り場面積に限りのない
販売メリットを活かした戦略が、ロングテール戦略
です。

リセノの今までの戦略も、このロングテール戦略でした。

家具は大型商品ですので、実店舗を構えるには、
大きな売り場面積が必要です。

その点、売り場面積の制限がないオンラインの強みを
活かして、リセノでも多くの家具を取り扱い、実店舗
にはない新揃えの豊富さを、強みのひとつとして
成長してきました。

街の家具屋さんやインテリアショップと比べて、
多数の商品をお客様に提案できるので、家具という
大型商品の特性上、オンラインは、とても大きな
アドバンテージがありました。

リセノは2008年からオンラインストアを運営して
いますが、割と最近までロングテール戦略により、
大きな成長を遂げることができました。

しかし、2020年の現在ではどうでしょう。

オンライン書店としてスタートしたAmazonは、
日本でも強大なシェアと知名度を誇るまでに
成長しました。

本だけでなく、日用品や雑貨の品揃えも強化し、
さらには家具・インテリアにおいても、マーケット
プレイス事業により、楽天やYahoo!など主要モール
に迫る勢いの商品数を取り揃えるまでになりました。

そして、この勢いは今後さらに伸びるでしょう。

家具・インテリアにおいても、多品種の商品を取り
揃え、店舗を競合させる事でどこよりも安い価格で
提供し、配送はどこよりも早く、決済手段も豊富で、
個人情報もすでに登録されています。

つまり、Amazonはユーザーにとっても非常に利便性
の高い、インフラとも呼べる店舗になったのです。

従来のロングテール戦略で勝負をしても、今後、
僕たちのような中小企業は、太刀打ちできるはずも
ないのです。

「選択と集中」は、中小企業が生き残るための必須戦略

インフラと化したAmazonがある中で、ロングテール
戦略は、もはや成り立ちません。

弱者である僕たちがとる戦略は、ランチェスター戦略
でも証明されている通り、大手との差別化=ニッチ
戦略の道のみです。

つまりは、Amazonが提供できない価値を提供する
しかありません。

それは「専門店化」です。

僕たちは、家具の専門店として、家具を提供する
だけでなく、家具やインテリアの選び方や楽しみ方、
コーディネート方法などなど、多くの情報をお客様
に提供しています。

利便性や価格だけでない、プロとしてのコンテンツ
こそがAmazonには決して出せない、僕たちの本来の
強みです。

そのためには、専門店としてお客様にお勧めする
商品をより厳選し、また、その商品に付加価値を
つけて提供するというAmazonとは異なる魅力を提供
することに注力しなくてはなりません。

これが、今回の商品縮小に踏み切った理由です。

つまりは、ロングテール戦略に代わって行うのは、
「選択と集中」という戦略です。

僕たちが提供するのは、商品+付加価値

バイヤーは厳選した商品のみを選び、選んだ商品は
お客様へ付加価値を付けて届けなくてはなりません。

ECの制作部は、厳選された商品の魅力を、写真や
文章という手段を持って、わかりやすくお客様に
伝えなくてはなりません。

カスタマーサポートは、商品が厳選されたことで、
商品ひとつひとつに対する理解と習熟度を上げる事が
でき、よりお客様に最適なサポートを行うことが
できます。

また、商品を厳選することで、管理コストは下がり、
マーケティングや在庫も集中させることができ、
ブランド想起もコントロールしやすくなります。

これまでのECの強みはロングテールでしたが、
これからのECでの強みは「品揃えではなく、独自の
付加価値の提供」といったところでしょうか。

実際に、リセノの魅力は製品ではなく、スタッフが
形成する視点や見立て、編集、表現力だと考えて、
運営しています。

今後、さらにこの戦略をブラッシュアップして、
独自の道を歩み続けようと思っています。

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というわけで、今月は、商品を大幅に減らした理由を
ざっくりとではありますが、解説しました。

社内では年始の全体共有ミーティングにて、より
詳しい数値的根拠や競合状況などを解説し、
スタッフ全員に伝えています。

大きな変革の一歩ではありますが、お客様にとっても
スタッフにとっても魅力的なブランドになれる様に
僕自身がより一層勉強し、PDCAを高速で回して
いこうと思います。

それでは、また来月に。

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