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家具小売りにおける「オンライン」と「オフライン」の重要な関係


こんにちは。やまもとです。

今月のブログは、家具小売りにおけるオンラインと
オフライン(リアル店舗)の関係性について、私見
を整理していこうと思います。

ここ最近、D2CやOMOという概念で、実店舗の存在
意義が再評価されてきています。

Amazonは「Amazon GO」というリアル店舗の実験
を始めていますし、Appleも「Apple Store」を展開
しており、その他の事例を見ても、ITの最先端企業が
リアル店舗を大切にしていることが分かります。

また、それとは逆に「北欧、暮らしの道具店」さんや
「SCOPE」さんといった僕が尊敬するインテリアEC
企業は、実店舗を持たない(もしくは辞めた)と
いう方向性もあります。

では、家具小売りである僕たちにおいて、
リアル店舗は果たして必要なのでしょうか。

そんなことを考察したお話です。

オン・オフ それぞれのメリット

まずは、オンライン・オフラインそれぞれのメリット
から、まとめてみましょう。

(企業から見た)オンラインのメリット

  • いつでも購入してもらえる
  • どこからでも購入してもらえる
  • 売り場に制限がない
  • 際限なく製品について語りつくせる
  • 製品イメージを具体的に見せられる(画像や動画) etc...

(企業から見た)オフラインのメリット

  • 体感を提供できる
  • 世界観を空間として表現できる
  • Face to Faceでユーザーとコミュニケーションできる
  • お客様との深い関係が構築しやすい etc...

詳細に語らずとも、みなさんがイメージされるまま
に、それぞれに良さがあります。デメリットは、
それぞれ逆を考えてもらえればと思います。

つまりは、一長一短といった感じで、強みの方向性
が異なります。

家具小売りにおいて、オン・オフは補完関係

さて、上記の両側のメリット(とデメリット)を
考察して、家具小売りが向かうべき方向性を、
僕的にはすでに結論を付けています。

「家具小売りにおいて、オン・オフのどちらも
 無くてはならない補完関係である。」

ということです。

詳しく紐解いていきましょう。

家具は難しいから、オン・オフの両方が必要

家具は、買うのが非常に難しい製品です。

なぜ難しいのかソファを例に見ると、

  • 硬い・柔らかいのはどちらが好みか分からない
  • 大きい・小さいのどちらがいいか分からない
  • 色は何色がいいか分からない
  • 価格と品質が適正か分からない
  • 生活スタイル(TVを見るのが大好きだ... etc)に合っているか分からない
  • インテリア全体との調和はどうか分からない etc...

と、ざっくりと挙げただけでも、こんなにも
不明検討要件があります。

上の4つはなんとなくイケそうなのですが、下2つは
さらになかなかに難しそうです。

家具選びの正解は、千差万別な個人のライフスタイル
にかなり影響を受けます。人によって正解が大きく
異なるのです。

ほとんどの人は家具についてのリテラシーが低いのが
日本の現状で、衣食住の中でも学ぶ機会が極端に
少ないのが「住」の分野です。

家具選びのハードルは、

  • 生活での重要度が高い
  • 自分に合ったものが分からない
  • リテラシーが低い
  • そもそも学ぶ機会が少ない
  • 替えがききづらい etc...

こんな理由で、「家具選びは難しい」のです。

つまりは、家具選びはとても難しいので、オンライン
とオフラインは、切り離すことができないほどに、
どちらも非常に重要な要素で、どちらか一方が欠け
ても、満足のいく家具選びはできません。

つまり、家具の小売り企業としては「Amazon GO」
や「Apple Store」と比較しても、それにも増して
オフラインは必須要件だと思います。

ちなみに前述の「北欧、暮らしの道具店」さんや
「SCOPE」さんといったインテリアEC企業は、
「家具」ではなく「雑貨」のお店です。

ITのみで大成功している好例であり、近い分野の
製品を提供するブランドではありますが、家具では
ないという点において、オフラインの需要の違いが
あるでしょう。

同じインテリア業界でも、雑貨と家具は異なる業種で
あると言えるので、混同してはいけませんね。

オンとオフを上手くやるのは、なかなかに難しい。

さて、家具小売りにおいてオフライン(リアル店舗)
がいかに重要かというのが分かってきました。

「それを分析したら、みんな実店舗やっちゃうやん」
と思われそうですが、そうでもありません。

なぜならば、オンラインを主軸とする企業において
リアル店舗運営というのは、なかなかにハードルが
高いからです。

家具小売りにおけるオフライン(リアル店舗)の難しさは、

  • 家具を置くためには、広い店舗面積が必要
  • それに伴って、出店にかかるお金が非常に高い
  • お客様から相談されるレベルは、オンラインよりも高い
  • スタッフの高いインテリア習熟度が必要
  • お店づくり・売り場づくり・ディスプレイなどスキルがITとは別(ちなみに僕は実店舗出身)
  • 店舗集客が難しい(というか、ITの魅力=集客になる。デベロッパー集客では難しい)

つまりは、ITよりもひときわ長いサプライチェーンを
担う必要があります。

金銭面でも、人材面でも、運営面でもかなり多くの
ハードルを乗り越える必要があるので、家具小売りに
おいてのオン・オフの両立は難しいのです。

オフラインを主軸とする企業が、オンラインを運営
するのが難しいのは、言わずもがなです。

リセノでは、オフラインにさらに注力していく予定です。

というわけで、家具小売りにおいて、オンラインと
オフラインは、切っても切れない関係性であり、
両方ともに最大限に重要だと、僕は結論づけています。

リアル店舗がうまくいっていないブランドは、
ITがうまくいっていないブランドであり、また、
その逆もそうでしょう。

現時点では、昔ながらの実店舗商売の家具屋さんは、
とても苦しい状況です。

ニトリさんやIKEAさん、東京インテリアさんなどの
大型店にお客様を取られていたり、Amazonや楽天
を中心に運営するオンライン家具屋にお客様を取られ
ています。

今後の日本の人口分布をみても、それらの企業は、
なかなか回復は難しいでしょう。さらに今後は、
ITだけの家具ブランドも、経営は同様に苦しくなる
と思います。理由は今回の話の通りです。

キーワードは「欠かさず両方」なのです。

補完関係をしっかりと時間をかけて構築していく事が
非常に重要で、そして、それは経営とスタッフが
一丸となって取り組まないと、作り上げていくこと
が、とても難しいのです。

リセノは、ITドリブンでありながらも、リアル店舗も
磨き続けてきたので、両方が今うまく融合しながら
良いブランドになってきていると思います。

実際にリセノでは、リアル店舗を経由した顧客様は、
リピート率もLTVも、オンラインだけよりも約3倍も
高いというデータが出ています。

個人的には、ご利用いただいたお客様の総合的な
満足とか納得度も、同様に高い基準にあるだろうと
考えています。

今後はさらに出店も計画し、実店舗にもさらに注力
して、補完関係を強化していこうと考えています。

始めるのは割と簡単になった現代の家具小売り。
なかなかに奥が深く、難しくも、楽しく経営しています。

では、また来月に。

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