昨日、商業施設のオンラインリーシングサービス「SHOPCOUNTER Enterprise」をリリースしました!
32兆円ものマーケットサイズを誇る商業施設のコア業務である「テナント誘致業務(リーシング)」をオンラインで構造転換するサービスです。
▼株式会社COUNTERWORKSプレスリリース
商業施設のオンラインリーシング・クラウド管理システム「ショップカウンターエンタープライズ」提供開始
同時に、第一号の導入企業様として、関東を中心に、東海、関西、九州に23施設を展開する「株式会社丸
井さま」に導入いただき、本日より正式にサービスが開始しました。
▼株式会社丸井さまプレスリリース
-リアル店舗への出店を、より簡単に、オープンにオンラインの商業施設出店サービス 『OMEMIE(オメミエ)』を本格スタート
スタートアップの中で、「商業施設」に特化して、サービス提供をしている企業はほとんどありません。
一方、小売と不動産が交わる商業施設には、市場・社会ともに大きなインパクトを与える機会と課題が眠っています。
SHOPCOUNTER Enterpriseがこれから取り組んでいく「商業施設」マーケットの課題、そしてプロダクトの魅力を、この記事ではお伝えしていきます。
商業施設にあるポテンシャルと課題
小売から見た「商業施設」の価値
小売=オンラインストアと思われるくらい、コロナ禍で急拡大した小売のオンライン化。
昨今のリテールトレンドの中で「商業施設」はクローズアップされていないものの、コロナ禍の日本の小売市場の 20% を占める「大きな流通チャネル」です。
規模もさることながら、最大の特徴は「複数のテナントが一つの空間に集まり、一つの大きな店として形作られていること」にあります。飲食店やジムなどのサービス店舗、雑貨・アパレル・スーパーなどの物販店が、一つの施設の中で繋がっており、
- 自社のブランドをまだ知らない、新しいお客さまとの出会いを作りやすい
- ターゲットの顧客層が多い場所に絞り込んで、ブランドをPR・販売促進できる
- さまざまな用途でお客さまが来店されるため、地域の方のリピート来店も促すきっかけが豊富
など、ブランドから見て、オンラインにはないユニークな価値が眠っています。
実際に Amazon を中心に大きくブランドを伸ばした Anker さんも商業施設での出店を増加させており、オンラインストアを中心にしたブランドの注目度も高いチャネルです。
小売から見た商業施設の課題
ブランドにとって魅力的なチャネルである一方、課題も抱えています。「オフライン小売の売上の伸び悩み」です。
商業施設はテナントに場所を貸し、賃料をいただく不動産のモデルで成り立っています。従来のテナントにとって賃料の原資は店舗売上であり、商業施設はテナントの売上とともに施設数・収入を伸ばしてきました。
その一方、日本の消費総額は直近の 30 年ほど横ばい、オンラインストアでの消費比率が伸びており、平均的に 1 店舗あたりの売上は下がっています。
こうした状況に対し、
- これまで商業施設に大量出店してきたブランド
- 一部不採算店舗の閉店と、店舗運営スタッフ数の段階的な減少
- オンラインストアへの送客をより増やし、お客さまとの接点がオンラインへ移行
- 商業施設の収入
- 店舗売上が下がることで、テナントあたり賃料単価が減少
- 一部店舗の閉店により空室が増え、さらに収入が減少
- 消費者
- オンラインでの消費が増え、商業施設への訪問頻度が減少
- 空室の増加やテナントの同一性の高まりにより、商業施設への来訪頻度・来訪数が減少
と、商業施設・テナントともに収入のアップサイドが減っていくだけではなく、商業施設の収入そのものが減るリスクが高まっています。
求められる新しいテナントと、テナント誘致業務の課題
「従来商業施設に出店してこなかった新しいテナントを誘致することで施設に訪れるきっかけを作りながら収益を改善していくこと」が、多くの商業施設の今の経営課題になっています。
一方、商業施設はテナント誘致(リーシング)業務にも課題を抱えています。
第一に、「テナントが出店できる場所がわからないこと」が挙げられます。
これまで、商業施設への出店は、商業施設の営業担当からテナントへの営業がほとんどでした。マンションのように、検討できる最新の情報がオンラインで公開されておらず、テナントさまのニーズや声を拾いやすい仕組みが構築されていません。営業の人手を増やさないと、新しいテナントの方々との繋がりも担保できない状況になっています。
そして第二に、「出店までの業務プロセスも非効率な状態であること」も課題です。
出店までのプロセスは、テナントのみならず、商業施設の館長や法務、リーシング責任者など、複数の関係者との合意形成・プロジェクト管理が必要です。また、同じような説明や請求処理の繰り返しが必要になる業務フローとなっており、効率化の余地が大きいもののこれまで手をつけられてきませんでした。
誘致するテナントがどんどん増えるほど、現場の営業・事務処理負荷も高まる一方で、メンバーの増員できない施設がほとんどであり、効率化の必要性はますます高まるばかりです。
ブランドが数クリックでオンライン店舗が開ける時代に、なぜ商業施設で店舗を開くのに、こんなにアナログでクローズドな状態なのでしょうか?
その要因として、これまではテナントの入れ替えが5年に一回で「長期の出店」を前提に業務・組織が作られており、マンパワーでの解消で十分だった状況が背景にあります。
しかし、消費者の嗜好変化によるポップアップストアの重要性の高まりや、テナントの長期出店ニーズの低下による出店期間の短期化により、この前提が崩れつつあります。実際に、1年以内の短期出店する出店形式「ポップアップストア」の伸びが、SHOPCOUNTERのデータから明らかになっています。
このデータからも、テナントニーズに応えながら消費者の求めるブランドを商業施設に誘致していくには、これまで以上に営業のあり方や業務の流れを変える必要が出ています。
SHOPCOUNTER Enterpriseはどのように課題解消しようとしているのか
これらの課題に対して、「テナント誘致を行えるテナント募集サイト」を作り、「出店までのプロセスを管理できる管理システム」を提供しようとしているのが「SHOPCOUNTER Enterprise」です。
これまでもマーケットプレイスとして「SHOPCOUNTER」を通じて、商業施設や路面店舗などに新しいテナント誘致を進めてきましたが、さらに一歩踏み込んで、
- 商業施設が自社サイトも持ち、多くのテナントさまにご出店いただく
- 申込・契約・請求などの業務をすべて電子化し、営業員の事務作業工数を削減
- 社内でスペースのスケジュール管理・交渉状況を共有し、関係者間の情報共有コストを下げながら、効果的・効率的な業務進行が行える
営業・顧客管理ができる機能も搭載しており、商業施設自身の営業プロセスをデジタルベースに変革させながら、システムの導入・活用を進めていきます。
カウンターワークスの介在価値は何か
こうした「オンラインリーシングプラットフォーム」「クラウド管理ツール」は、商業施設が単独で作ると開発パートナーに要件定義から任せることになり、初期投資も、改善・運用にかける投資額も大きくなってしまいます。なにより、商業施設の運営に直接携わっていない開発パートナーでは、現在必要なものや将来必要になるものの正確な要件定義が難しくなります。
そのため、カウンターワークスでは、SHOPCOUNTERで7年間培った「オンラインを通じた効率的なテナント誘致フロー」「全国の商業施設とのパートナーシップの中で掴んだ深い業務理解」のナレッジや開発力を活かし、より良いサービス提供を早く・初期投資を抑えられる形でサービス展開をはじめました。
また、18,000のテナントを誇るSHOPCOUNTERとの連携でテナント誘致を強化していくことで、幅広く出店候補先を検討しているテナント企業にも募集を拡大でき、オンラインを主軸にした効率的な営業フローの構築にも伴走します。
本リリース前には、導入企業の丸井さまに共創パートナーとして入り、「お問い合わせサイトのβ版開設」「営業プロセス・組織改革」をともに考え実行して参りました。結果として、テナントからのお問い合わせを多数創出できるようになり、正式導入が決まりました。
ソフトウェアサービスにとどまらず、パートナー企業とともに課題解決する。そして、それをプロダクトにフィードバックして、より多くの商業施設の課題を効率よく解消していく。このように、パートナー企業・プロダクト開発・ビジネス開発が密に連携し、新たな商業施設のモデルを創りつつあります。
テナントに加え、全国の商業施設・百貨店などと繋がりがあるカウンターワークスだからこそ、両者にとってより良い体験と課題解決を行っていけると考えています。
新しい商いのインフラを作る仲間求めています
32兆円もの大きな市場の変革に挑戦する仲間を、私たちは求めています。
現在、SHOPCOUNTER Enterpriseは、事業責任者のCOO、事業開発 兼 プロダクトオーナー1名、エンジニア5名の7名チームで事業を立ち上げています。
数多くのパートナーの経営課題に寄り添い、より多くの商業施設の課題を解消する価値をプロダクトに落とし込み作り上げていくに当たって、本事業の立ち上げに携わる仲間を募集しています。
事業責任者・プロダクトオーナーとともに、市場・パートナー・事業・プロダクトの未来を議論し、共に創り上げる特等席をご用意しています。
また、少しでも気になった方、もう少し深く事業について知りたい方など、現在SHOPCOUNTER Enterpriseのbizdev/PdMを兼務しているCOUNTERWORKS竹信(たけのぶ)のTwitterまで、お気軽にカジュアル面談からお声がけください!
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