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サービスデザインで社会にインパクトを。NTTデータのデザイナー集団「Tangity」が創り出す新たな未来

企業の事業創出において、UX(ユーザー体験)を意識した「サービスデザイン」の重要性が高まっています。継続的に顧客へ価値を提供できる仕組みや組織をデザインすることで、新たな社会的価値を生み出すことが可能になります。デザインマネジメント国際団体のDMI(Design Management Institute)の研究発表でも、「デザイン」を重視する企業が、その他の企業に比べて2倍の成長を遂げていることが報告されています※。

NTTデータでは、サービスデザイン領域を実践する場として、世界各国でデザインスタジオ(16拠点)を運営し、人材・ノウハウの共有やグローバルの先進事例の活用を進めてきました。2020年には、各スタジオを繋ぐNTT DATA Design Networkに所属するデザイナーだけで組成された新ブランド「Tangity(タンジティ)」を立ち上げています。

「Tangity」は他のデザインファームに比べて、どのような社会的価値を提供できるのか。サービスデザイナーとして活躍する2人に、「Tangity」だからこそ取り組めるプロジェクトや、デザイナーとして成長できる社内環境について話を聞きました。

2015 dmi:Design Value Index Results and Commentary(DMI)


〈プロフィール〉

村岸史隆
技術革新統括本部 デジタルテクノロジ推進室 エグゼクティブサービスデザイナー

アメリカでデザイナーとして勤務後、日本に帰国。外資の事業会社、広告会社、出版社、デザインファームで、プロダクト、サービス企画、デザイン組織立ち上げなどを実施。2020年NTTデータに入社し、デザイナー集団「Tangity(タンジティ)」のデザイン責任者として様々なプロジェクトの推進からデザインディレクションまで幅広く取り組んでいる。


岡部美幸
技術革新統括本部 デジタルテクノロジ推進室 サービスデザイナー

2016年新卒入社。流通サービス事業部でEC・デジタルマーケティング領域のデータ分析やシステム開発上流コンサルティング、UI/UXディレクションに従事。2022年よりデザイナー集団「Tangity」に参画し、サービスデザイン関連の研修開発や国内クライアントとのデザイン伴走支援に取り組んでいる。

         デザインの力で社会に価値を提供できる

ーーこれまでのキャリアについて教えてください。

村岸:ニューヨークの大学院を卒業後、そのまま現地のブランディング・エージェンシーでキャリアをスタートしました。グラフィックデザイナーとして、グローバル企業の商品パッケージデザインやキャンペーンのポスターを作成し、仕事関連の繋がりでロサンゼルスのスタートアップに転職しています。その会社ではUIデザイナーとして、ソーシャル系プラットフォームの構築などに携わり、チームの立ち上げやSNSでのプロモーション管理も担当していました。

その後は、UXデザイナーとして外資系の大手IT企業へ。データ系プロダクトやサービスプラットフォームのUCD(User Centered Design)チームに配属され、ユーザーインサイトを反映したUX/UIを体系的に学びました。2011年に日本へ帰国してからは、外資の事業会社や出版会社、デザインファームでUXマネージャーを歴任し、バリューアップのためのデザインや事業企画に取り組んでいます。

ーー豊富なキャリアを持つ村岸さんが、NTTデータへの入社を決めた理由は?

村岸:社会に対して、大きな価値を提供できると思ったからです。今までのデザインファームにおけるキャリアは、企業やサービス、あるいはプロダクトを成長させることが主なミッションでした。組織内のマネジメントや育成にも携わってきましたが、さまざまなクライアントワークを行うなかで、もっと社会全体にインパクトを与えるような仕事をしたいと思うようになったのです。

そんなときに出会ったのが、公共事業やインフラの案件も多く手がけるNTTデータです。組織のミッションに対しての整合性を取りつつ、自由度高くデリバリーやプロジェクトに取り組めることに魅力を感じました。プレイヤーとして自分で手を動かせるポジションだったことも、入社を決めた大きなポイントです。「Tangity」の前身のデザインチームに責任者としてジョインしました。

ーー岡部さんは新卒でNTTデータに入社していますが、その経緯と今まで取り組んできた業務について教えてください。

岡部:大学在学中に大手電機メーカーのワークショップを体験したのですが、そこで学んだ「サービスデザイン」にとても興味を持ちました。どうすれば、生活者が喜んでくれるようなサービスを作れるのか。UXを意識したサービスデザインで課題を解決しようとするプロセスが楽しく、「こんな仕事に就きたい」と思うようになりました。色々な会社を見ていくなかで出会ったのがNTTデータです。

最初は「電話の通信会社」というイメージしかありませんでしたが、社内でデザインを行っているチームがあることに驚きました。当時は流通サービス事業部という部署があり、流通とデジタルのさまざまな企画を発信する役割を担っていたので、興味を惹かれて入社しました。OB訪問した社員の方々の人柄が、とても温かく安心感があったことも大きな理由の一つです。入社後に配属されたポジションは流通サービス事業部のコンサルタントで、開発チームに寄せられる要望を私たちが吸い上げ、どこに課題があるのかを整理し、どのように解決するのかまで進めていました。

ーー「Tangity」に参画した理由を教えてください。

岡部:以前は流通小売のお客様と共にシステム開発を行う部署にいましたが、日々の業務でお客様と話すなかで、「今後どんなサービスを作ればいいのかわからない」、「新たなことをやっても失敗するのではないか」などの課題や悩みを聞くことが多く、サービスデザインの必要性を感じるようになりました。ただシステムを作るのではなく、もっと上流の戦略からクライアントを巻き込んで一緒にやっていく必要がある。そんな想いが高まっていたときにサービスデザインに取り組む「Tangity」のポジションがオープンになったので、自ら手を挙げて2022年に異動しました。

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ーー「Tangity」が立ち上がった背景について教えてください。

村岸:NTTデータは日本のみならずグローバルでもSIer、システムを作る会社という印象が強いので、デザイナーが働く場所として認知されていませんでした。しかし、実は以前から当社は「サービスデザイン」に力を入れており、世界各地で16か所のデザインスタジオを運営するなど、人材やノウハウの共有をグローバルで進めています。社内にもデザインに取り組むチームがあり、公共事業や金融領域など幅広い分野で価値を発揮してきました。デザイナーだけで構成された組織ではなかったので、デザイン視点で働けることが今まで知られていなかったのです。

そこで、2020年6月にNTT DATA Design Networkに所属するデザイナーだけで構成された新たな組織『Tangity』を、日本・イタリア・ドイツ・イギリスの4カ国で立ち上げました。ブランド名は「実体があること」を意味するTangibleに由来しています。複雑化している様々なビジネスをユーザーにとって実体のある、わかりやすいかたちにデザインしていく。人の行動を中心に置き、その心に寄り添いながら、温かみを感じられるサービスをつくっていくことを大切にしています。

ーー「Tangity」はどのような役割を担っているのでしょうか?

村岸:私たちサービスデザイナーが担っている役割は、大きく3つあります。まず1つ目はクライアントワークで、UXを意識したサービスデザインで新たな価値を提供しています。様々な業界のお客様に伴走しながら、デザイン思考で組織の立ち上げや、プロダクトの制作などそれぞれのプロセスを担当しています。そのなかでNTTデータの強みを感じるのは、営業や開発のメンバーがお客様との深い関係性を構築し、困りごとをしっかりと理解していることです。私もデザインファーム時代に顧客の課題をヒアリングしていましたが、短期的な視点でしか課題を把握できていないと感じることが多々ありました。その点、NTTデータは中長期的な視点も考慮しながら、今取るべき戦略を多角的に見ています。当社の連携を活かしつつ、社会に価値のあるプロダクトをつくり、ユーザーに届けられる道筋を整備していくのが私たちのミッションです。

2つ目は、社内で開催しているオンラインワークショップです。NTTデータは全社横断の組織「Tangity」をきっかけに、今後さらにサービスデザインに注力していきます。私たちの「サービスデザイナー」という職種も、2021年10月に社内で正式に認定されました。それに伴い人材育成が重要になってくるので、研修開発にも取り組んでいます。デザイナー向けの専門的な内容はもちろんのこと、それ以外の一般社員がデザインについて気軽に学べるような研修もつくっていきます。

3つ目は、「Tangity」のことをもっと多くの人に知ってもらうための情報発信です。様々な外部メディアはもちろんのこと、NTTデータが運営しているWEBメディア「DATA INSIGHT」などでも知名度アップに努めています。その他にも、社内のデザインチームと連携をとったり、海外のデザインスタジオとミーティングを行ったり、グローバルな視点で日々デザインに向き合っています。

ーーどのようにプロジェクトを受注して進めていくのですか?

岡部:外部のプロジェクトを自ら受注したり、社内のプロジェクトに途中からジョインしたり、ケースバイケースです。アウトプットの品質管理やデリバリーを担当することもあります。組織横断で社内の色々な部署から相談が寄せられており、「こんな企画・アイデアをサービス化したい」など、抽象的な内容をかたちにすることもあります。

村岸:当社は大規模な組織なので、以前は社内で「Tangity」のことがあまり知られていませんでした。しかし、立ち上げからの2年間で少しずつ実績をつくってきたことで、以前より名前が知られるようになっています。社内で頼られるのはもちろんのこと、その先のお客様からのリピートや新規の依頼が増えてきているので、私たちのニーズがどんどん大きくなっています。

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ーー「Tangity」の強みはどんなところにありますか?

村岸:「Tangity」に限らずNTTデータ全体で優秀な人、地頭が良い人が多いことです。情報の理解力が高くスピード感を持って仕事を進められるので、納期や品質のコントロールが非常にしやすいです。また、全社で変化に対する柔軟性がかなり高いので驚きました。入社前のイメージでは「堅い会社」というイメージがありましたが、実際に働いてみるとデザイナーが裁量を持ってプロジェクトを進められます。

ある意味、今まで経験してきた外資系企業よりも組織の柔軟性が高いかもしれません。外資系企業の場合は、トップダウンに近いかたちで方針が降りてくることや、決められた幅のなかで考えることの方が多いからです。「Tangity」の場合は、「いいんじゃない」「やっていいよ」という風にサクサク決まっていくことが多く、意思決定がとてもスムーズです。枠がないのでデザイナーとしてのアイデアを広げやすいと思います。

ーー「Tangity」だからこそ実現できる仕事について教えてください。

村岸:当社には「金融」、「公共・社会基盤」、「グローバル」、「法人・ソリューション」の事業部門があり、「Tangity」はこの4部門を横断的にサービスデザインで支援しています。例えば、公共の未来を考えるようなプロジェクトでは、社会インフラをデザインしていきます。公共というと広くてイメージがつきづらいかもしれませんが、日頃自分たちが使っていたり、将来的に使っていくであろうものを、非常に多くのステークホルダーとディスカッションしながら未来を描いていくのは、「Tangity」だからこそ体験できる仕事だと思います。私たちが将来的に享受する価値を創っている実感があり、大きなやりがいを感じられます。

ーー課題として感じているのは、どのようなことでしょうか?

岡部:デザインに関して多くのニーズが寄せられるため、リソース面で余裕がないのが現状です。それぞれのプロジェクトはもちろんのこと、研修プログラムの開発でもある程度の工数が必要なので、対応できる人材をしっかりと育成・採用していくことに注力しています。今後は出来るだけメンバーを増やして、さらに多くの価値を提供していきたいと考えています。

サービスデザインに関する案件は年々増えていますが、工数やプロジェクト管理を徹底しているため、無理な働き方になることはありません。出社とリモートについても基本は本人に任されており、チームで顔を合わせる週に1度の出社日以外は自由です。それも強制ではないので、家庭の事情などで難しい場合は調整できます。

      社内外のデザイナーとの連携で、スキルが世界へ広がる

ーー「Tangity」では、どのようなスキルセットが求められているのでしょうか?

村岸:システム関連の知識やスキルがなくても問題ありません。社内外にスペシャリストがいるので、その知見を活かしながらプロジェクトを進められます。例えば、公共・社会基盤の未来像を描く場合には、そのシステムの担当者にヒアリングやインタビューを実施します。「こういうことを実現したい」、「それならこんなことができる」という風に進めていけば、専門的なITの知識は必要ありません。それよりもお客様が困っていることを掘り下げ、アンケートなどの定量データを元に解決策を検討していく。そして、ユーザーのUX/UIを考えながら実際のアクションに繋げていくことが求められています。

ーー今後はどんなことに挑戦していきたいですか?

村岸:中長期的には、クラフト(工芸的な造形)もアウトプットできるチームにしていきたいと考えています。全員が製作できる必要はありませんが、外部のデザインパートナーやデザイン会社にクラフトを依頼したとき、制作経験がないと納品物が良いものか悪いものか、判断が難しい場面もあります。そのため、これからクラフトのデザインができる人材をチームに増やし、さらに幅広い案件に対応できるよう成長していくことが必要だと考えています。

ーー最後に、改めて「Tangity」で感じられる仕事のやりがいについて教えてください。

村岸:色々なプロジェクトがあり、デザインの幅が広くて面白いと思います。例えば、新規事業で困っているケースから、ECコマースの立ち上げ、さらにはスケールの大きいスマートシティ構築など、NTTデータだからこそ経験できることが多いと思います。他の部署では、SDGsやサステナブルをテーマに、ビジネスとデザインを繋げることにも挑戦しようとしています。大学との産学連携など柔軟な視点で取り組んでいるので、刺激を受けることが多いです。海外との連携を含め他のメンバーと繋がることで、自分のフィールドや知見がどんどん広がっていくので、日々の仕事にやりがいを感じられます。

岡部:Tangityは日々成長しているチームなので、研修開発や広報関連の情報発信など、プロジェクト以外にも色々なことを経験できます。担当するプロジェクトも様々なので、好奇心旺盛な方にとっては最適な環境だと思います。経験やキャリアの幅を広げ大きく成長したい方に、ぜひジョインしていただければと思います。

「Tangity」は日本国内および各国における株式会社NTTデータの登録商標です。

株式会社NTTデータが提供する「デジタルテクノロジーディレクター」が、実際の現場での経験を基にDXのケーススタディを書き綴っています。ご興味がある方は、ぜひこちらもご覧ください。https://ndigi.tech/

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