1
/
5

軍事技術の発展から生まれたIT技術③

こんにちは!システムアイの白井です。

前回前々回とで軍民転換されたIT技術をいくつか見てきました。
(もしもこのストーリーからご覧くださっている方がいるようでしたら、ぜひ前のストーリーからご覧いただけるとうれしいです!)

今回はそれを踏まえて、私が感じたことを書き連ねていきます。
以下はあくまで私個人の意見なので、これまでのストーリー・今回のストーリーを受けてみなさんはどう思うか?どう思ったか?などなど、いろいろなことを考えながらご覧いただければと思います。

さて、ここまで軍民転換された技術を調べてきてまずストレートに思ったこととしては、やはりアメリカで生まれたものが多いなということです。今回調べたものはあくまで一部でしかないのですが、IC(集積回路)の開発もアメリカ空軍の依頼を受けて始まったとのことです。IT技術と軍事技術に関連性があり、IT技術は軍事技術の発展・転用によってめざましい発展を遂げてきたと言えそうだということを考えると、軍事大国であるアメリカが現在に至るまで技術的な部分の先駆け的存在になっていることにも合点がいきます。
その一方で、アメリカと日本の比較という点で見てみると、アメリカで技術が生み出されてから日本で技術が生み出されるまでに、約10年ほどの時間の差が開いていることが多いこともわかりました。「日本のIT技術は世界から比べると約10年ほど遅れている」のだとは今でもよく聞く話ですし、理解はしているつもりだったのですが、今回様々な技術の起源を調べていく中で、途中から発展スピードの差が出始めたのではないことを改めて認識しました。そもそもスタートダッシュの時点で日本は出遅れていたんですね。
短絡的に、だから日本はダメなのだと言いたいわけではありません。軍事技術の発展がIT技術の発展に少なからず結びついているということを踏まえると、なるほど確かに、第二次世界大戦終戦後GHQの占領下に入って軍事的な発展をしてこなかった日本が、その状況下で技術を独自に発展させる・・・というのは難しい話だったのかもしれないなと感じてます。

ですがそうなると、これから先も日本がIT技術をめざましく発展させていくのは難しいということになってしまわないか?と思われる方もいるかもしれません。日本は平和な国ですもんね。(弊社の採用活動の中でお会いする外国人の方々もよく「日本は平和で素敵なところだ」と褒めてくださいますし、もちろん私もそう思います!)

軍事技術の発展とIT技術の発展が関連している部分があるのは事実だと思いますが、それはけっして軍事技術が発展していかなければIT技術も発展していかない、ということとイコールになるわけではないと個人的には思うのです。どんなことでもやり方は一つではないと思いますし、日本が平和を保ちながらできるアプローチもあると思います。では今後日本が技術的な遅れを取り戻し、発展していくためにはどのようにしていけばいいのでしょうか?
答えは幾万にもあるという前提で、、すごくシンプルなのですが、やはり強みを活かすということが何より大事かと思います。



テクノロジーの分野での日本の強みを思い返してみると、「小型化」というキーワードが思い浮かびます。電卓時計携帯ラジオ音楽プレーヤーデジタルカメラICレコーダーなどなど・・・日本が小型化を成功させてきたものはたくさんありますよね。世界初の電卓はイギリスが作った「Anita」、世界初の原子時計はアメリカで開発されたもの、世界初のデジタルカメラはアメリカが作った「Cromemco Cyclops」であったり・・・世界初とされるものに関しては外国が生み出したものが多くとも、その製品を小型化して世の中に普及させるのに貢献したのは日本人の叡智でした。もちろん日本が世界で初めて生み出したものがあることも重々承知していますが、日本人は何か元になるものを見て真似て、進化させていくことに長けているのではないかと思います。それは「背中を見て学ぶ」「見て盗む」という昔ながらの職人気質ゆえであったのかもしれません。盗む、という言葉を使うと少々響きが悪くなるかもしれませんが、職人が行うそれらはすべて「インスパイア」「オマージュ」「リスペクト」そういう言葉に置き換えられる、対象者への敬意がこもったものです。

「すべての創造は模倣から出発する。」から始まる池田満寿夫氏の言葉もあるように、初めから自ら創造ができずとも、最初は何かの模倣から始めればいいのだと思います。何か言葉にするのに自分の中の語彙では足りなければ素敵だなと思った本のフレーズを拾ってきたり、絵が上手くなりたいからと好きな絵を真似て描いて、線の引き方、色の塗り方を覚えてみたり。そこから徐々に自分が思い描くものに近づけていく表現方法、手法を覚え、思考錯誤の末に完成させていくことができたなら、それは立派な「創造」になると思っています。

IT技術もそれときっと同じではないでしょうか?今すでに10年ほどの差が開いている中で、これからその差を独自に発展することで埋めようとするには相当大変なものがあります。もちろん独自に発展していこうとする前向きな考え方・動き自体はとても素晴らしいですが、それと同時に、否それ以上に、まずは先駆者たちが持っている技術・情報をいかに早くキャッチアップして自分たちのものとして適用させていくかが重要になるのではないでしょうか。オープンソースも多々ある今の世の中ですから、車輪の再発明をすることなく、「使わせていただけるものはありがたく使わせていただく」の精神が大事になってくると思います。

だからこそ、システムアイは日本国内だけでなく、最先端の情報が発信される海外に目を向けていきます。今回は結果としてアメリカを多く引き合いに出すことになりましたが、軍事大国でありIT技術大国となってきているお隣の中国も、その他の国の情報もいち早くキャッチアップしていく心積もりです。

システムアイは本当にすごくいい意味で「こだわっていない」会社です。この国がいい、この技術がいい、これしかやりたくない、そういった頑なな思想を持った会社ではありません。なので、いいと思ったらどんな技術でもキャッチアップしていきたい。そんなマインドシップでいますし、その柔軟な思考でもって取り入れたよりよい技術を、どんどん日本に還元していきたいと考えています。
よりよい技術のキャッチアップをしていきたいと思うのはエンジニア自身のスキルアップのためという面ももちろんあるのですが、その技術をまだご存じではないお客様に、最適なコンサルティングができるようにという強い想いがあってのことでもあるのです。技術の面でお客様とお客様のビジネスをサポートさせていただくのが我々の仕事ですが、お客様の期待を超えるものをご提供していくためには、お客様よりも(専門家としては当然のことなのですが)ずっと技術に明るくないといけませんよね。
それと同時に、我々はきちんと選択肢を持っていないといけないとも思っているのです。「これがベストだと思います」とお客様に対して自信を持ってお伝えするためには、たくさんの技術の中から比較検討をしないと「どうしてこれがベストだと思うのか」という根拠が示せないですから。

最新のものは基本的にはいいものであることが多いと思っています。けれどもプロがお勧めするときの理由が「新しいから」だけではどうしようもないですよね。最新の技術の知見も持った上で、今回のケースではどんな技術を使うのがベストかを判断していく。それがプロとしての仕事ではないかと思いますし、システムアイではそういうお仕事をしていきたいと思います。

そしてシステムアイが日本の中で、海外からキャッチアップした新しい技術の導入・提案・開発をどんどん行っていくうちに、徐々に日本国内のIT技術力も向上していく。そうした貢献ができるような形を作っていけるように、今はひたすらに邁進していきたいと考えています。

文章中でも書かせてもらいましたが、今回の記事はけっして日本が軍事技術国家になることを推奨するような意図はございませんし、そうなることは一切望んでおりません。これからも日本の平和が続くことを願っています。

株式会社システムアイ's job postings
2 Likes
2 Likes

Weekly ranking

Show other rankings
Invitation from 株式会社システムアイ
If this story triggered your interest, have a chat with the team?